演歌というジャンルにとらわれず、音楽として新しいものを
――本作のパッケージ面についてですが、「東口盤」「西口盤」というのが斬新ですね。
そこは恵比寿駅にちなんで(笑)。「Aタイプ」「Bタイプ」じゃつまらないから遊びました。師匠も凄く遊ぶ方なので、そういう風にスタッフとも考えました。
――収録曲3曲とも、ハスキーボイスでの歌をベースに色んな表情で歌われていると感じました。そこは意識しているのでしょうか。
飽きないステージをやりたいという想いがあるので、ファンの方が笑って泣いて感動して帰って頂いて「また観たいな」と思って頂けるステージをやりたいんです。そういうのもあって、それぞれの曲で歌いかたを意識的に変えている部分はあります。
――色んな歌いかたで表現するということは、歌や音楽以外の様々な分野に目を向けてインプットをすることが必要だという気もします。その点はいかがでしょうか。
理想というか、恐れ多いんですけど美空ひばりさんは“七色の声”と言われていたり、やはり色んな歌いかたができると色んなことで遊べる余裕が出てくると思うんです。「恵比寿」だと、ただ歌い過ぎるとパンチがありすぎて聴くほうも歌うほうも疲れてしまうような楽曲なので、そのなかで色んな種類の遊びができると自分自身もみなさんも楽しいと思うんです。それは難しくてまだ僕は全然できないんですけど、できないながらに色んなことに挑戦して、5年後10年後には今できない歌いかたができるようにと考えています。
――今作だけでもパワフルな歌いかた、優しさが溢れる温かみのある歌唱、ソウルフルでブルージーな感じなど様々な色が楽しめますが、これからやってみたい歌いかたは?
スタンダードジャズも歌ってみたいし、ソウルミュージックも…。
――ソウルも凄くハマると思います。
難しいとは思うんですけど、“ソウル”というくらいなのでハート、魂を歌うのは絶対に演歌と通ずるものがあると思います。歌って違うジャンルでも全てが繋がっていると思うので、色んな経験をして色んな歌いかたを盗んでと。演歌というジャンルのなかにも新しいものがいっぱい隠れていると思うんです。それを真田ナオキで見つけられたらいいなと思います。
――真田さんが演歌の可能性を開拓していくというのもありますね。
先輩方はそれをずっとされてきたと思うので、僕達の世代で止めないように僕自身も頑張りたいです。演歌というジャンルにとらわれず、音楽としてまた一つ新しいものをつくっていけるように成長できるように心がけています。
――色んな歌いかたをしていく上で、具体的な課題点などはありますか。
「昔に…誘われて」というフォークソング調の楽曲に関しては苦手意識があったりとか、カントリーのようなさっぱりとした歌いかたは僕にとってなかなか難しいんです。そういった部分は勉強をする課題点でもあるので、今回は本当に挑戦という楽曲でもありました。でもファンの方々から「こういう楽曲もいいね」って言って頂けるようになったので、もっともっと挑戦して磨いて、「これもまた真田ナオキの世界観」として歌えるようになったら、という感じです。
――真田さんの歌声の個性が光っているのでどんな歌いかたでも「ジャンルに寄せた」という風に感じないんです。
嬉しいです。凄く衝撃的だったのが、天童よしみさんが別の方の全然ジャンルの違う曲を歌っても天童よしみさんのカラーが残されていたんです。でも歌そのものの雰囲気を壊さないという。あれは歌手にとっての理想のひとつだと思います。島津亜矢さんもどんなジャンルを歌われても島津亜矢さんの歌声を消さずに、曲の雰囲気を壊さず…あれは目標であり、僕もああいう風に色んな楽曲を歌える歌い手になっていきたいです。
――ちなみに、演歌以外に好んで聴く音楽はありますか。
演歌に興味を持つ前は、ヒップホップだったりジャパニーズレゲエだったりで。ヒップホップも自分が伝えたいことを伝える歌なので、そこで繋がっている部分はあると思います。ハートを伝えられる、自分で普段言葉にできないことを伝えられるというのは音楽の一つの魅力だと思うんです。
――歌の話とはそれますが、音楽以外で興味が強いカルチャーは?
野球と競馬です。野球ではヤクルトスワローズが大好きです。競馬だと命をかけて走っている競走馬、ホースマンが向き合う姿が大好きでして。色々なロマンがあるんです。僕は何事にも熱いタイプで(笑)。高校野球など毎試合見ながら泣いています。
――最後に、読者のみなさまにメッセージをお願いします。
日頃から応援して頂いているみなさまも、これから真田ナオキを知って頂けるみなさまも、出会えることを楽しみに、ステージを一緒に盛り上げて頂いて楽しい時間を過ごせたらと思います。まだまだ若輩者ではございますが、みなさまと一緒に進化して行けるように頑張ってまいりますので、どうぞご声援よろしくお願いいたします。
(おわり)
作品情報

















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