Nona Diamond

 『第3回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦』のファイナリスト9人からなるユニット、Nona Diamondsが6月30日、オンラインでデビューシングル「はじまりの唄」の発売記念スペシャルライブを行った。MusicVoiceではメンバーそれぞれのインタビューを連載してきたが、その締めくくりに、この日の様子をレポートとする。【取材・撮影=木村武雄】

 【写真】9人のソロカット(各3枚)

 ◆Nona Diamonds AKB48国内6グループから最も魅力的な歌い手を決める『第3回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦』のファイナリスト、池田裕楽(STU48)、野島樺乃(SKE48)、岡田奈々(AKB48/STU48)、秋吉優花(HKT48)、古畑奈和(SKE48)、矢野帆夏(STU48)、三村妃乃(NGT48)、山内鈴蘭(SKE48)と、審査員特別賞の山崎亜美瑠(NMB48)からなるユニット。「はじまりの唄」は、決勝大会の審査員を務めたゴスペラーズ・黒沢 薫がプロデュースした。

美しい歌声

 午後8時45分頃。9人が歌う「はじまりの唄」が視聴者のもとに届き始めた。

 芯がある、爆発力がある、説得力がある、多彩、厚みがある、真っすぐ、清涼感、ムードがある、信頼性がある。それぞれ異なる魅力を持つ歌声は、物語を紡ぐために必要な役どころが与えられ、そこで光輝く。そして歌声、パートは互いに作用し合いストーリーを立体的に作り上げていく。

池田裕楽

池田裕楽

 透き通っているダイヤモンドは通す光を大きく屈折させ、また異なる美しい輝きを作る。その性質のように、個性のある歌声は曲を通して様々な光を放っていた。

 力強く、優しく、流線を描くように滑らかで、美しい。現場で響き渡る彼女たちの歌声は、歌唱力決定戦、ファイナリストライブの時もよりも更にアップデートされ、曲が持っている力を最大限に引き出していた。

岡田奈々

岡田奈々

 この日のライブはオンラインとなったが、美しい歌はしっかりと届けられていた。

リハーサル

 そこから遡ること数時間前、リハーサルが行われていた。9人が半円を描くようにステージに立ち、程なくして歌い始める。静けさのなかで艶やかな歌声が響く。声量も、奥行きも、強弱も、本番さながらに歌い、そして紡いだ。

 リハーサルに立ち会った黒沢は「素晴らしい」と褒めつつ、微調整が必要なところを指摘し、アドバイスした。素人には分からない歌声の重なりなど繊細なものだった。この曲を表現するには、いかに緻密さとそれを可能にする歌唱力が必要であるかを改めて知る。

 リハーサルの合間の小休憩、指摘された箇所を練習し、再確認する。黒沢は自身で歌ってみせ、的確にアドバイス。それを受けて吸収していく。メンバーのポテンシャルの高さも改めて知る。

 そして、一人一人の表情は活き活きとしていた。

秋吉優花

秋吉優花

 最終チェック。指摘された箇所もちゃんと修正され、完璧に歌い上げる。拍手を送る黒沢。「とても良かった!」。スタッフも彼女たちの歌声に心が洗われるようで自然と笑顔になっていた。

 鳥肌が立ったリハーサルも終え、いよいよ迎える本番。

本番、トークコーナー

 午後8時、生配信が始まった。室内に緊張感が走るが、山内の挨拶で一気に和らぐ。その山内が司会を務めるトークコーナーからスタートした。この日がSKE48としての最終活動日である(7月1日からはボーカルグループ「&」として活動)野島は思いを語った。

 「新しい人生が始まるということで、辛い時や頑張らないといけない時にこの曲を聴いて励まし、自分にとってもみんなにとっても大切なものになったらいいなと思います。活動最終日に朝から夜までこんなにみっちり仕事が入っているのもありがたいですし、充実しています。幸せです。いままで以上に歌を届けられたら」

野島樺乃

野島樺乃

 総視聴者数はこの時、5万人を超えていた。

 メンバーは「はじまりの唄」への想いも語った。

 山内は「最初、音源が来た時に震えが止まらなくて」、池田は「移動中の新幹線の中で聴いて感動しました。(歌唱メンバーとして初めて参加する)曲も衣装もオリジナルのものがあって嬉しい」

山内鈴蘭

山内鈴蘭

 話題は公開されているMVについて。岡田は「新しく撮ったシーンだけでなく、ファイナリストライブの映像が使われているのがエモかった」、秋吉は「YouTubeのコメント欄が盛り上がっていて嬉しかった」と喜んだ。

イントロノナ

 山内はその秋吉にこう話しかけた。リハーサルの時に、秋吉のフェイクをスタッフが「すごい」と話題にしていたというものだ。秋吉は「オーディションで決めました。歌が好きな気持ちを込めました」

本番、イントロノナ

 ここからはAKB48の楽曲を当てるイントロクイズ。正解者には「1点」が与えられ、更にそのサビをステージの中央でパフォーマンスできる特典も得られる。出題者は山内。「イントロ、ノナ」の合図でイントロが流れる。

古畑奈和

古畑奈和

 池田が「恋するフォーチュンクッキー」を当て、秋吉が「UZA」、岡田が「さよならクロール」、山崎が「言い訳Maybe」。最終的な勝者を決めるため、山内の提案で池田が最終問題で付与される得点を決めることなった。池田は「152点!」と提案し、採用。そして、イントロが鳴る。勢いよく手を挙げたのは山崎。「法定速度と優越感」を当て、「153点」で優勝した。

 ちなみに、リハーサルでは「ヘビーローテーション」を古畑が当て、ノリノリでパフォーマンスしていた。

矢野帆夏

 このコーナーが終わる頃には視聴者数が13万人突破。その感謝を込めて、髪をブルーに染めた岡田と、ピンクの古畑が視聴者にダブル投げキッスをプレゼントした。古畑は「普段はやらないです(笑)」という貴重なプレゼントとなった。

三村妃乃

本番、ライブパート

 そして、ここからはライブパートとなる。それぞれが所属するグループの曲をメドレーで披露した。最初はAKB48で岡田が「大声ダイヤモンド」、次に野島・古畑・山内がSKE48の「恋を語る詩人になれなくて」。野島がSKE48所属としては最後となる3人での披露となった。そして山崎はNMB48の「僕はいない」、秋吉はHKT48の「空耳ロック」、三村はNGT48の「シャーベットピンク」、ラストは池田・岡田・矢野でSTU48の「ペダルと車輪と来た道と」。

山崎亜美瑠

 そしていよいよ「はじまりの唄」。

 一堂がステージに揃うと薄暗いステージに青色の光が優しく差し込む。

 そして、9人がハーモニーを奏でる。

<止まらない むねの高鳴りは>
<描いてた はるか先へ>

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 終わりを迎える頃、総視聴者数は18万人を超えていた。

(おわり)

Photos
岡田奈々
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