左から阿部、満島、桜井、高橋、佐々木、二宮監督

左から阿部、満島、桜井、高橋、佐々木、二宮監督

 映画『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』の完成披露試写会が28日に東京でおこなわれ、映画で主演を務めた桜井ユキと、共演の高橋一生が登壇、この日同じく登壇した共演者の言葉尻から高橋が巧みに揚げ足を取り、笑いを誘う場面が見られた。この日は、共演の佐々木一平、阿部純子、満島真之介と、二宮健監督も合わせて登場した。

 『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』は、若干25歳の新鋭監督である二宮健監督の初“商業”デビュー作品。女優を志し田舎を飛び出してきたヒロインが、都会の片隅で、とあるサーカス団に身を寄せ生活、様々な出会いとともに妄想と現実の境界をさまよう姿を辿りながら、一つの岐路にたどり着く姿を描く。

 登壇直後に観衆に向かって挨拶をする際に、阿部は緊張のあまり「本日は、お足元が雨の中…」と誤って言ってしまい、それをさらに満島からもツッコミを入れられ、あまりの恥ずかしさに「もう一回! お願い!」とやり直す始末。しかしその後、高橋の出番が来ると、高橋は真顔で「本日はお足元の雨の中、ようこそいらっしゃいました!」と、フォローとも上げ足ともとれる周到な発言を挨拶に入れ、会場の笑いを誘う。

 また劇中のテーマには「主人公アキの2、9年間の人生の中で、最も輝いていた時期を描く」という主題もあることから、この日の登壇者に、自身の最も輝いている時間は? とたずねられると満島が「今この瞬間を常に切り取りたい人生として生きていたいです。時は流れていくものなので、常に新しい自分がある、朝起きた時に『今日私のデビュー』みたいに。だから一年前の、映画の時の自分は、もうこのスクリーンの中にしかいないんです!」とコメントすると、高橋もそれに続いて「僕も今ですね。常に今を更新しておこうと思います」とポソッとコメント。

桜井ユキと高橋一生

 満島から「一緒じゃない!?」と突っ込まれるが、高橋は動じず、さらに報道陣のフラッシュ撮影があまりにも多く炊かれていたので、司会が遠慮を促していたところ、そのコメントを拾って「今、輝いていると思いますよ。だってこうやって舞台の上に登壇させていただいて、さらに『フラッシュがきついから、焚かないでくれ』とか、僕はそんなこと初めて聞いたし。だからどんどんこういう瞬間を更新していきたいです」と何事もなかったように落ち着いてコメント、さらなる笑いを誘っていた。

 ストーリー本編では、本作で二宮健監督が自らセレクトした洋楽インディーズのハウス/テクノ調の音楽で全編が満たされており、独特の雰囲気を醸し出している。

 桜井が演じるヒロインのオリアアキは、劇中ではとにかく踊りのシーンが多く、特に決まった形がある踊りということもあって自身もクラブなどに踊りのシーンを見学しに行くこともあったという。その一方で「撮影している間は、靴も履かずにはだしでいることがすごく多くて。こんなに人生で踊り狂うことはなかったです。監督に『踊り狂ってくれ』と言われていましたし、そこは印象に残っていました」と初の主演映画の撮影で記憶に残った、踊りにまつわるエピソードを振り返っていた。【取材・撮影=桂 伸也】

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