Da-iCE花村想太「人間性が上がれば音楽性も上がる」バンドNatural Lag始動
INTERVIEW

Da-iCE花村想太「人間性が上がれば音楽性も上がる」バンドNatural Lag始動


記者:平吉賢治

撮影:

掲載:20年01月22日

読了時間:約12分

言ったことに対してしっかり体現できる音楽を

花村想太

――今作はプロデューサー、アレンジャー陣も豪華ですね。

 「愛と恋」はピアノメインなので井上竜馬(SHEʼS)さんに。そして「無愛想なベル」は磯貝サイモンさんです。サイモンさんは音オタクなんです。楽器の音色決めに2時間くらいかけていました。「無愛想なベル」は全部録るのに丸2日くらいかかって、レコーディングも超厳しかったです。「これはOKテイクだろう」というのがダメだったりするんです。何回もやって…。

――どういったディレクションがあったのでしょうか?

 「もう1回歌ってみようか」というのが多かったです。テイク数がとにかく多くて久々にレコーディングで喉が枯れました。

――Da-iCEのレコーディングではそこまではテイクを重ねない?

 Da-iCEの時は割り振りもあるし、比較的早いんです。「無愛想なベル」のレコーディングは3、4時間やっていました。コーラスはサイモンさんなので、主旋律だけでそれくらいかかっているんです。でも初心に帰るという意味でも良かったと思っています。

――井上竜馬さんからのディレクションは?

 アドバイスのほうが多かったです。「愛と恋」の時はけっこう自分で世界観が決まっていたので、正解のラインがある程度決まっていたんです。「無愛想なベル」と「蜃気楼」は、まだ模索している時でレコーディングにけっこう時間がかかりました。「ファイティング・ソング」と「Trust Me」は誰の意見もなしに、どっちか迷ったら聞くという感じで。

――「Trust Me」はバンド感がありますよね。

 この曲が一番バンド感があると思います。

――Da-iCEとはまた別のパフォーマンスになると思われますが、Natural Lag のライブはどういったイメージでしょうか?

 人間臭くやりたいです。「今日はこういう気持ちになって帰ってほしい」とか、そういうことを言った上で体現できたら格好いいなと思います。楽しくなってもらうために楽しく歌うって、簡単ではないと思うんです。例えば「愛と恋」を歌う時も、「大切な人を想いながら聴いてください」と、よく言うと思うんですけど、それを本当に大切な人のことを想いながら聴けるように歌えるかどうかが重要だと思うので。言ったことに対してしっかり体現できる音楽を届けたいと思います。

――そこはDa-iCEとNatural Lagの違いでもある?

 Da-iCEの時は曲も目まぐるしく変わって、勢いのほうが大事という曲が多いので、そことの差がけっこうあるのかなと思います。もっと喋るように歌いたいというか。

――ライブのMCなどでも違いはでてきそうですか?

 めっちゃ変わると思います。多分、もっと自分に近いMCになるんじゃないかと思っています。Da-iCEだとグループの自分がいるので、グループでは小っ恥ずかしくて言えないようなことも、一人だったら茶化す人がいないので。

――小っ恥ずかしいこととは、例えばどんなことでしょう?

 「Trust Me」とか歌う時は「生きてほしい」という言葉を言いたいです。実質的にLagという言葉と合うんですけど、生きていれば失敗という言葉が変わる瞬間がいつか絶対来ると思うんです。僕も今まで色んな失敗をしてきて悔しい思いもたくさん経験してきているんですけど、それをやらなかったら今がないと思う瞬間が生きていればあるというか。

 「あの時の自分がいなかったら今の自分ではないかもしれない」と思うと、生きていて良かったと思うんです。だからこそ、今しんどくてもとにかく逃げてでもいいから生きることで、「あの時逃げてて良かったな。だから今があるな」と思える日が来ると思うので、この曲がその糧というか一つの生きる理由となればという想いで歌えばきっと聴いていただいた方の心に刺さるんじゃないかなと思います。

――その想いが見事に歌詞になっていますね。

 もう超ストレートです。

――花村さんの“覚悟”にも繋がってくるのでしょうか。

 やっぱりもう一つグループを作るというのは色んな覚悟がいると思いますし、もともと一人でステージに上がるのが怖かったりするタイプなので、全曲一人で作詞作曲するということも含めて、自分のセンスはこれなんだよ、俺が良いと思っているのはこれですよ、というのを定義してしまっているので、「今からオシャレにしていくわ」と言っているのと同じくらい厳しいことで色んな覚悟がいります。それがやっと踏ん切りがついて、自分の感性を人とLagがあっても見せたいという覚悟をこのアルバムに入れられたと思います。

――それは20代最後の年、というのもありますか?

 30歳になる年にバンドデビューさせて頂いて、今まで目標とか決めたことがなかったんですけど、29歳の誕生日の時に「30歳の自分に一生戦える何かをプレゼントしたい」という抱負ができたんです。これがパッと思いついたことだったので、その経験や想いがこのバンドに表れたらきっとバンドもDa-iCEも含め、一生愛していけるんじゃないかなと思いました。

 人生で0から1を作り出せる瞬間なんて本当は限りなくないに等しいものだと思うので、それを自分の好きなものをまず5曲も作らせて頂いたということが幸せです。これから30代、40代と、人間性が上がれば音楽性も上がると思っています。ひたすら歌います。

――それでは最後にファンのみなさまにメッセージをお願いします。

 Natural Lagの当面の目標が武道館に立つことなので、そこにみなさんを連れて行けるように一歩一歩、難しいことだとはわかっているので、着実に進んで行って、いつかみんなとでかい景色が見られるように頑張って行きたいと思っています。応援よろしくお願いいたします!

(おわり)

作品情報

『ナチュラルストーリー』
2020年1月22日リリース
[Limited Edition] (CD+DVD) 2500円+tax / UMCK-7045
[Standard Edition] (CD only) 1500円+tax / UMCK-1647

【CD収録曲】※初回盤・通常盤共通
01. 蜃気楼
02. ファイティング・ソング
03. 無愛想なベル
04. 愛と恋
05. Trust Me

【DVD】※初回盤のみ
・「蜃気楼」Music Video
・The making of ナチュラルストーリー
(アルバムが出来るまでの制作の裏側に密着。今まで映像化されていない楽曲制作の過程を収録した秘蔵ドキュメント映像付き)

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