PassCode「ずっと続けて行くから」Zepp DiverCityで伝えた決意
『Zepp Tour 2021』
PassCode
PassCodeが11月3日、Zepp DiverCity(TOKYO)でワンマンライブ『Zepp Tour 2021』の東京追加公演を行った。2022年に行われる日本武道館公演に向けたツアーで、9月11日の宮城 SENDAI GIGSを皮切りに11月6日の沖縄 ミュージックタウン音市場まで全国8カ所を回るというもの。(10月10日に予定していた愛知公演は11月25日に延期)体調不良のため7月より活動を休止していた今田夢菜が8月に勇退し、新たなメンバーとして有馬えみりが加わった新生PassCodeとしての初のツアー。11月10日にリリースされる新曲「Freely」、「FLAVOR OF BLUE」など全15曲を熱演。東京追加公演となった以下にレポートする。【取材=村上順一】
最高の1日を作りましょう!
コロナ禍でライブの見せ方、意識の改革を行ってきたPassCode。グループとしてのスキル、ショウとしての完成度を高めてきた1年間、そして、新たなメンバー有馬えみりも加わり、新生PassCodeの真価が問われるツアーだ。東京は2回目ということもあり、この追加公演ではどんなパフォーマンスを見せてくれるのか期待が高まる中、開演時刻を迎えた。
SEが鳴り響く中、サポートメンバーに続いて4人がステージにスタンバイ。オープニングを飾ったのは11月10日にリリースされる両A面シングル「Freely」で幕は開けた。新メンバー有馬のシャウトを初っ端からぶつける攻めの一曲だ。この「Freely」は今のPassCodeのアティテュードが全面に打ち出されたナンバーで、気持ちの乗ったパフォーマンスは痛快。彼女たちの未来への羅針盤とも言えるナンバー「ATLAS」とノンストップで駆け抜けた。時間があっという間に過ぎ去っていく、充実した序盤だった。
「せっかく(ライブに)来てもらったからには最高の1日になって欲しい。最高の1日を作りましょう!」と、南菜生のこのライブに懸ける意気込みから盛り上がり必至のナンバー「Taking you out」、そして「STARRY SKY」など高嶋楓の安定感のあるパフォーマンス、大上陽奈子の伸びやかな高音がステージを彩る。新メンバーが加わり間もないこともあり、一体感が心配されていた面もあったと思うが、ツアーを回ってきた成果がしっかりと反映されている。その、鮮烈なパフォーマンスに反応するように、オーディエンスも手を掲げ、体を弾ませライブを楽しんでいた。
MCでは追加公演がこのZepp DiverCityでできることに感慨深い様子のメンバー。この場所は彼女たちが初めてZeppでライブを行った由縁の場所。そんな思い入れのある場所で追加公演が出来るということに喜びを噛み締めるなか、改めて新加入した有馬えみりを紹介。さらに新曲のMV撮影のエピソードなど、和気藹々としたMCでオーディエンスを和ませた。
みんなを信じてここに帰ってきました
ライブは中盤戦へ。約3ヶ月となった武道館公演、勇退した今田夢菜が9月にリリースしたベストアルバム『PassCode THE BEST -LINK- 』の収録曲としてリクエストとしたという「カタルシス」、大きな会場での一体感が想像できた「Anything New」、リリース当時はPassCodeの新境地の1曲だった「Ray」と、立て続けに披露。彼女たちの武道館へ向けての気持ちが大いに詰まったセクションで、まだ見ぬ武道館での光景がイメージができるパフォーマンスだった。
「マスク越しでもみんなが楽しんでくれているのがわかるよ」と南。メンバーも口々に「(ライブが)楽しい!」と、オーディエンスの前でパフォーマンス出来る、みんなが楽しんでくれていることに幸せを感じている様子。そして南は、短期間で曲と振り付けを覚えることになった有馬のパフォーマンスをビデオで見て、「めちゃくちゃ笑顔ですごく楽しそうにやってくれていて良かった」と、安堵した表情を見せた。
そして、「明るい未来が待っていますように」と話し「Remnants of my youth」でライブは後半戦へ。続いてお経を彷彿とさせるラップパートが印象的な新曲「FLAVOR OF BLUE」は、PassCodeの真骨頂である目まぐるしく変化していくアレンジが、より我々のテンションを上げてくれた。これからのライブの定番にもなりそうな予感をさせてくれたナンバーで、ボルテージは最高潮まで高まった。
南は「2016年8月8日、ここで初めてワンマンをした日から思いもよらない形になったけど、まだまだ私たちにできることを信じて、新しいメンバーを信じて、みんなを信じてここに帰ってきました。また何回でも戻って来れるように、ここに来たら思い出せるように、ずっとずっと続けて行くから、皆さん良かったらここで待っていてくれませんか」と想いを伝え、大きな拍手が響き渡る中、「この歌が一緒に歌える日まで」と投げかけラストは「It’s you」を届けた。オーディエンスが振り上げる腕を見て南は感慨深い表情で客先を見つめる姿も印象的で、シンガロングできる日のことを願いながらの全霊の歌唱となった。
これまでとはベクトルは違えど、今のPassCodeを余すことなく感じさせてくれたステージで、来年開催されるの日本武道館公演に期待がより高まった。また、11月19日と28日にはTHE ORAL CIGARETTES、MY FIRST STORYとの対バン企画『VERSUS PASSCODE 2021』、12月16日にZepp Tokyoで『“STRIVE” for BUDOKAN Tour 2021 FINAL』を行うPassCode。どんな成長を遂げた姿を武道館で見せてくれるのか楽しみだ。
セットリスト
01.Freely
02.Seize Approaching BRAND NEW ERA
03.GOLDEN FIRE
04.ATLAS
05.Taking you out
06.STARRY SKY
07.Stealth Haze
08.ONE STEP BEYOND
09.カタルシス
10.Anything New
11.Ray
12.Remnants of my youth
13.FLAVOR OF BLUE
14.SPARK IGNITION
15.It’s you
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