諸星すみれ「夢が叶う瞬間はこういう感じ」人気声優が見せる音楽の可能性
INTERVIEW

諸星すみれ「夢が叶う瞬間はこういう感じ」人気声優が見せる音楽の可能性


記者:榑林史章

撮影:

掲載:19年10月30日

読了時間:約12分

『smile』には“すみれ”の意味も

『smile』初回限定盤 ジャケ写

――「はじめての主役」は、HoneyWorksさんの曲で恋する女の子の歌ですね。

 曲を聴いて、キュンキュンしました! すごく歌詞がストレートだったので、一番お芝居したなって感じがあります。イメージが明確で、中学生の女の子が初めて恋をして、最初はその恋心にも気づかないんですけど、だんだん気持ちが盛り上がってきて、最後は屋上にあがって大声で歌うみたいな。そういうイメージが、私の中で出来上がっていました。

――まるでMVのような構成が、頭で出来上がっていたんですね。

 最初は、高校生くらいかなと思っていたんです。それでレコーディングに行ったら、ディレクターさんから「中学生くらいの気持ちで歌って欲しい」と言われて。でも中学生のパターンは自分の中でイメージが固まっていなくて、不安定な感じになってしまって。それで自分から申し出てもう一回録り直したのですが、ディレクターさん的には、最初の不安定な感じが可愛らしくて良かったらしくて。初々しさがいいということで、前に録ったテイクが採用になりました。そういう意識せず不意に出た歌声が採用されているので、自分でも新鮮に聴けていいなと思います。ピュアさが出たのかなって。

――このような青春が、諸星さんにもありましたか?

 こんなにキラキラした青春はなくて、私からすると妄想の世界です(笑)。小さい頃からお仕事をやっていたし。部活はクッキング部というところに入っていたんですけど、クッキングとは名ばかりで、主にフルーチェを作っていました。私の代で廃部になりましたけど。

――そうでしょうね(笑)。

 ですね(笑)。それと、この曲はところどころに私をイメージしてくださったと思われる言葉が入っていて、嬉しかったです。例えば<あの花の名前です>は、私の名前のすみれをイメージ出来たり、曲名も今までお芝居をやってきた私をイメージしてくださっていると思うんです。

 私にとってTVアニメで初めての主役は『アイカツ!』の星宮いちごちゃんで、いちごちゃんも私と同じ中学生でした。私を知ってくださっている方はきっとこの曲を聴いて、いちごちゃんをイメージしてくださると思います。レコーディングではいちごちゃんをイメージしたわけではなかったのですが、中学生をイメージすると自然にそういう声になるのかなって。

――ラストの「青い関係」は、最果タヒさんの歌詞がすごいですね。<スカートの殺意>と出てきたり。

 本当に独特な歌詞で、最初は歌詞だけを見て、どういう曲になるのか楽しみにしていたんです。そうしたらとっても爽やかな曲で、歌詞がストレートに入ってくるメロディだなと思いました。イメージ的に弾き語りっぽい雰囲気で歌って欲しいとディレクションがあって、あいみょんさんのような、歌うより語るみたいに言葉を吐くみたいなイメージで歌いました。最初はメロディ通りきっちり歌っていたんですけど、どんどん崩していって、こういう歌い方になりました。この「青い関係」は、ギターを弾きながら歌ったら、きっとすごく気持ちいいだろうなって思います。

――ギターが弾けるんですか?

 いえ、全然(笑)。でも中学生のときにアコースティックギターを買って、趣味程度に触っていたので、今度はちゃんと練習してチャレンジしたいです。いつかワンマンライブをやれるようになったら、そこで披露できたらいいなと思います。

――ところで、こうなりたいというアーティストのイメージはありますか?

 正直、自分のアーティスト像が自分でもまだ見えていなくて。このミニアルバムで、本当にいろいろなテイストの曲を歌わせていただいて、自分の中での新しい発見もあったし、いろんな可能性も見えました。とにかくもっといろんなジャンルの歌をやってみたいと、好奇心がふつふつと沸き上がっています。だから今は、何でも歌えるアーティストになれたらいいなと思います。

――作詞や作曲もしてみたいと思いますか?

 作詞もしてみたいと思うし作曲もいつか挑戦したい気持ちはあります。でも、まずはみなさんにこのミニアルバム『smile』で諸星すみれのいろいろな面を知っていただいて。その上で聴いてくださった方が、私のアーティストとしてのイメージをどう思ってくださるのか、すごく興味がありますね。毎回作品ごとに違った自分を見せていって、みんなを混乱させ続けるのも面白いなって思います(笑)。

――ライブに対してはどうですか?

 ライブはあまり経験がないので、検討がつかないです。アニメやゲーム作品等のイベントと『犬フェス2』などで、数回しか歌った経験がないので。スイッチが入ってしまえば大丈夫ですけど、入るまでが大変で、その場で自分がどんな気持ちになるのか検討がつかないです。自分でもどうなっちゃうのか(笑)。

――では、最後にこのミニアルバムを聴いた人には、どんな気持ちになって欲しいですか?

 ミニアルバムのタイトルは、スタッフさんとみんなで決めたタイトルなのですが、『smile』は“すみれ”と読めるし、一つの名刺代わりとなるような作品が作れたらと思って。また、私自身も小さい時から、すみれと読めることからsmileという言葉を気に入っていて、初めての作品なので『smile』というタイトルを付けました。

 みなさんに笑顔になって欲しいのはもちろんですが、私自身も今回のアーティストデビューで緊張や不安もあるけど、何でも楽しくポジティブな気持ちで、笑顔を忘れずにやっていけたらいいなと思ったので、私自身の「笑顔で頑張るぞ」という気持ちも込められています。よろしくお願いします。

(おわり)

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