岩崎宏美「理解できることの強さ」長年の歌手活動経て得た表現の奥深さ
INTERVIEW

岩崎宏美「理解できることの強さ」長年の歌手活動経て得た表現の奥深さ


記者:村上順一

撮影:

掲載:19年09月18日

読了時間:約11分

ここどっちが歌ってるんだっけ?

――さて、今作には実妹の岩崎良美さんとのデュエットも久しぶりに収録されました。

 9年ぶりですね。自分でもそんなにやってなかったのかと驚いています。私は3人姉妹で上に姉もいるんですけれど、学校が遠かったので、運動会とか文化祭になると母が車で運転して送ってくれたんです。その時に3人でベッツイ&クリス(米・女性フォークデュオ)やザ・ピーナッツ(双子の女性デュオ)とか歌っていたんです。妹と歌うのは久しぶりだったんですけど、やっぱり呼吸が合うんですよね。完成した音源を聴いたら「ここどっちが歌ってるんだっけ?」と自分と妹の声がわからなくなるくらい混ざっちゃって(笑)。

――ご自身でもわからなくなるくらいで。デュエット曲にザ・スリー・ディグリーズの「にがい涙」を選ばれたのはなぜですか。

 私はザ・シュープリームス(米・女性ボーカルグループ)やザ・スリー・ディグリーズ(米・女性ボーカルグループ)のようなコーラスグループに憧れていたんです。今までの妹とのデュエットでは、彼女はハーモニーは録らず主旋律しか歌っていなかったから、今回も私が上と下のパートを入れるのかなと思っていたのですけど、妹が上のパートを入れてくれたんです。分担して出来るようになったのが嬉しかったです。

――新しい一歩を踏み出した曲にもなったんですね。コーラスグループが好きになったきっかけはどんなものだったのでしょうか。

 サーカス(男女2人ずつからなる4人組のコーラスグループ)やタイムファイブ(男声5人のジャズコーラスグループ)といったコーラスグループと、ステージをご一緒することが多かったんです。その時に誰かが音を出すとそれに合わせて、すぐに上下のパートが出来て、ウーアーのコーラスが出来ていくのが、すごく格好良くて。私がデビューした時にもコーラスの方がついてくれていたんですけれど、その時にも譜面を見てすぐに音に出来るというのにも憧れていました。

――岩崎さんは譜面が読めなかったんですか。

 当時は読めなかったです。音を聴いて覚えれば良かったから、読めなくても問題なかったんです。でも、コーラスを入れる時は前の音を忘れて歌わないとといけないから、そこは苦労しましたが、それもようやく慣れてきました。ディレクターから譜面に歌詞を書き込む作業をさせて頂いて、それが勉強になりました。でも、譜面が読める事によって、昔は必要なかったけど、最近は音符でも確認したくなってしまうんです。

 以前、サーカスのみなさんとご一緒させていただいた時に「歌詞カードだけで歌える宏美ちゃんが羨ましい」と言われたことがあったんです。彼らは音程を目でも確認したいし、耳でも確認したくなってしまうみたいでしたが、それが今自分でもよくわかるんです。音階の上がり下がりが見えている方が声が出しやすい感覚があります。

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