昨年、デビュー20周年を迎えた女性デュオの花*花が10月9日、東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASUREで『52R45 tour 〜 LIVE IS JOURNEY』の東京公演を行った。ライブは今年6月にリリースした4年ぶりのオリジナル・ミニ・アルバム『52R45』(読み:ゴー・トゥー・アール・フォーティーファイブ)を引っ提げて、10月3日の広島はつかいち文化ホールを皮切りに11月20日の兵庫・高砂市文化会館まで6公演を行うというもの。2公演目となった東京公演はミニ・アルバム『52R45』の楽曲や「あ~よかった」など代表曲も披露した。

 ステージには2台のキーボードがシンメトリーになるように設置され、これから始まるライブへの期待感を高めてくれる。

 開演時刻になり、おのまきこ(Pf.Vo)とこじまいづみ(Pf.Vo)の2人がステージに登場しスタンバイ。軽快なリズムの楽曲でライブの幕は開けた。観客も手拍子で楽曲のリズムの一部となって楽しむ姿が印象的。1曲目から一体感のあるステージを作り上げた。

おのまきこ

 ノレる曲や聴かせる曲など緩急をつけたセットリストで、息の合った歌声をホールに響かせる2人。キャリアを重ね円熟味を増した存在感のある歌声は、時に聴くものの背中を押すようような力強さ、時に涙を誘うような切ない歌声と変幻自在の表現力で音楽を紡いでいく。キーボードだけではなく、曲によっては鍵盤ハーモニカなども使用し、楽曲を彩っていた。

 テンポの良いトークも花*花の魅力の一つで、ざっくばらんな会話で楽しませてくれる。最初のMCでは、まだまだソーシャルディスタンスが求められる昨今だが、「色んなディスタンスがあるんやけど、心のディスタンスは埋めていくで」と、このライブへの意気込みとともに、先日、緊急事態宣言が明けたということで、自信を持ってライブが出来る喜びを観客に伝えた。

こじまいづみ

 ライブではオリジナル曲だけではなく、カバー曲も披露。しっかりと花*花のスタイルに昇華し、その楽曲の持つ新しい側面を打ち出し、力強さと儚さが同居するような歌声で、観客を魅了した。

 ニューミニアルバムの曲以外にも代表曲「さよなら大好きな人」や「あ~よかった」を披露。数え切れないくらいほどのステージで披露してきたこの曲も、今の花*花の歌として、変化や成長を感じさせてくれた瞬間だった。

 ツアータイトル『LIVE IS JOURNEY』のように、2人にとって“ライブは旅”。こじまは「みんなに会いに来れて感無量です。振り返ったら振り返れる道がちゃんと出来ていて、明日からまた『まだ道があった』と思えて。その道はまっすぐだったりデコボコだったりするんですけど、2人で歩んでいきたいなと思いますし、みんなの道が幸せでありますように――」と、本編最後の曲を歌唱しライブを締めくくった。

花*花

 土地や人が変わることできっと歌の趣も変化していく、そんなことを感じさせてくれた東京公演。ツアーは、10月16日、兵庫・神戸CASHBOXでライブを行う。一期一会の空間で、花*花の2人がこのツアーでどんな歌を届けるのか、期待が高まる。【村上順一】

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