それぞれの夢へ、一歩を踏み出したPiXMiX 自覚が芽生えたメジャーデビュー
INTERVIEW

それぞれの夢へ、一歩を踏み出したPiXMiX 自覚が芽生えたメジャーデビュー


記者:木村武雄

撮影:

掲載:19年11月01日

読了時間:約12分

 PiXMiX(ピックスミックス)が10月23日発売のシングル「その先へ」(キングレコード)でメジャーデビューした。長澤まさみや浜辺美波らが所属する東宝芸能が生んだ平均年齢15.5歳のガールズグループ。2017年に本格始動し、今夏にはメジャーデビューに向けてのチャレンジに挑み、最終試験をクリアしてその権利を勝ち取った。本作の表題曲は、様々な障壁も仲間と共に乗り越え喜びを分かち合う彼女たちの姿が描かれている。女優や声優、モデル、歌手などの夢を持つ彼女たちにとってはグループ活動そのものが成長物語。そのなかで迎えたメジャーデビューシングルはどのようなものなのか。【取材・撮影=木村武雄】

それぞれの個性

――グループ名には、個性(ピクセル)をミックスさせるという由来があると聞きましたので、それぞれの人となりについて知りたいと思います。

AIRI 中学3年生の15歳です。将来の夢はモデルや女優になることです。特技は英語やバレエですが、最近ハマっていることは模写です。最近はアニメのキャラクターに挑戦しています。私は美術部に所属していて、以前は食べ物のデッサンをしていました。

AIRI

AIRI

KAREN 高校1年生の15歳です。特技はウクレレですが、アニメを見ることが趣味で『ラブライブ!』とか女の子が主人公のアニメが特に好きです。将来は声優になりたいと思っています。

KAREN

KAREN

ITSUKI 高校1年生の16歳です。趣味は音楽を聴くことで、K-POPと洋楽を聴いています。洋楽は主にアリアナ・グランデさんです。舞台に立てるようなオールラウンドの女優になるのが夢です。

ITSUKI

ITSUKI

KOHIME 高校2年生の16歳です。歌とダンスが特技ですが、趣味はギターを弾くこととドラマ鑑賞です。持っているのはアコースティックギターで、好きな90年代の曲をコードで弾いています。将来は女優や歌手になりたいです。

KOHIME

KOHIME

TOWAKO 高校1年生の15歳です。趣味は映画を観ることで、将来は女優になりたいと思っています。私は、橋本環奈さんが大好きなので、最近公開された『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』など環奈さんが出ている作品を中心に観ています(笑)。

TOWAKO

TOWAKO

MISAKI 高校2年生の16歳です。特技はピアノとギターで、趣味は星を観ることと曲を作ることです。将来の夢はレポーターと女優です。星はすごく好きで、夜道も歩きながら見上げてしまうぐらいです。メジャーデビューチャレンジの一つで「真夏のキャンプ」に挑みましたが、夜空がすごくきれいで。プラネタリウムぐらい星がたくさんあって本当に素敵でした。星座のなかでも夏の大三角形が特に好きです。

MISAKI

MISAKI

AIRI あの時流れ星がたくさん見られてすごかったんですよ!

MISAKI AIRIは私の影響で星に興味を持つようになったんです。スマホの待ち受け画面にも星にしてくれて。

AIRI もともと空が好きだったので、星空も好きになりました!

充実した夏、チャレンジを経て高まった団結力

――メジャーデビューに向けて山登りやフォロワー獲得など計6つのチャレンジをしてきて、最終審査でそれを勝ち取ったわけですが、この日を迎える気持ちや印象に残っていることなどを教えてください。

AIRI メジャーデビューチャレンジやレッスンなどもあって、今年の夏は去年と比べて毎日のようにメンバーといました。色んなことにも挑戦して乗り越えてきたので家族のような存在です。特に山登りチャレンジで、群馬県沼田市にある迦葉山(かしょうざん=標高1322m)の登山が大変でした。最初は「無理!」と思ったけど、皆がいたから乗り越えることができました。

KAREN 夏のメジャーデビューチャレンジが一番印象に残っています。今までよりも皆と一緒にいましたし、つらいことも一緒に乗り越えてきて。今までもたくさん頑張ってきたけど、それ以上にもっと頑張りたいと思えました。やっぱり私も山登りはつらくて。道も険しくて、筋肉痛にもなりました。でもその後、温泉に入って癒されました!

MISAKI そうそう、温泉から星が見えたんですよ! 素晴らしかったです!

――星キャラが浸透してきましたね(笑)。

ITSUKI メジャーデビューチャレンジは、楽しい挑戦もあれば、しんどいものもあって。だけど、そのおかげでみんなが一つになれました。メジャーデビューできるかできないかはこのチャレンジ企画にかかっていたので、みんなの気持ちもだいぶ変わりましたし、全員が同じ気持ちで向かうことができました。やっぱりメジャーデビューという響きってかっこいい。最初の挑戦は「7万フォロワー獲得チャレンジ」でしたが、地元の友達も呼びかけてくれて。そう後押しされるのはかっこいいなって。もちろん恩返しもしていきたいと思っています。

KOHIME チャレンジを乗り越えて掴んだメジャーデビューでしたので、これまでやってきたものが詰まっている分、特別な思いがあって嬉しさも多いです。みんなも言っていたけど、去年の今頃はプライベートな時間が多かったけど、今年の夏は毎日メンバーといる時間が多くて、充実した期間を過ごすことができて楽しかったです。

TOWAKO 私もみんなと一緒でメジャーデビューチャレンジをしたこの夏がすごく思い出に残っています。ほぼ毎日みんなと一緒にいたので。それとスタッフさんと大事な話をする機会もありました。プロとしての自覚、心構えなどを話し合って。それによって大切なものを得られた気がします。

MISAKI そもそもメジャーデビューチャレンジが発表されたのが6月29日のワンマンライブでした。それもサプライズで。メジャーデビューがこんなにも早くできるとは思ってもいなかったので、「びっくりした」というのが最初の印象でした。そこからすぐにメジャーデビューチャレンジが始まって。ITSUKIも言っていましたが、簡単なものから過酷なものまであって、でもその挑戦によってメンバーのお互いの良いところや今まで知らなかったことも知ることができて。団結力が高まった夏でした。

――結成からの2年で著しく成長したと思うメンバーはいますか?

MISAKI たぶん全員が成長したと思います。最近は振付のシンクロ率も上がりましたし、気持ちも違います。

PiXMiXの姿が表現された「その先へ」

――そのチャレンジを経て掴んだメジャーデビュー。そのシングルの表題曲「その先へ」を最初に聴いた時の印象と歌詞についてお聞かせください。

AIRI チャレンジをクリアして最終試験に合格してからのメジャーデビュー正式決定だったのですが、最初に歌詞を渡されたのが山登りの帰りでした。歌詞には、それまでチャレンジしてきた私たちのことが書かれているような内容で、特に印象的だったのが二番の<無我夢中で駆け抜けた日々は/かけがえない時間に変わった>というフレーズで。みんなと最初に会ったのが中学生の時。でもこの2年で私以外はみんな高校生になって。あっという間に時間は過ぎていくので、1日1日を大切にしながら進んでいきたいと改めて思います。

KAREN 私が印象に残っている歌詞は<もうダメだと言って吐き捨てた/そんな時も君がいたから>というところです。この2年もそうですし、夏のチャレンジ企画もそうで、今までつらいことがあってもみんなと一緒に乗り越えてきました。そうした私たちの姿がそのまま表れている歌詞で、特に好きです。

ITSUKI 初めて渡されたときの印象は「私たちの今が書かれている」ということでした。なので、気持ちをより込めて歌えました。特に共感できる歌詞は<そう悩んでたって 前には一歩も進めないんだ>というところでした。

KOHIME 私は<蒸せ返る夏の日差しの中/一人立ちすくみ泣いていた/もうダメだと言って吐き捨てた/そんな時も君がいたから>という歌詞が好きです。<蒸せ返る夏の日差しの中>という歌詞は私たちの夏を表現していて、山登りは特につらかったのでこの歌詞は心に染みわたります。

TOWAKO 私は全部好きなんですけど、ひとつ挙げるなら<夢の場所まで 駆け出して その先へ>です。夢の場所まで駆けだしたくなるフレーズで、私たちの決意表明でもあるのかなと思います。

MISAKI <叶わない 夢と笑われても/共に追いかける仲間がいる>という2番のAメロの歌詞が好きで、私たちにはかけがえのない大切な仲間がいるということをこのチャレンジを通じて感じることができたので、どんなことがあっても6人で乗り越えていきたいですし、それが表れた歌詞だなと思います。

夢に向かう姿を描いたミュージックビデオ

――「その先へ」のMVは、それぞれが夢に挑んでいる姿が描かれたドラマ仕立ての内容になっています。撮影を振り返りいかがでしたか?

AIRI 私たちの最初のMVは「Pump it up!」という曲でした。K-POPのような可愛らしい曲調でバスの中などで撮影しました。2作目の「Don’t Worry」はスマホの縦サイズの画角で私たちを近くに感じられる内容になっています。そして今回の「その先へ」ではドラマ仕立て。演技をすること自体も私たちは初めてで緊張したんですけど、やり切ることができて嬉しかったですし、楽しんでもらえるMVに仕上がったと思います。

――AIRIさんはモデル役でスチールカメラを撮られていました。

AIRI みんなのシーンもそうなのですが、最初はうまくできないで悩んでいるけど、それでもあきらめずにやった結果、最終的には成功することができた、という2つのシーンを撮っています。私は、カメラマンに撮られていて「表情が硬いよ!」と言われるシーンがあるんですけど、表情が硬いことを表現するために、表情を無くす演技やぎこちない笑顔をみせるのが難しくて。私は将来女優にもなりたいので、演技の勉強になりました。

――KARENさんは声優役でした。

KAREN アフレコブースに入って声を入れているシーンでしたが、AIRIと同じように演技自体が初めてでしたし、わざと間違えるために棒読みするのも難しくて、大変でした。

ITSUKI 私は稽古場で舞台稽古しているシーンでした。なかなか演技ができなくて監督に怒られるという内容で、撮影前に歌詞を渡されて「これを読んで」と言われて、それを読みました。「これから失敗するシーンを撮ります」とか言われてもどうやっていいか分からないし、成功するシーンなんてそもそも演技自体が初めてだから分からない。なので、その場で自分が思ったものをそのままやりました。昔からやりたいと思っていたことをやらせてもらって嬉しかったです。

KOHIME 私はドラマの撮影というシーンでした。ドラマのなかでの私のお父さん役は、事務所の先輩の、尾崎右宗(おざき・うそう)さんで、全体的な物語としては、私は女優として出演しているけど、演技がうまくいかないという感じでした。

――6人のなかでは、シーンが一番長かったですよね。

KOHIME そうです。台本があって、それも5ページぐらい。撮影当日に渡されて覚えるという感じでした。不安もあったのですが、尾崎さんが「一緒にやろう」と言って、読み合わせをしていただきました。撮影自体も大変で、外でのロケでしたが雨も降っていて撮影が一時中断することもあって。それでもその日のうちに撮ろうとする姿とか、ドラマの撮影でもこんな感じなのかなと勉強になりました。

――撮影現場に皆さんはいましたか?

ITSUKI いました。撮影は途中で全体シーンを挟んでソロシーンを撮っていたので、みんな待機していました。

KAREN ソロシーンの撮影開始時間によって、入り時間が違ったんです。なので、撮影している様子が見られるメンバーは違っていました。

――その日、一番長くいたのは?

MISAKI 私とKARENです!

KAREN 朝5時に集まって、全員シーンが夕方の5時でした。

MISAKI なので待機中は勉強したり、寝たり(笑)。

ITSUKI もう帰ったら爆睡でした(笑)。

――MVは1日かけて撮ることが多いですからね。TOWAKOさんはいかがでしたか?

TOWAKO 私のシーンは、CM撮影の現場でした。失敗するシーンでは、セリフをわざと噛まないといけなくて。「噛んで」と言われても意識してできないので、すごく難しくて。でも頑張って噛みました! けど…MVには使われていなくて…(笑)。ファンの方には見せられないけど「実は裏で頑張っていたんだよ」ということは分かってほしくて(笑)。それと人生で初めてピンマイクを付けて「本物だ!」と嬉しくなって。撮影していない時は、スタッフさんがブランケットを持ってきてくれたり、女優さんになった気分でした!

MISAKI 私はリポーターの役で、食リポをやりました。そもそもそれ自体やったことがないので正解か不正解かが分からなくて。自分なりに調べて頑張ってやりましたが、食リポって基本成功したシーンしか流さないじゃないですか。勉強すると言っても成功しているところしか調べられなかったので、みんなと一緒で失敗するのが難しくて。でも、これまでのMVと比べて明らかにスタッフさんの人数も多くて、いろんなところで撮影をしたので移動も大変で、でも、そんななかでもスタッフさんは賑やかな環境を作ってくれて楽しい撮影になったと思います。

自覚したもの

――カップリングはいかがですか?

KOHIME 「ピクミクパーティー!」(通常盤)は、メンバー個人個人がどういう人柄かが分かる自己紹介ソングです。名前を呼ぶところもあるので、お客さんと一緒に盛り上がったらいいなと思います。

AIRI メロディが6人それぞれで違うんですよ! そこも注目してほしいです。

MISAKI 「Raise the sail!」(初回限定盤)は歌詞をよく読むと私たちの名前が入っているんです。曲調も歌詞も前向きで「突き進んでいくぞ!」という感じで、私たちの「これから」を歌っていると思います。

――さて、それぞれ夢として女優やモデル、歌手などがありますが、グループ活動は一つのそれに向けての成長物語でもあると思います。そのなかで本作はアイドルとしても、それぞれの夢にしても、その一歩を踏みだした大事な作品。この曲、このMVは自分たちにとってどういう作品になりましたか。

ITSUKI MVで感じたのは、表情は自分が思っているよりも伝わりにくいものだということでした。動作を大きくやらないと伝わらないんだ、ということを学べて。映像でこれだけ伝わらないんだから、舞台ではもっと伝わらないだろうとも思えて。今回の経験によって演じることに対する気づきをたくさん得ましたし、学びました。ですので、これから先は、ライブにも変化が表れてくると思います。より表情が伝わるように研究していきたいです。

MISAKI MVではこれまで以上に素の部分を出していて、完成したMVを見て自分たちを客観的に見ることもできて。そのうえであまり伝わっていないと思うところや課題、逆に良かったことなどを自覚して、磨いて、さらに成長した姿を見せていきたいと思います。

PiXMiX

PiXMiX

(おわり)

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