自然とその曲に合った声が、引き出されていた
――『本好き』のオープニングテーマ「真っ白」は、ディズニー映画の曲みたいですね。
私も最初は、とにかくディズニー感と壮大さを感じました。それに「真っ白」というタイトルが、すごいと思って。私自身アーティストデビューさせていただく部分で正直不安もありますし、この先どうなるか分からないということでは、それこそ未来が真っ白だと言えます。でも真っ白だからこそ、自分の好きな色に塗り替えていける。希望しかない、すごくポジティブで明るい曲です。私自身もこの曲に、すごく背中を押してもらえました。
――歌う際には、物語の主人公になり切る感じでしたか?
そこが、少し難しいところでした。キャラクターソングならそのキャラクターになり切って、そのキャラクターの気持ちを歌うのですが…。でも今作の曲は、歌っている人を表現するだけではなく、歌の世界を表現したいと思う曲がたくさんあって。だから、この曲の主人公はこういう人だからみたいなものはなくて。「真っ白」なら、曲を聴いて自分の目の前に広がった世界を、そのまま表現したいと思いました。
――キャラクターというフィルターがなく、曲の持つ世界観を直接的に歌うような感じでしょうか。
そうですね。なので歌声に関しても、あらかじめ考えて作るようなことはなかったのですが、7曲通して聴いたらまったく声が違っていて、それは自分でもびっくりしました。自然とその曲に合った声が、引き出されていたのかなと思います。
――「真っ白の」作詞は、岩里祐穂さん、作曲・編曲は白戸佑輔さんが担当されていますね。
岩里さんがレコーディングの時にいらっしゃって、言葉をもう少し増やしたいとおっしゃって、2倍くらいに歌詞が増えたんです。その時は驚いてしまったのですが、実際に歌ってみたら気持ちを込めやすくなったし、自分でも断然こっちのほうが素敵だと思えるものになったなと思いました。
――ストリングスとピアノが多く使われていますが、このレコーディングも見学されたそうですね。
はい。歌を録る前に、ストリングスのレコーディングも見学させていただいたんです。初めての経験でしたし、すごい迫力でした。今までに感じたことのない興奮があって、私の中に眠っていた熱い何かを持ち上げてもらっているような感覚で、すごくテンションとモチベーションが上がった状態で、歌のレコーディングが出来ました。
――また、1曲目の「はじまれ」も岩里さんと白戸さんによる楽曲です。タイトルにすごく強い願望が表れている気がします。
すごく強いパワーを感じます。歌に対する思いや今までの人生などが、重ねられるなと思いました。「はじまれ」も岩里さんの作詞なのですが、キー合わせの現場に来てくださって。その場で歌詞を書いてくださって、それをその場で歌ってみるということもやって。「ここは馬が駆けるような感じで歌って」と、アドバイスをくださったところもあります。
――これは、セリフをしゃべるかのように歌っていますね。
サビまでは物語の導入で、聴いてくださる人をこの世界に誘うようなイメージで、サビで聴いてくださる方とこの曲が、一体になるような気持ちで歌いました。この世界に一緒に入り込んで欲しいし、一つの物語を読んでいるような感覚になってくれたらいいなと思います。
――また「Beautiful Flower」という曲は、ア・カペラで始まってすごく引き込まれました。
ありがとうございます。私も、ここでこの歌に入って行く感覚があります。でも最初は、ア・カペラではなかったんです。最初は普通にオケに合わせて歌ったんですけど、レコーディング中に「ア・カペラもやってみる?」と提案していただいて。自分の間で歌えるのがすごく楽しかったです。
――ア・カペラと言うと、リズムがないし歌が丸裸になる感じで、怖いとかやりづらいという人もいますけど。
私はピッチやリズムなど考えなくてはいけないことがあると、緊張してしまうんです。自我が残ってしまうと言うか。だから何もないほうが、表現だけに集中できるから落ち着いて歌えます。お芝居もそうで、よく「緊張しないの?」と聞かれるんですけど、始まってしまうと緊張もないし、恥ずかしさもありません。余計な感情がなくなったほうが、落ち着いてできるんです。



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