ライブのもよう(撮影=結城さやか)

 3人組ギターロックバンドの空想委員会が23日、東京・中野サンプラザでリリースワンマンツアー『青写真の現像室』のツアーファイナルをおこなった。このツアーは4月5日に発売した3rdアルバム『デフォルメの青写真』の発売を記念して、6月1日の千葉・LOOKを皮切りに全国を回るというもの。三浦隆一(Vo、Gt)は「最高に幸せなツアー。感謝しかないです!」と言葉を述べた。

 今回のツアーは、アルバムタイトル『デフォルメの青写真』にかけて『青写真の現像室』と称されていた。会場のエントランスには、各会場で佐々木(Gt)がライブ中に撮影した写真が飾られていた。最終日となる本日は、全12会場中で唯一のホール会場。いつものライブハウスとは違う着席スタイルだが、暗転と同時にオールスタンディングで歓声が上がる。

 特別な存在では無い平凡な自分、明日も生きていていいの?という葛藤を歌った「通行人『R』」を1曲目に選び、ライブはスタートした。続いて、空想委員会の代表曲といえる「マフラー少女」を披露し一気に会場の温度を上げ「ファイナルへようこそ!」という威勢の良い佐々木の一声で、アッパーチューンである「アイシテイルの破壊力」へと繋げた。

三浦隆一(Vo、Gt)(撮影=結城さやか)

 ライブ中盤では緊張感のある楽曲が続き、「罪と罰」では、エモーショナルに歌い上げた三浦(Vo)のトレードマークでもあるメガネが外れ破損するというハプニングも。だが、「三浦、メガネ辞めるってよ」と自ら笑い飛ばして会場を沸かせた。

 トークパートでテディ(サポートDr兼 事務所社長)は「ホールでここまで大きなワンマンは初めて。前列にお子さんも…10代でバンドに出会ってくれた人が大人になっても、将来家族で応援してもらえるようなライブをもっと作っていけたらいいなと思います」と語った。

 そして9月から始まる新たな全国ツアー『持ち寄った青写真を重ね合わせて描いた夢は歌だった』の東京公演が10月26日に恵比寿リキッドルームで開催されることが発表されると、再び大歓声があがった。

 終盤では、初夏を感じさせる「劇的夏革命」の爽やかなサウンドが会場に一体感を生んだところで、三浦は「来てくれた皆さんが素敵な未来を描けたら良いなと思ってたけど、描かせてもらったのはこちらの方でした。僕史上、最高に幸せなツアー。感謝しかないです!」と感謝を述べた。

 ゆっくり一呼吸し、「いつか自分が死んでしまう時、私は私だったと胸を張って言えるように…」そう語り、最後の楽曲「何者」を歌い上げた。

 鳴り止まない居残りコール(=アンコール)に応えて「単独飛行少年史」を披露。最後はホール全体を大合唱が包み込み、ライブの幕を閉じた老若男女に愛される空想委員会の魅力が存分に感じられたツアーファイナルだった。(取材=羽村萌)

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