矢野聖人、ギターとの不思議な関係:「ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。」
INTERVIEW

矢野聖人、ギターとの不思議な関係:「ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。」


記者:桂 伸也

撮影:

掲載:18年11月17日

読了時間:約14分

幼い頃から身近にあった音楽

――先程、雑談でギターの話をされていましたが…。

 以前出演した映画『天国からのエール』で、バンドマン役としてギターをやったことがあって、そのあと1カ月くらいギター教室に通っていたんですけど。

――ギターを自分でもやりたい、と思われたのですか?

 そうです。でもその後仕事が入って、習いに行けなくなっちゃったんですけどね…。まあそこまでやりたいというわけではないんですけど。でもそのドラマでは歌も歌っているんですよ。

――聴くほうはいかがでしょう? 普段は音楽をよく聴かれることも?

 そうですね。家ではわりと聴きます。

――ではそれに合わせて、「俺もいずれは…」とギターを?

 まあ弾けたらカッコいいですよね(笑)。僕の周りには結構やっている人が多かったり。この前一緒にやっていた作品でも、ギターの話になったり、次にギターの役をやるとなったら、なんか“あれは難しいよね”とか、結構テクニックなんかの専門的な話をしたりする役者もいっぱいいたので。

――ちなみにギターは持たれているのでしょうか?

 いや、僕は持っていないんですけど、僕の父がずっとギターをやっていて。最初はプロを目指して音楽の専門学校に行っていたらしいんです。

――何か普段聴かれる音楽というのも、それに影響されたりとか?

 あると思います。そんなものに影響されて、カーペンターズとかはよく聴いています。またバックストリート・ボーイズとか全然関係ないけど聴いてみたり。うちの両親もわりと洋楽が好きだったので。あとジャズなんかは、土日になると家に掛かっているような感じで。

――お父さんの影響で、ギターものとか?

 いや、なんかもうそれが逆で(笑)。昔、父にギターを教えてもらったことがあったんですけど、それがすごく怖かったのでそこから遠ざかったんです(笑)

――スパルタな感じで?

 そう、小学校低学年の頃に、本気でやらせようと思ったのかわからないけど、教えてもらったことがあって、やっぱりその頃は手も小さいし、なかなか弾けないんです。でもそれをすぐ怒るんです「こんな簡単なこと、何でできないんだ!?」って(笑)。

 音楽自体は、正直小学生のときからジャズとかカーペンターズ、洋楽とかを聴いていて、そういうもの自体は、わからなくてもメロディとか覚えちゃうんですよね。だから今でも聴いたりする曲ばかり。なんか親しみのある曲だなという感じで、聴いていて楽しい感じにはなります。自分で聴いていて、懐かしさもありますし。

――では好きで聴くというより、そういう音楽が自然に掛かっているのが普通というような感じで?

 そうですね。でも大人になって知識を得て“こういう人たちなんだ”と知ってから改めてちゃんと聴いたり、たまにバーなんかに行って、知っている曲が掛かっていると“あ、知ってるな、聴いたことがある。多分家で掛かっていた曲だな”とマスターにたずねて、CDを借りたりとかはしました。

――ではそう音の蓄積と、先程“ギターを少しでもやってみよう”と思われていたのは、今でこそ“オヤジを超えよう”という思いもあってのことかと?(笑)

 いやいや(笑)。でもそこまでできたらカッコいいですけどね。最近では菅田将暉さん、あと先輩の若葉竜也くんとかはギターを弾きながら歌っていたりもしているけど、そういうことができると役の幅も広がるしい、いいなぁ~と思います。でも僕はそんなに歌もうまいわけではないし(笑)。

――でも歌は良し悪しというより、どれだけ個性が出るかというところもありますので、機会があれば期待したいですね(笑)。たとえば矢野さんにとって音楽とは、どんなものであるかをおうかがいしたいのですが、そんな意味ではなかなか明確にはできないけど、いつもなんらか音楽が流れている環境にあるということから“欠かせないもの”という感じではありますかね?

 確かに。昔からわりと生活の一部でもありましたし、なにか自分から聴くというよりは自然に耳に入ってくるというか。

――それにしても不思議な位置関係ですよね。敢えてギターを弾こうとしたり、かと思うと辞めてみたり(笑)。

 何なんでしょうね(笑)。でも親は、小学生の頃はいろいろやらせようとしていたみたいで。それこそピアノも通ったといっていたし、あとはサックスとドラムをやれとすごくいわれていましたし…。

――それはかじるくらいでも、やられたのでしょうか?

 いや、ドラムは小学校の音楽室で、昼休みとかに叩いていましたけど…。

――とにかく叩くのが楽しかった、という感じですね。そのうち形にならなくて辞めてしまうという(笑)。

 まさにそのときはそうでした(笑)。あとは中学のときにドラムをやっている仲のいい友達がいて、その子のライブを見に行ったときにカッコいいなと思って。そういう友達の影響のほうが大きいかもしれません。

――仲がいい友達がいいところを見せると、すぐやりたくなる年頃ですよね(笑)

 まさしく! なんか“バンドが組めるんじゃないか“、って。そんなことを言っていたかと。

矢野聖人

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(おわり)

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