<写真>品川ステラボールでライブを行ったユナイト(1)

結成3周年を記念して東京・品川ステラボールで単独ライブを行ったユナイト。新たなスタートを切った(撮影・木村泰之)

 ビジュアル系ロックバンドのユナイトが3月29日、東京・品川ステラボールで結成3周年を記念した単独ライブ『-U&U’s Ai-』を開催した。『アイ –’ation-』など全22曲を熱唱。ボーカルの結は「実は、一時期、歌うのが本当に嫌になって、辞めようとも思ったときがありました」と過去の心境を明かしたうえで「今日からが、俺たちとみんなの新しいスタート。みんながあの日見た最後の景色の先に俺たちは歩んでいきます」と前を見据えた。

<ライブレポート>
 昨年夏から“Rt3A”と名付け結成3周年に向けての様々な企画を行ってきた彼ら。「終わらないバンド」をテーマに掲げ精力的な活動を繰り広げてきたユナイトにとって、この日はまさに最初の到達地点。それは、この先のバンドのさらなる躍進を確信させるステージとなった。

 18時を少し過ぎたころ、荘厳なピアノをバックに5人のメンバーが静かに登場。「U’s」(ユナイトのファンの呼び名)がぎっしりと集まり期待の熱が高まるフロアを前に、1曲目の“アイ –’ation-”へ。

 「行こうぜ!」と結が観客を煽り、ラウドなサウンドとキャッチーな旋律で一気にテンションを上げる。続く“ディストリ―”では結が「声出せるか!」「かかってこい!」とフロアを煽り、“BadRequest”ではLiN,椎名未緒、ハク、ゆきみとソロフレーズを披露。展開の多彩さと見せ場の多さが、ユナイトの楽曲の大きな魅力だ。

 「今日はめでたい日だから、楽しんでいこう」と、結。「3歳というと、まだまだ人間だったら言葉も喋り始めたくらいですよ」とLiNも笑顔を見せ、バンドの3周年を祝う。「ワンマンなので久々の曲を」と披露した“draws,”に続き、“プログルーミー”では疾走感あふれるサウンド、“At traction S”ではヘヴィなグルーヴと、様々な表情を見せるバンドサウンドを響かせる。

 “Love_Duck_Core_Nothing”では5人がステージ狭しと走り回り、U’sたちもヘッドバンギングやモッシュでフロアの温度を上げる。「ヤバい、楽しいね。最高だわ」と、結。
 「お祝いごとと言えばサプライズじゃない? だから今日、実はスペシャルゲストを呼びました!」と、キーボードのNAOKIを招き入れる。実はこの日のオープニングも弾いていた彼をLiNが「僕のソウルメイト」と紹介。

 そのまま“flower of reunion”、“美空結び”をピアノを加えたスペシャルバージョンで披露。「和」の情緒を感じさせるメロディーを歌う結のヴォーカルをピアノが彩る。そして続いてはダンサブルな“アンテナリム”へ。

 「この2〜3年音楽から離れていて何もやってなかったんですけど、めっちゃ楽しかったです」と、NAOKIも感慨深げだった。

 ドラマティックな展開から一転、続く“May_A_Fly_i”から中盤は再び激しいブロックへ。“鳥籠好餌責務 –TORIKAGO like obligation-”から“色即是空 -イロスナワチコレソラナリ-”“FCW”と、音の塊をぶつけてくるようなエネルギッシュなステージだ。

 “絶望クリエイター”では結はステージ中央でのけぞりながら歌い、LiNと椎名未緒がシャウトし、ハクもステージ前方で激しいベースプレイを見せる。

 MCでは「(以前行った)ジャカルタの会場がここの二倍くらい大きくてビビってたんですよ。でもやってみたら盛り上がりがすごくて」――と、海外でのライヴ体験を語る椎名未緒。「でも、ここ東京がホームだよね!?」とフロアを煽る。大きな歓声が応え、“small world order”へ。

 終盤は、続く“イオ”からフロアの全員がタオルを回した“Cocky-discuS”まで、フロアが一体になった盛り上がりを見せる。

 本編最後には「自分の気持ちが言えない弱い人の希望でいられるように、これからも頑張っていきたいと思ってます」と、結が想いの丈を告げる。「俺が輝ける瞬間はみんなが笑顔になれる瞬間だから」と披露したのは“starting over”。

 フロアにたくさんの笑顔を生み出し、最後には4人がステージ中央に集まり、U’sたちが手をつないで飛び跳ね、ユナイトというバンドを象徴するようなエンディングとなった。

 アンコールを求める大きな歓声に応えて登場した5人は、まず今日が初披露となった“Invit’”をプレイ。続けてはハイテンションな“粛清とチョコレート” でこの日最大の激しい盛り上がりを生み出す。それぞれ3年以上バンドを続けられなかったメンバーが集まり結成されたユナイト。この日を迎えた喜びを噛みしめるように、結はこんな風に告げた。

結「今日からが、俺たちとみんなの新しいスタート」

<写真>品川ステラボールでライブを行ったユナイト(2)

熱唱するボーカルの結(撮影・木村泰之)

 「実は、一時期、歌うのが本当に嫌になって、辞めようとも思ったときがありました。その時、バンドを続けるのは本当に難しいと思って。これまでは自分も3年の壁を乗り越えられなかったし、みんなそれぞれのバンドでつらい思いをしたと思うんだ。でもこうしてユナイトで3周年を迎えることができたから。今日からが、俺たちとみんなの新しいスタート。みんながあの日見た最後の景色の先に俺たちは歩んでいきます」。

 そして「活動初期からすごく大切にしている一曲を届けます」と、最後に披露したのは、“Envier”。<どれだけ歩けば迷えば辿り着けるだろうか? 僕らにはどうしても叶えたい未来があるから>というサビの一節をU’sたちが大合唱し、最後は結が熱く歌い上げ、記念すべきライヴの幕は降りた。

 終演後には、この日の模様を収録したライヴDVDのリリース、そして8月16日ワンマンライヴ「UNiTE. ONEMAN LIVE -U&U's あの日見た、奇跡の先に- 渋谷公会堂」が
開催されることも発表された。会場は結成当初からメンバーがずっと目標にしてきた場所だという渋谷公会堂。“約束の場所”で、再びドラマティックなステージを見せてくれそうだ。(文責・柴那典)

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