KDDIとKDDI総合研究所が8日、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言解除後の音楽活動の再開・始動に向けた新しい音楽鑑賞の提案として、新日本フィルハーモニー交響楽団、東京混声合唱団とともにバーチャルコンサートを企画・制作し、「新音楽視聴体験 音のVR」アプリで配信した。

 「音のVR」は、360度動画の見たい・聴きたい部分に自由自在にフォーカスできるインタラクティブ視聴技術。最大360度8Kビデオ・360度3Dオーディオから、空間的に自然な広がりと定位を持つ、任意の範囲の音場をリアルタイムに合成、再生。

 「音のVR」を利用したバーチャルコンサートでは、客の動作やスマートフォンなどの操作に応じて、好きなパートに近づいたり遠ざかったりすることができ、あたかもコンサートホールの舞台上 や客席を自由自在に移動し、自分だけの特等席で音楽を鑑賞しているような疑似体験が可能となっている。

 バーチャルコンサートでは、新日本フィルハーモニー交響楽団のフランチャイズホールである「すみだトリフォニーホール」のステージを背景に、119人のミュージシャンが、合唱の定番曲として老若男女に親しまれている「Believe」をリモート演奏。視聴者は「新音楽視聴体験 音のVR」アプリを利用して、好みの楽器や聴きたい歌声の向きにフォーカスしたり、映像をズームしたりすることで、オーケストラと合唱の多種多様な音色を楽しむことができる。

 なお、新日本フィルハーモニー交響楽団と東京混声合唱団による共演は、2013年3月以来となる。ミュージシャンとして困難な状況におかれながらも、「新しいことに挑戦して活路を見出したい」と強く願う両団の想いが共鳴し、実現に至った。「Believe」の演奏には、さまざまな音楽発表の場を失った小中学生や高校生をはじめ、音楽ファン、音楽関係者と一緒に困難を乗り越えていきたいという想いが込められている。

 KDDI、KDDI総合研究所は、「豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献する」という企業理念の もと、通信技術やパートナシップを通じて、今後も社会課題の解決に貢献していく。

新日本フィルハーモニー交響楽団事業部長 貝原正三コメント

 「コロナ禍で演奏することができない中、新日本フィルハーモニー交響楽団は、楽団員によるオリジナル企画『シンニチテレワーク部 テレワークでパプリカ合奏してみた』で多くの方に注目をいただき、 遠方の方やクラシックに馴染みのない方に音楽を届ける可能性を感じました。『音のVR』では、普段コンサート会場では見えにくい演奏者の姿や楽器の音色にもフォーカスできるため、リアルにはない新しい価値を提供できると感じています。今後はリアルとネットを並存する新しい音楽発信を模索していきたいと考えています」。

東京混声合唱団事務局長 村上満志コメント

 「2020年4月に公開した東京混声合唱団のリモート合唱『Believe』は、シンニチテレワーク部の『パプリカ』に影響を受けてつくられました。バーチャルではありますが、新日本フィルハーモニー交響楽 団と、その『Believe』を共演することにご縁を感じ、またネットの可能性を改めて実感しております。肌と肌が触れ合うなかで生まれる音楽を大切にしつつ、『音のVR』のような新しい通信技術のチカラを享受することで、音楽鑑賞や音楽文化のさらなる発展を期待しています」。

KDDI総合研究所イノベーションセンターマルチモーダルコミュニケーショングループ 堀内俊治コメント

 「今回、新日本フィルハーモニー交響楽団さまと東京混声合唱団さまのリモート演奏に携わることができ、大変光栄に思います。KDDI総合研究所の『音のVR』は、音楽鑑賞やスポーツ観戦をより能動的に、お客さまごとの好みに応じて楽しんでいただきたい、という思いから開発しました。コロナ禍で生まれたバーチャルコンサートを、新しい音楽鑑賞スタイルで楽しんでいただければ幸いです。今後も、五感技術や通信技術を活用し、お客さまに寄り添った新しい体験価値を生み出していきたいと考えています」。

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