門脇麦、水原希子、高良健吾、岨手由貴子監督

 門脇麦、水原希子、高良健吾、岨手由貴子監督が『第33回東京国際映画祭』会期中の5日、東京・EXシアター六本木で、映画『あのこは貴族』(2021年2月26日公開)の舞台挨拶に臨んだ。

 【写真】舞台あいさつに登壇した門脇麦、水原希子、高良健吾ソロカット

 山内マリコ氏による同名小説を、初のオリジナル長編作品『グッド・ストライプス』で新藤兼人賞金賞を受賞した岨手由貴子監督が映画化。都会の異なる環境を生きる二人の女性が、恋愛や結婚だけではない人生を切り拓く姿を描く。同映画祭では特別招待作品として上映される。

 東京生まれ東京育ちの箱入り娘・華子を演じた門脇は、「華子と言う役への難しさは色々とありましたが、台本を読んだときに典型的なお嬢様の役にはしたくないと思っていました。原作の山内マリコさんの文は地の部分が素敵で、それをキャラクターに入れられないか試行錯誤しました」と振り返った。

 地方から名門大学に合格して上京するも家庭の事情で大学をドロップアウト。都会自力で生きる女性・美紀を演じた水原希子は、台本を読んだときに自身と重なる点があったという。「美紀は田舎から大学のために東京に出てきて葛藤を乗り越え強く生きている女性。そのタイミングで私も起業したこともあってリンクするところがありました」と自身にとって特別な作品になったと明かした。

 一方、東京の名家に生まれて、後に華子の夫になり、奇しくも二人を繋ぐことになる、弁護士・幸一郎を演じた高良。「用意されたレールの上を歩くというか、それにあらがう瞬間や気持ちを入れているようで入れていなかったり、素直になりたくてもなれない。そういう葛藤は大切にしたいと思って演じました」とどう役に向き合ったかを明かした。
 
 岨手由貴子監督は、門脇、水原、高良、そして石橋静河、山下リオの5人のメインキャストはそれぞれ個性があり、なおかつそれぞれ役へのアプローチも違ったようだ。

 岨手監督は「脚本上では想像できなかった感情の機微を、皆さんがこうやりたいと言って下さって、やっていくうちに完成系が出来た。編集して活き活きしたキャラになりました。役者さんが演じて役に命が吹き込まれる、という話は聞いたことはありましたが、ここまで実感したのは初めての体験でした」と振り返った。

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