INTERVIEW

浅川梨奈

モテアネゴ系女子役で気づいた自分に足りないものとは?:映画『おとななじみ』


記者:村上順一

写真:村上順一

掲載:23年05月17日

読了時間:約6分

 浅川梨奈が、5月12日より全国公開中の映画『おとななじみ』に出演。モテアネゴ系女子・小戸森美桜を演じる。主人公・青山春(通称“ハル”)役には映画初主演となるHiHi Jets/ジャニーズ Jr.の井上瑞稀。もう1人の主人公・加賀屋楓役にはnon-no専属モデルの久間田琳加。同じくおさななじみで楓に密かに想いを寄せる蓮見伊織役を萩原利久が務めている。中原アヤ原作の『おとななじみ』はココハナ(集英社刊)で2019 年より連載が開始され、 瞬く間に全世代の女性読者からの支持を得たマンガ作品。インタビューでは、自然体で演じられたと話す撮影の舞台裏から、本作の見どころ、作品を通して気づいたことについて、浅川梨奈に話を聞いた。(取材・撮影=村上順一)

本当に幼なじみのような空気感

村上順一

浅川梨奈

――作品への出演が決まった時の心境は?

 監督の髙橋(洋人)さんとプロデューサーさんが、以前出演させていただいた映画『胸が鳴るのは君のせい』でご一緒したことがあったので、お話をいただいた時すごくテンションが上がりました。『胸が鳴るのは君のせい』の時は撮影が短かったので、長期間ご一緒できるというのも嬉しかったです。あと、過去に吉田(恵里香)さんが脚本を担当された作品にもいくつか参加させていただいていたので、吉田さんの脚本にまた出演させて頂けるという期待感もありました。

――撮影はいかがでした?

 同世代とお芝居をするのがすごく久しぶりでした。最近は年上の方や先輩とご一緒することが多かったので、同世代との撮影を楽しみにしてました。

――撮影をしていない時も和気あいあい?

 撮影が始まる前に、 監督やプロデューサーさんの方から、「長年の幼馴染の設定なので、できるだけ仲良くしてほしい」とのことでした。萩原さんとは約9年ぶり2回目の共演で、井上さんと久間田さんとは初めてでしたが、 撮影初日からあっという間に打ち解けました。撮影の合間もずっと喋ってましたし、4人だけでちょっとお散歩行こうって、外の空気を吸いに行ったりしてました。4人でずっと行動してたので、本当に幼なじみのような空気感でした。

――共通の話題はどんなこと?

 その時に思いついた話とか、思ったことをみんなで喋ってる感じなので、共通の話題というのはなくて。ですので、実のある話はないんですよ(笑)。でも、カットがかかっても笑ってるみたいな感じで、すごく賑やかでいい現場だったと思います。

――浅川さんが演じる小戸森美桜は、見てる側の意見を代弁してくれてるような役だなと思いました。ハルと楓2人の関係性に対してズバズバ言う場面がありますが、演じるにあたってどんなことを意識されてました?

 私は同世代と一緒にいる時は、割とそういう立ち位置になることが多いと言いますか、同世代と一緒だと普段からも突っ込むし、ズバッと言うタイプなので、そんなに意識しなきゃというのもなく自然体で楽しくやれました。ずっとふわふわしてる2人にズバっと言う感じなので、間が大事だなと思い、タイミングとかテンポ感を違和感のないように気をつけながら演じていました。

 台本を読んだ時は、こういう言い方しようというのはなくて、セリフの前後の出来事を把握して、現場に行ってから皆さんのお芝居を見て、セリフの言い方を決めていきました。本番では段取りとはけっこうお芝居が変わったと感じていて、段取りで色々やってみて、迷ったら監督に聞いたりしていたので、テイク毎に言い回しとか変わっていたと思います。

「あー、そっか」と気づいただけで終わっちゃう

村上順一

浅川梨奈

――浅川さんが今回の作品を通して、発見したことや気づきはありましたか。

 私はモテ女子という役だったんですけど、バリバリ仕事ができて、加えておしゃれというところで私と美桜は真逆なんです。私はのんびり生きてるし、マイペースだし、ファッションとかめちゃくちゃ気を遣ってるという感じでもないから、「これが私に足りないものなんだ」と思いました。とはいえ気づいても何もしないので、やっぱりこういうところがダメなんだよなと改めて思ったり(笑)。おそらく美桜だったらこれが足りないと気づいたら、それを克服するために絶対行動に移すと思うのですが、私の場合は「あー、そっか」と気づいただけで終わっちゃうんです。

――気づいてよかったみたいな。

 そうです。気づくことができただけでもOKじゃない?って。

――めちゃくちゃポジティブですね。

 自分でもポジティブだなと思います(笑)。

――浅川さんお気に入りのシーンは?

 自分が出演したシーンだと、塩を撒くシーンが楽しかったです。塩の開け方もそうですし、その塩を置く場所にもこだわってました。塩を撒きながらもアドリブで色々やっていて、アン ミカさんもそれに乗って下さってすごく楽しかったです。

――井上さんとのシーンで印象的だったのは?

 まさにその塩を巻くシーンです。井上さんに塩をぶつけるんですけど、「口の中に塩を入れていい?」と聞いたら、「大丈夫」と言ってくれたので、それを実践したら、「すごいしょっぱかった」って(笑)。

――はは(笑)。

 あと、私は登場しないシーンなんですけど、井上くんのフラッシュモブも印象的でした。台本にト書き(セリフ以外の,主として登場人物の動作や行動を指示する部分のこと)でそのシーンについて書いてあったんですけど、まさかあんなことになってると思わなくて。台本からの情報だけだとあそこまで大掛かりなシーンだとは思わなくて、すごく豪華なシーンで驚きました。あんなにたくさん人がいて踊ってるとは想像もしてなかったんです。

――すごく華やかで印象的でしたね。さて、共演者の久間田さんはどんな方だと思いました?

 久間田さんは本当に癒しの存在で、ずっとニコニコしてるんです。基本ほわほわしているんですけど、仕事となるとバチッとチャンネルを切り替えられる人なので、すごく信頼感もありました。一緒に帰ったりすることもあったんですけど、その時にした会話がすごく可愛くて、ずっとキャッキャしながら「聞いてください〜」みたいな。こんなにも純粋で可愛い子が世の中に存在するんだなと衝撃を受けました。そんな可愛い久間田さんだけど、きっと裏には黒い部分があるんじゃないかと、みんなで探してみたんですけど、結局見つからなかったです(笑)。

――楽しそうですね(笑)。萩原さんは久しぶりの共演で。

 私は当時13〜14歳だったのですが、ドラマ『幽かな彼女』に出演した時の写真を2人で見て、「うちら垢抜けたね」って(笑)。みんなにも当時の写真を見てもらったんですけど、「変わり方がすごい!」って。本当に萩原さんと一緒にお芝居すると、私が何をしてもしっかり返してくれるという安心感があるので、すごくありがたかったです。

――最後に映画『おとななじみ』の見どころをお願いします!

 『おとななじみ』は4人の幼馴染み、両想い、片想い、すれ違いのムズムズ感が魅力的な作品だと思います。キュンキュンするシーン、逆に大人なシーンもあったりして、特に私ぐらいの年齢や10代の子が見たら、すごく楽しい作品だと思います。お友達同士でポップコーンを食べながら、キャッキャしながら楽しんでもらえたら嬉しいです。

(おわり)

映画『おとななじみ』

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