独特の表現でプロ野球を愛するシンガー河野万里奈(かわのまりな)が5月15日に、シングル「真人間入門」で再デビューする。「真人間入門」は、メジャーとの契約が途絶えてから5年分の思いが込められた作品で「私は私だよ」、「カテゴリーに分けられたくない」という歌詞が印象的な1曲。生き方を変えてくれた野球選手の姿から「いつかチャンスで打席が回ってくる。その時に打点を稼ぐイメージをもっていよう」と、地道な活動から再デビューを掴んだ。河野万里奈が再デビューにかける思いとは。

夏の高校野球を見に行っていたことがきっかけ

 本日3月29日、野球ファンにとって特別な一日となる、プロ野球の長いシーズンが開幕を迎える。2月のキャンプインから、いや、昨年のシーズンが終了した時点から、ファンの人達はこの開幕の日を待ち望んでいたことでしょう。

 そんな、プロ野球を愛し「NPB箱推し」(特定の球団を応援するのではなく、全体を応援する意味)という独特の表現でプロ野球を愛するシンガー河野万里奈(かわのまりな)が、5月15日に「真人間入門」でテイチクエンタテインメントより再デビューを果たす。

 野球ファンなら知る人ぞ知る「野球好き」の彼女と野球の出会いは、「子供の頃、毎年夏に兵庫県・尼崎に住む祖母の家に行って、家族で近くにある甲子園に、夏の高校野球を見に行っていたことがきっかけ」と語り、その後中学校でソフトボール部に入り「実際に自分が体験することで、選手の人達がどれだけ大変なことをやっているのかが解りました」と、自らもグランドに身を置くことで野球を体感した。

 その、中学生という多感な時期にありがちな友人とのコミュニケーションで悩んでいる頃、阪神タイガースが好きだった家族の影響もあり、当時タイガースに入団してきた鳥谷敬選手に出会う。

 「(入団時の様々な声に)つねに寡黙で居続けプレーだけで背中で語るようなイメージで、成績を残すことで周囲やファンを認めさせる姿に、当時友達との協調性がなかなか持てない中『これでいいんだ、自分は自分なんだ!』と、気づかせてくれたのが鳥谷様です」と、今の自分の生き方に大きな影響を与えた彼を「鳥谷様」と呼び、現在までまさに崇拝し続けている。

 一方、音楽に関しては、4歳からピアノを始め歌うことにも興味を持っていた彼女は、この鳥谷選手との出会いから「自分は自分」ということに気づき、将来歌や音楽で活躍する夢を膨らませはじめ、その後、高校ではギターを学び、大学では軽音楽部に入り音楽に打ち込む中、2010年に開催された「第4回全日本アニソングランプリ」(アニマックス主催)で優勝。そして、2011年に念願のメジャーデビューを果たすが、2013年のリリース以降、メジャーでのリリースはおこなっていなかった。

鳥谷選手と古村選手に出会わなければ、今の私はいない

 そういった、メジャーレーベルとの契約が途切れた中でも音楽活動を続け、まさに愛する野球になぞらえて「いつかチャンスで打席が回ってくる。その時に打点を稼ぐイメージをもっていよう」と、週一ペースで野球場に足を運び自分を奮い立たせながら、音楽でのライブ活動や自作による選手の歌をSNSに上げる活動を行い、いよいよ今年の5月に再デビューするチャンスを掴んだ。

 今回の再デビューにあたり、ある野球選手のストーリーと似ていると彼女は言う。

 「今シーズンも開幕して、ドラフトで入団した高卒の新人選手たちも気になりますが、私が注目しているのは、横浜DeNAベイスターズの古村徹(こむらとおる)投手です。2011年にベイスターズに入団して、その後怪我で育成選手となって戦力外になり、そのままベイスターズの打撃投手を務めるのですが、野球への想いが諦めきれず独立リーグで野球を続け、昨年古巣のベイスターズの入団テストを受けて、再びベイスターズに支配下選手登録された選手なんです」。

 音楽でメジャーデビューを果たした後、契約が切れても音楽活動を続け再デビューを掴んだ彼女と、野球への想いが諦めきれず鍛錬を続け、NPBに今年復帰した古村徹投手のストーリー。「鳥谷選手と古村選手に出会わなければ、今の私はいない」とまで言う様に、ある一人の選手が誰かの人生の背中を押し、人生を変えてしまうことがあるかもしれない。

 「私、音楽業界の古村徹選手だなって勝手に思ってるんです! 古村選手が入団会見で『自分はまだまだ伸びると思っている』って、実際に球速が150キロを超えたんです! 凄いですよね!」と、5月に再デビューを控える彼女は、メジャー契約が切れた5年間と古村選手のストーリーを重ね、目を輝かせていた。

 再デビューにあたっての目標も野球にちなんで「いつか私の歌が選手の登場曲に選ばれることです! もちろん始球式もやってみたいです。その時は70キロのスピードでキャッチャーミットに投げ込みたいです!」と抱負を語ったが、5月15日に発売される再デビュー曲「真人間入門」は、メジャーとの契約が途絶えてから5年分の思いが込められた作品で「私は私だよ」、「カテゴリーに分けられたくない」という歌詞が印象的な曲になっている。

 多感な中学時代にタイガースの鳥谷選手に出会い「自分は自分」という人生観に気づき、音楽の世界でも「己を貫き、諦めなければまたチャンスを掴める」という、ベイスターズの古村選手のストーリーになぞり、彼女が勇気をもらったように、今度は自らの歌で誰かを励まし、背中を押すシンガーになることを期待したい。

▽河野万里奈プロフィール

 第4 回全日本アニソングランプリにおいて、応募者総数10,189 組の中からグランプリを獲得。数々のアニメ作品のテーマソングを担当してきた彼女がシンガーとして新たな幕開けを迎えます。PC 用ゲーム グリザイアシリーズ最新作「グリザイア:ファントムトリガー」のオープニングテーマ曲『世界の果て』及びPlayStation®4 向けRPG ゲーム「NieR:Automata」のテーマ曲『weight of the world』担当。より多くの方へ抜群の歌唱力でエモーショナルな歌を届けるべく活動中。

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