INTERVIEW

河村花

北川景子のセリフに心が揺れた ドラマ『女神の教室』で感じたこととは


記者:村上順一

写真:村上順一

掲載:23年02月26日

読了時間:約6分

 女優の河村花が、北川景子「月9」初主演となるドラマ『女神の教室~リーガル青春白書~』(フジテレビ系)に出演中。ロースクール(法科大学院)に通う天野向日葵を演じている。河村はこれまでに映画『ニセコイ』(18年)、ドラマ『翔べ!工業高校マーチングバンド部』(20年)、ドラマ『あなたは一宮モーニングで謎を解く』(21年)などに出演。『女神の教室~リーガル青春白書~』は未来の法曹界を担う若者たちが通うロースクールを舞台に、裁判官で実務家教員の主人公と彼女を取り巻く人々が自身の価値観をぶつけ合いながら、法曹界の在り方を問うリーガル&ロースクールエンターテインメント作品となっている。ドラマは後半戦に突入。登場人物たちの心境の変化も現れ、さらに注目が集まっている。インタビューでは河村花に、どんなことを感じながら撮影に臨んでいるのか、目指す役者像など話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

敏感に相手を見ながらお芝居をしたい

村上順一

河村花

――ドラマ『女神の教室~リーガル青春白書~』に出演が決まったときの心境は?

 月9ということもあり、すごくうれしかったです。ドラマにガッツリ出ることもそんなに多くなかったので、毎回しっかりセリフがあって、ついにチャンスが回ってきたと思いました。台本を頂いてから意識が変わって、「月9に出れる!」という喜びから、この作品がすごく好きになって、伝えなければいけないことがたくさんあるなと思いました。そこから、向日葵という役に向き合い始めて、台本を読むことはもちろんなのですが、衣装合わせや髪型を変えたりしたことで、徐々に向日葵になっていった感覚があります。

――過去のインタビューで、前髪の長さでできる役が変わってくる、前髪が目に掛かれば暗い役もできる、とお話をされていたのですが、髪型もすごく重要な要素になっているわけですね。

 そうなんです。前髪の長さで意識はすごく変わります。見える視界が変わってきます。私はすごく色んなものに影響されるタイプなのですが、髪型だけではなく衣装もそうなんです。今回着ている服ってモコモコしていて、それがちょっと縮こまっている感覚になれるので、お芝居を円滑に進められる要因になっています。

――誰と共演するかも大きそうですね。

 はい。人やアイテムなどに影響されて、それがお芝居に反映できたらいいなと思っています。敏感に相手を見ながらお芝居をしたいんです。

――となると北川景子さんからも大きく影響を受けている部分もあって。

 たくさんあります。北川さんが長セリフをしゃべるシーンがあるのですが、そのセリフを聞いていたら感情が込み上げてきて、目がウルウルしてきてしまって。向日葵に向けたセリフではなかったのですが、北川さんが演じられている柊木雫だからこそ、心が揺れたのかなと思いました。そうしたら、北川さんが「あの時、目、潤んでなかった?」って(笑)。北川さんが話すと真っすぐなんです。それをそばで見ていてすごく感じました。北川さんは私のことを「真っすぐだよね」と仰(おっしゃ)ってくださったのですが、私は北川さんの方が、真っすぐなお芝居をされる方だなと思います。なので、直接心に響いてくるのかなと思いました。

――共演されている高橋文哉さん、前田旺志郎さん、前田拳太郎さん、南沙良さんは同年代ですが、そこからの影響は?

 同年代だからこそ話せることもたくさんありました。この場面は何でこうなるの? とか、なぜああいったしゃべり方をしたのか、など聞いてみたり、お芝居の話をよくします。あと、自分の中で答えを持ってはいるんですけど、私も相談に乗ってもらったり。このセリフはどう捉えたら良いのかなど、色んな捉え方が知りたくて、みんなに聞いたりします。

作品の中にあるメッセージを届けられる役者に

村上順一

河村花

――本作の撮影で河村さんが一番心掛けていることは?

 たくさんあるんですけど、一番かあ...。言葉を伝えなければというのはすごく意識していて、滑舌など大事にしています。監督さんからも言われたことなんですけど、自分の中だけで完結しないで、周りを巻き込んでいくようなお芝居をしてほしいって。1話で模擬裁判のシーンがありましたけど、そこでも引き込めるようにというのは、すごく考えていました。

――現在放送されている回は、けっこう前に撮影を終えられていると思いますが、こうやって映像として観ると新たな発見とかありました?

 それが、そんなに時間が経(た)っているような感じがしていないんです。撮影が始まってから3カ月くらい経っているのですが、あっという間だったと感じています。それもあって1日1日を大切にしなければと思っています。

――向日葵と河村さん、共通する部分はありました?

 自分では向日葵のような面はないと思っていたのですが、役と向き合っていくうちに、自分にもそういうところがあったんだ、という気づきがありました。私は夢、芸能活動を頑張るということを一直線にやってきましたし、夢や目標を持って日々過ごしています。向日葵はまだそれを見つけられていないというのは、私と違うのですが、柊木先生など周りからの言葉で、ここからどう行動していくのか、というところで共感がありました。

――最初の頃は、中途半端な気持ちでロースクールに通っている感じですよね。

 目的がないとやる気が出ないというのは、向日葵と同じかもしれないです。自分の中でそれをやる理由を見つけられなければ、やれないタイプなんです。人から「これをやりなさい」と言われても、自分で納得できないとなかなか難しいです。向日葵が父親からロースクールに通うことを強制させられているので、やる気が起きないというのは、その気持ちは理解できましたし、共感できました。

――さて、主題歌がVaundyさんの「まぶた」ですが、聴いていかがでした?

 Vaundyさんの曲が主題歌なんて、最高だなと思いました。Vaundyさんは、今回の「まぶた」以外の曲もよく聴いています。私の出演が決まったタイミングで、Vaundyさんにたまたまお会いできて、ご挨拶することができてうれしかったです。女神(テミス)像が目隠しをしているんですけど、そこからヒントを得て<目を閉じあうことで 少しずつわかるように なるかもね>、<背で受け合う先で 見つめ合い 生きられる>という歌詞になったとお聞きしました。

 ただ、私はこのドラマって人のことをすごく見ていると思っていたので、歌詞を見たとき、私の考えと真逆だなと思いました。それが最初の印象だったのですが、ドラマが回を追うごとに、Vaundyさんがもっと奥深いところまで感じて歌詞を書いていたことがわかり、聴けば聴くほど歌詞が深くなっていく、発見がある曲だと思いました。

――最後に、役者としてどんなことを追求していきたいですか。

 しっかり作品の中にあるメッセージを届けられる役者になりたいと思っています。今回の「女神の教室」を撮影している中で、今を生きている人たちにしっかりと伝えていかなければいけないと思いました。共感してもらえる言葉、人生が変わるような言葉が作品の中にたくさんあって、それを伝えられる人になりたいと、強く思っています。

――特にそう感じた瞬間は?

 撮影の中で、スタッフさんが動いているのを見て、役者だけで作品を作っているわけではない、ということを強く感じました。皆さんが作り上げてきた台本の中にあるメッセージを、私たち役者がしっかりと伝えなければいけないんです。それを大切に活動をしていきたいと思っています。

(おわり)

この記事の写真
村上順一
村上順一
村上順一
村上順一
村上順一

記事タグ 

コメントを書く(ユーザー登録不要)

関連する記事