永遠に使われるテーマソングを、春畑道哉　過去と現在の想い綴る

【番外編】ギターは相性さえ合ってしまえば一生使える

春畑道哉

――春畑さんはリバースヘッド（ヘッドの形状が左右逆のタイプ）のギターを使用されていますが、この形状をチョイスしたのにはどのような理由が？

　初めて買ったギターが左利きのモデルで、それを右で弾けるようにナットを付け変えて弾いていたのが始まりです。それもあって最初にフェンダーから春畑モデルのお話を頂いたときは「ネックシェイプはそれでお願いします」と言って。あれチューニングしづらいんですけどね（笑）。

――通常のヘッドと比べるとリバースやラージヘッドは音の変化はどのように感じていますか。

　やっぱり（弦の）テンションが変わりますから、普通の弦の長さと逆になりますよね。

――６弦が通常より長く張られますよね。

　そして１弦のチョーキングに関して言うと普通よりキツめに感じるという。違和感をおぼえる人もいるけど僕は慣れちゃっているので大丈夫なんですけど。

――秋にフェンダーから、FENDER CUSTOM SHOPが手掛けたシグネイチャーモデル『Michiya Haruhata Stratocaster III,』をベースにした日本製シグネイチャーモデルが出るとお聞きました。

　そうなんです。TUBEのツアーのリハーサル期間中にプロトタイプが仕上ってくるかもしれないと聞いていたので、リハーサルでチェックをして本番に間に合ったら嬉しいなと話していたら、ツアー初日の前日のゲネプロの日に上がってきて。でも弾いてみたら一瞬で「バッチリ！」という。僕、判断が早いんですよ。持ってみて「OK!」「これ、あまり好きじゃない」みたいなのが瞬時にわかります。

――直感で相性がわかってしまうんですね。ということは、今後もそのギターを使うことが多くなりそうでしょうか？

　そのツアー中にオリジナルと日本製のプロトタイプが日によって入れ替わったんですけど、プロトタイプはバランスが良いし弾きやすいです。オリジナルはもっと音が暴れてちょっと弾き辛さもあるというか…。ちょっと出来の悪い子が可愛いみたいな所もあるんですけど（笑）。ジャンプしたりして弾くとノブが動いちゃってフロントピックアップが勝手にオンになっちゃうとか、そういうこともないし、アームを触ったり激しめに弾くとピックアップに１弦が引っかかっちゃうみたいなのが、オリジナルではあるんですけど、これは一切なくて安心感が凄くあります。

――それでお値段もお求めやすいと。高校生でも頑張れば手が届くという感じですよね。

　そうなんですよ。頑張れば不可能ではないです。決して高価なギターが良いという訳ではなくて、本当に安いギターであっても相性さえ合ってしまえば一生使えるというか。

――若い世代のことも考えて活動をしているというのをお聞きしたのですが、具体的にギターキッズを集めてレッスンなどもされているのでしょうか？

　一度だけギター講座をしたことがあるんですけど、そういう機会が増やせたら良いですね

――その中でこのギターを手に取ってもらえたら嬉しいですよね。

　そうですね。これも面白いストラトの形だし。色んなプレイアビリティの良さとかありますよね。ピックアップがボディに直付けのダイレクトマウントであったり、テレキャスター的な搭載の仕方なので、ヴァン・ヘイレンもそうだったように、だいぶハードに弾いてもしっかり付いてくる太さがあると思うので、ロック寄りなギターではあると思いますね。

――それこそ春畑さんの「JAGUAR」や「【Re：birth】」のようなロックナンバーに合いそうですね。

　うん。バッチリですね。

――ちなみに春畑さんが現在ストラトキャスター以外で興味があるギターは？

　テレキャスターです。最近たまに弾くんですけど「テレキャスを持っている画が珍しいね」ってみんなに言われます（笑）。僕はテレキャスのカントリーチックなサウンドが好きな所なんです。あとキース・リチャーズが乱暴にコードを弾いたり、エッジがクールなカッティングをしたり色んなスタイルがあるギターだと思っています。まだライブでも10曲に１回ぐらいしか登場しないんですけどね（笑）。

（おわり）