“新世代ポップマエストロ”のTHE CHARM PARKが12月6日、東京・WOMBでワンマンライブ『THE CHARM PARK Reverse & Rebirth』の東京公演をおこなった。ライブは11月20日にリリースされた“リビルド”アルバム『Reverse & Rebirth』を引っさげて、東京と12月13日の大阪の2公演をおこなうというもの。『Reverse & Rebirth』から全曲と2015年にリリースされたミニ・アルバム『A LETTER』から「Holding Hands」「Beautiful World」などアンコール含め全15曲を演奏。約90分間どっぷりとTHE CHARM PARKの世界に惹き込んだ、東京公演の模様を以下にレポートする。【取材=村上順一】

2020年に向けて良い人生を過ごせたら

THE CHARM PARK(撮影= 勝永裕介)

 THE CHARM PARKはシンガーソングライター、Charm(チャーム)によるソロユニットで、2015 年リリースの 1st ミニアルバム『A LETTER』から活動を本格的に始動。確かな理論とテクニック、そこに加わる音楽への情熱や衝動が楽曲から溢れている。11月20日にリリースされた『Reverse & Rebirth』は2014年に自主制作したアルバムに新曲を3曲追加した“リビルド盤”。THE CHARM PARK の原点と今が混在する1枚となっている。

 そのアルバムを引っさげた東京公演はソールドアウト。会場はビッシリと観客で埋め尽くされ、ステージにはシンセサイザーが所狭しと並べられている。開演時刻になり、オープニングを飾ったのはアルバムでも1曲目に収録された「リバース」、そして「Gravity」へと流れていく。どこか映画を見ているかのようなストーリーを感じさせてくれた。

 続いては2015年にリリースされたミニ・アルバム『A LETTER』から「Holding Hands」を披露。メロウなナンバーに酔いしれる中、ミラーボールの光が会場を包み込んでいく。そして、美しいピアノのシーケンスから疾走感のあるビートに、手拍子を巻き起こした「Anyone」。ホワイトカラーのギブソン・SG(ギター)から繰り出されるロックサウンドは身体を熱くさせ、ソロパートでは鮮やかなスゥイープ奏法など駆使したテクニカルな一面も見せた。熱量の高い演奏にオーディエンスも手を振り上げ、シンガロングと大きな盛り上がりを見せた。

 MCを挟み届けられたのは「誰か」。天井から木漏れ日のように降り注ぐ照明が印象的で、ファルセットを使った歌声、ノーピッキングで表現したギターソロと楽曲を彩っていく。続いてギターを下ろし、キーボードを演奏し披露された「Free Man」はアイロニックな歌詞にエフェクトが掛かった歌声は楽器のように響き、カタルシスを感じさせるサウンドスケープと一体となった悲壮美が広がっていた。

 異国の風を感じさせる弦のイントロに、会場の緊張感が増していくのを感じさせた「Ante Meridiem」。サビでスモークが吹き付けられ、会場を白く染めていく演出から、エンディングではブルーのライトがビートとリンクし、フロアを激しく照らし出していた。

 CHARMは「世界に(ライブを)配信中なので盛り上げて下さい(笑)」と煽り、再びギターを手に取り、懐かしい曲だと話す「Beautiful World」。ドラマチックな展開でグッと心を引き寄せ、インタールード「Retry (Interlude)」を挟みオーディエンスのクラップが一体感を作り上げた「カワレル」で後半戦へ突入。身体を揺さぶりかけるアグレッシブなサウンドで煽情。

 そして、ステージが真っ赤に染まるなか、ハードなギターサウンドを叩きつけた「thirty-6」。葛飾北斎の「富嶽三十六景」をモチーフに創り上げた、アルバムに追加された新曲だ。CHARMはタッピング奏法からエモーショナルなリードプレイで、エキサイティングな空間を作り出していく。オーディエンスも拳を突き上げ、大きな盛り上がりを見せた。

THE CHARM PARK(撮影= 勝永裕介)

 印象的なギターフレーズが耳に残る「Rebuild」。CHARMもノリノリでギターを奏でる姿はライブを心底楽しんでいる事が伝わってくる。会場のボルテージは最高潮まで高まった。そして、ライブは佳境へ。

 「素晴らしいバンドと一緒にライブで披露するのは初めてなので、ここに集まってくれた皆さん本当にありがとうございます。2020年に向けて良い人生を過ごせたら良いなと思います」と感謝を述べ、ラストは「Rebirth & Reverse」。

 CHARMはしっかりとマイクを握り、<でもほら僕らは一人なんかじゃないさ>と楽曲に込められたメッセージを丁寧に伝えていく。間奏でのレガートなギターソロも効果的に曲を彩り、CHARMの優しい歌声を浴びるようにオーディエンスも静かに耳を傾ける。後半に向かうにつれ熱を帯び、会場全体が溶け合うような感覚をもたらしてくれた。美しいシンガロングが会場を包み込んでいく。<僕らはまだ生きている>、この言葉が会場に響き渡る。

 手拍子に導かれるように再びステージに登場したCHARM。まだアルバムの中でやっていない曲があると、アンコールは新曲として新たにアルバムに収録した「Open Hearts」を届けた。ステージを降り最前列のオーディエンスとコミュニケーションを取りながら歌唱。嬉しそうなチャームの笑顔。バンドメンバーをフィーチャーしたメンバー紹介から、エキサイティングなギターソロでフィナーレを迎えた。

THE CHARM PARK(撮影= 勝永裕介)

 幅広い音楽性を提示したパフォーマンス。CHARMとバンドメンバーが去った後もオーディエンスはフロアでBGMとして流れていた「Open Hearts」で手拍子をしながら耳を傾け、余韻に浸っていた。

 過去の自分と向き合いつつも、新たな一歩を踏み出したことを感じさせたステージだった。2020年1月17日から宮城県 enn 2ndを皮切りに、2月13日の恵比寿LIQUIDROOMまで全7公演のライブ『THE CHARM PARK TOUR 2020』も決定している。生まれ変わったTHE CHARM PARKに期待が高まった。

セットリスト

『THE CHARM PARK Reverse & Rebirth』
12月6日@東京・WOMB

01.リバース
02.Gravity
03.Holding Hands
04.Anyone
05.誰か
06.Free Man
07.Ante Meridiem
08.Reprise (Interlude)
09.Beautiful World
10.Retry (Interlude)
11.カワレル
12.thirty-6
13.Rebuild
14.Rebirth & Reverse

ENCORE

EN1.Open Hearts

Listen Now https://asab.lnk.to/tcp-reverse_rebirth_setlist

- Member -
小川洋行 (Bass)
金藤稔人 (Key)
Mark Stein (Guitar)
神谷洵平 (Drums)

THE CHARM PARK(撮影= 勝永裕介)

THE CHARM PARK(撮影= 勝永裕介)

THE CHARM PARK(撮影= 勝永裕介)

THE CHARM PARK(撮影= 勝永裕介)

THE CHARM PARK(撮影= 勝永裕介)

THE CHARM PARK(撮影= 勝永裕介)

THE CHARM PARK(撮影= 勝永裕介)

THE CHARM PARK(撮影= 勝永裕介)

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