韓国ボーイズグループNCT DREAMが10日、オンライン適合型コンサート『Beyond LIVE』で『NCT DREAM - Beyond the DREAM SHOW』を配信した。「Beyond LIVE」は、アーティストのパフォーマンスや華やかなグラフィックと最新技術を取り入れた新しい映像コンサート。無観客の中、オンラインで全世界の視聴者とリアルタイム交流ができる新世代の公演文化だ。鮮やかな好演を魅せ、ライブ配信終了時点でハートマーク1億超え獲得と大盛況をみせた本公演の模様をレポートする。【取材=平吉賢治】

ニュースタイルの公演で惜しみなく全てを

NCT DREAM

 新世代のライブ形式「Beyond LIVE」は、4月26日のSuperMの公演配信を皮切りに展開されている。10日、日本時間午後15時、NCT DREAMの公演が始まると、スクリーンに数々の視聴者のリモート画面がズラリと並び、世界中が注目していることが可視化された。オープニング映像からスタートし、へチャン、ジェミン、チソン、ジェノ、ロンジュン、チョンロが姿を現す。クールな曲調の「GO」からライブは走り出した。

 グラフィックアートがスクリーンと床に広がり、メンバーは白と黒のコントラストが映える衣装でフレッシュにダンスと歌唱を披露。続く「Drippin'」ではレーザー状の光がスペーシーに飛び交うスクリーンがバックで煌めく。HIP HOPビートが鋭く刻まれるなか、NCT DREAMの6人はそれぞれキレのあるパフォーマンスで視聴者を魅了した。

 MCではメンバーがリモート画面の視聴者へ様々な言語で挨拶。「今日はプレゼントのような時間」「最後まで期待してくださいね!」「今日は皆さんに惜しみなく全てをお見せします!」と、笑顔を光らせて視聴者へメッセージを投げかけた。

 また、最初は緊張していたと語りつつ、「実際に皆さんがそばにいるよう」「コンサートと同じですね」と、手応えを表した。そして「皆さん今日NCT DREAMと新しい思い出をつくる準備ができているようですね」と、再びライブへ突入する。

ニュースタイルコンサート特有の多彩な演出と交流

 ゆったりとしたダンスと表情が楽しめる「We Go Up」、燃え盛る炎の映像をバックに熱演される「STRONGER」と進み、様々なフォーメーションでパフォーマンスするNCT DREAMはMCでの言葉通り、惜しみなくパワフルな姿で次々と魅せてくれた。

 「Dunk Shot」では、バスケットボールにバスケットコートと、楽曲タイトルとぴったりマッチングするグラフィックで展開された。メンバーはカジュアルなファッションで快活にダンスと歌唱を披露。デビュー曲「Chewing Gum」ではローラーボードに乗っての俊敏なアクションも。NCT DREAMは多種多様なスタイルを魅せ、生ライブとは別世界のエンターテインメントを輝かしく提示した。

 「インタラクティブQ&A」では、メンバーはチャットのコメントをリアルタイムで読み上げ、視聴者との距離をグッと縮めて「Beyond LIVE」ならではの時間をシェアする。公演中盤の時点でのチャットの人数は約8万人(最終的には約30万人)という驚異的な数字。そしてメンバーは数人の視聴者とビデオトークをし、“スペシャルイベント”としてメンバーがフィジカルにハートを作ってプレゼント、というラブリーなシーンから「Don't Need Your Love」へライブを繋いだ。

 「We Young」では、パーカッシブなサウンドに合ったジャングル的風景のスクリーンをバックに意気揚々とパフォーマンス。そして曲間に挟まれた映像ではメンバー各々が「50年後の夢を語り合う」というドラマ仕立てのほっこりとした場面が映し出された。仲睦まじく写真を撮るシーンが心を温かくしてくれる。

 ピアノ演奏の導入からの「Best Friend」では海の上で満月がバックというグラフィックで、映画のワンシーンのような雰囲気。メンバーのコーラス、ファルセット、ラップと、色とりどりのボーカルがライブを彩る。曲が終わると流星のグラフィックがカットインし、「Candle Light」へ。スクリーンは満点の星空というロマンチックな空気感だ。メンバーはジーンズにジャケット姿で清涼感あふれる歌唱を響かせる。

 ロマンチックな空気感はアコースティックギターのサウンドが優しく鳴り渡る「Puzzle Piece」、「7Days」へ引き継がれた。NCT DREAMが森の中でパフォーマンスするようなビジュアル演出が世界観をグッと広げ、セクションのラストでは数々の惑星に包まれるシーンが壮大に広がった。「Beyond LIVE」の演出の可能性の広さ、深さに圧倒される一幕だった。

新たに切り開かれた道で好演したNCT DREAM

NCT DREAM

 MCコーナーでは、ジェノとジェミンが作詞に参加した「Puzzle Piece」について、メンバーからも視聴者からも好評の声が上がり、会場は和気あいあいと楽しげな空気感。「インタラクティブチャレンジ」コーナーでは、“チャレンジマスター”としてNCT 127のメンバー3人がリモートで登場し、「テレパシーを送る」というお題が出された。このリモート視聴者参加型コーナーというのも「Beyond LIVE」ならではの斬新なアプローチ。

 ライブも後半、最新アルバム『Reload』からの「Ridin'」が、ネオン街のような美しい夜の風景をバックに披露された。妖艶に、そして激しく、ダンスとボーカルがエネルギッシュに展開。そして最新アルバムからもう1曲、「Quiet Down」のダーククールなサウンドをバックにキレのあるパフォーマンスを魅せてくれた。

 公演最後のMCでメンバーが読み上げたチャットには、「NCT DREAMを見てるだけでもいい」「本当に大きくなった」「これからも成長していこう」などなど、温かい想いが寄せられ、NCT DREAMは確かな手応えを感じる爽やかな表情を見せた。

 メンバーは、「思ってたより凄く雰囲気もよい」「皆さんの声も聞こえるし顔も見えるから、本当のコンサートのように楽しかったです」と、好感触のメッセージを伝えた。そして、今まで一回もやったことのないコンサートだったので心配もあったというが、「やってみたらコンサートをやっている感じで、いつものワクワクも感じでよかったです」と、温かいスマイルで語った。

 そして「ファンの皆さんが頑張ってくれて一緒にステージをやった気がして、本当にありがとうございます」と、ニッコリ。「ファンの皆さんからもらうエネルギーの方が大きいですね」という感謝の気持ち。「状況がよくなったら皆さんに会いたいです。その時にまた会いましょう。バイバイ!」という希望の言葉。公演と視聴者に対する想いと共に、「Beyond LIVE」が発するエネルギーは世界中に波及した。

 最後に「皆さんがくださったエネルギーで僕たちはもっと頑張っていきます」と、決意表明し、ラスト曲「BOOM」へ。テクニカルでパワフルなダンス、静と動のボーカルカラーが華麗に混じり、鮮やかな締めくくりとなった。

 「Beyond LIVE」というライブの見せ方は、今までになかった革新的なスタイル。無観客ライブでリモートとチャットを駆使し、最新技術のグラフィックで魅せ、離れていてもアーティストが近くに感じられるという別軸の“ライブ”が生み出された。この新しい公演文化は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でライブ公演が困難な状況という、未曾有の逆境を跳ねのける強大なエネルギーがあり、そのポテンシャルの高さは計り知れない。

 なお、“V LIVE”というアプリで生配信をするプラットフォーム「Beyond LIVE」は、通常はV LIVEアプリをインストールしてコインを購入し、試聴をする形になる。

セットリスト

『NCT DREAM - Beyond the DREAM SHOW』
2020年5月10日 Beyond LIVE

01.GO(Dance Break Ver.)
02.Drippin'
03.We Go Up
04.STRONGER
05.Dunk Shot
06.Chewing Gum
07.Don't Need Your Love
08.We Young
09.Best Friend
10.Candle Light
11.Puzzle Piece+7 Days
12.Ridin'
13.Quiet Down
14.BOOM

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