『閻魔堂沙羅の推理奇譚』にゲスト出演する村上淳(NHK提供)

 中条あやみが主演するNHKドラマ『閻魔堂沙羅の推理奇譚』(総合:土曜よる11時30分、再放送:翌週土曜午前1時)の第6回(12月5日放送予定)に、村上淳が刑事・武部建二役でゲスト出演する。役柄にどのような思いで向き合ったのか。

 ミステリー作家・木元哉多氏の人気シリーズのドラマ化。閻魔堂の主・沙羅(演・中条あやみ)が生き返りを願う亡者に、誰に、なぜ、どのように殺されたかを推理させるゲームを仕掛ける。被害者に、自分で自分の殺人事件の真相を解決させる、異色のオムニバスミステリードラマ。

 5日放送の第6回では、閻魔大王の娘・沙羅(中条あやみ)のもとに、刑事の武部建二(村上淳)がやってくる。

 犯人逮捕のためなら暴力もいとわない武部は、気弱な後輩の森野(上川周作)とタッグを組み、ある殺人事件を捜査中。武部の機転で事件は解決したかに思われたが、武部は帰り道で何者かに腹部を刺されて殺されてしまう。閻魔堂で沙羅から「最後の事件の犯人はえん罪」と聞かされ、武部は事件解決のため、生き返りを熱望。推理ゲームに挑戦することに。

 ◆武部建二・役柄 43歳。刑事。死因・刺殺。大阪府警の刑事。有能であるが、事件を解決するためには手段を選ばないタイプ。こうと思った容疑者にはしつこく食らいつく。新人の森野の教育係を任されたが、“毒”のない森野は刑事には向かないと思っている。沙羅いわく“犬”。

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村上淳インタビュー

――今回、よるドラ『閻魔堂沙羅の推理奇譚』に出演することが決まったときのお気持ちは?

 毎回主演の中条あやみさんと、異なるゲスト出演者が対じするオムニバスドラマに、自分も参加できることはうれしかったですね。僕はカメラの前では新人もベテランもフェアにやれる役者という商売が好きなんです。その中で今回、オムニバスドラマという枠組みの中で、同じ作品に参加して、同じ方向に向き合った、他の出演者の方々がそれぞれの役柄をどう演じるのかもとても気になりましたね。

――ご自身の役柄についての印象や、役のここに注目してほしいという点は?

 僕の演じる武部という刑事は、事件を解決するためには手段を選ばないタイプの男です。現場ではシンプルに、乱暴に演じようと思いました。ただ乱暴に演じると言ってもテレビドラマなので、セリフはちゃんと聞き取ってもらえるように丁寧においていかないといけない。その部分は抑えつつ、“身も心も現場に放り投げる”ことを意識して役にアプローチしました。

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――劇中では大阪ことばでの熱演も印象的ですが、お芝居はいかがでしたか?

 僕は生まれが大阪府枚方市なんですけれど、幼稚園の頃にはもう東京で生活するようになったので、普段はしゃべれないんですよ。でも20代から大阪ことばの役をもらうようになってこれまで何度も演じてきましたが、大阪ことばの中でもガラの悪い大阪ことばは僕、得意なんですよ(笑)。日常会話程度のイントネーションは耳がキャッチしていましたし、現場には丁寧なことば指導の方もついてくださったので、やりやすかったですね。やっぱりその土地のことばでしか伝えられないことというのは多々あるので、演じていても面白かったですよ。

――収録現場の印象や、主演の中条さんとの共演はいかがでしたか?

 新型コロナウイルスの感染対策が徹底されていたのがありがたかったですね。このコロナ禍の中で、スタッフの皆さんは本当に大変だと思うんですよ。例えば持道具さんは現場の感染対策のために薄いゴム手袋をつけていたんですよね。手袋の中は汗でビショビショなわけですよ。それでも対策を徹底してくれている。俳優って、スタッフの皆さんの情熱とか気配りを本番へのエネルギーに変えられる人間たちなので。そういう意味では、役者にとって本当にすばらしい環境だったなと思います。

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 中条あやみさんとお会いするのは初めてでしたが、中条さんのことはもちろん前から存じ上げていてスクリーンでも見ていました。撮影中は時間がなくて、あまりお話ができませんでしたが、現場で中条さんが沙羅という役を真剣に模索している姿を見ていたので、その誠実さが印象に残っています。中条さんの、現場での姿勢や役にアプローチしていくエネルギーを肌で感じて思ったのは「若いのに偉いなぁ」と。自分が中条さんと同じ年代の頃は、もう少し的外れなことをやっていたかもなぁ…なんて思っていました。

――放送を楽しみにしている視聴者の方々へのメッセージをお願いします。

 俳優の演技だけでなくて、制作陣が仕掛ける映画的な演出にも注目していただければと思います。あと撮影・照明がすばらしかったです。僕も視聴者のみなさん同様、放送を楽しみに待ちたいと思います。

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