ドラマ「弱虫ペダル」や2.5次元舞台「テニスの王子様2ndシーズン」などで注目を浴びる若手注目株の小越勇輝が、人気シリーズの最新作『人狼ゲーム デスゲームの運営人』に主演した。同作はシリーズ初、男性を主人公に据え、人狼ゲーム運営人の裏側もスリリングに描くシリーズ屈指の野心作で、小越は運営人である主人公・正宗役を確かな演技力で体現する。
ネクスト・ブレイク必至の若手キャスト陣も集うなか、“運営人/9人の参加者/運営側の裏切り者”の思惑が交差する予測不能のデスゲームが見もの。インタビューに応じた小越本人も、「今までのシリーズを観てきた方たちももちろん楽しめると思いますが、人狼ゲームの参加者の緊張感、生死を賭けたサバイバルゲームが見ものです」と自信を持って本作を送り出す。また、この映画の話題だけでなく、シチュエーションによって聴き分けている音楽など、さまざまな話を聞いた。【取材・撮影=鴇田崇】
初主演に気合い
――今回の映画は、単独で初主演だったそうですね。
そうですね。初主演ということでの気合いはもちろん入りましたし、最初は驚きが大きかったです。今まで僕自身も映画『人狼ゲーム』のシリーズは観ていたので、いつか出て観たいなあとは思っていたんです。だから、その作品のお話をいただいたということ、その主演だったということ、そのふたつでダブルで驚いてしまいました。
――このシリーズのどこに魅力を感じて観ていたのですか?
最初は本当に軽い気持ちで観始めまして、というのも自分と同年代の俳優たちがたくさん出ていたので、そういう興味で観始めたんですよね。僕が知っている人狼ゲームは遊びでやるようなもので、軽いノリでやっていましたが、この作品は命を賭けたゲームなので、命を賭けた緊張感や緊迫感がありますよね。そういうところに魅力を感じていました。
――今回は運営側が初めて登場しますよね。
今までは人狼ゲームの参加者にスポットが当たっていたものが、今回は運営側にスポットが当たるので、どういう展開になるのだろうっていう、まずそこが楽しみではありますよね。僕自身も楽しみでした。だから演じた正宗はデスゲームを運営するわけですから、どういう人間性なのだろうか、非道なのかどうか、最初は悩みましたが、脚本を読み進めているうちに自分が思っていた以上に人間らしく、人間的な感情があったので、そこは意外というか、予想とは違った要素ではありました。それこそゲーム感覚でお金儲けしているだけかもしれないと思っていたので。
――人間ドラマの側面も濃いですが、共演者のみなさんと方向性を確かめあったりもしたのでしょうか?
最初に監督としっかりお話をしましたが、原作者の方でもあるので、わからないことはすべて聞けるいい環境ではありました。そういう意味ではやりやすい、自由度の高い現場だったと思います。なんとか事前に理解しなければいけないということはなかったので、安心感はありましたね。僕としては、監督が作りたいものをどう作り上げるかという点が大切だったので、正宗というキャラクターの心情も含めて、大事に演じました。
見えないゴールへ向かうことに面白味
――ところで俳優の仕事については今、楽しめていますか?
もちろんです。こういうお仕事なので不安に感じることはありますし、自分が出演する作品について自分で発信したり、今日みたいに取材を受けたりしますが、そういうことも楽しめています。自分ができることをいろいろと考えながらやっていますが、そうじゃない時間は受け身というか待っていないといけないので、そういう時間に不安は少なからず生まれもしますが、自分が好きでやっているという気持ちが一番強いので、そこは見えないゴールのなか、何を表現できたら正解か成功かわからないですが、そこへ向かって進める面白味もあるのかなって思っています。
――不安と期待がない混ぜになっているような感じですね。
不安はありますよね。でもその不安な感じや揺れ、確信でないものなどが、逆にこの仕事の面白さでもあるんですよね。
音楽の接点
――多忙な日々だと思いますが、音楽を聴いて気持ちをあげたりはしますか?
日頃たくさんの情報を追いかけたりするほうではないのですが、昔からよく聴いているアーティストさんは、RADWIMPSさんですね。中学生くらいから音楽はよく聴いていて、僕は何も考えず気分で音楽を聴きますかね。音楽を聴いて何かを発散したい時はメタリカなどのヘヴィメタ系。ジャズを静かに聴くこともあります。その時の気分によって、ですね。
――役作りの一環で音楽を聴いたりは?
舞台で「サイケデリック・ペイン」というロック オペラをやらせていただいた時には、それこそロック系を毎日聴いていました。メタリカ、BOφWYさん、ONE OK ROCKさんなどを繰り返し聴いていました。稽古の前後も聴いて、気持ちを高めていましたね。
自分の気持ちには正直に
――俳優として今、課題に感じていることはありますか?
自分の気持ちには正直でありたいですよね。そういうピュアな感じは忘れないでいたいですかね。あとは、頼られる大人になりたいです(笑)。たとえば後輩のほうから来てくれるとよいのですが、自分から声はなかなかかけれないほうで…自粛もあってご飯に行くような機会もめっきり減って、さらに交流が少なくなりましたが。もともと周囲のことを見るタイプなんですけど、もう少し大人になりたいなって思います。
――今回の作品、ファンの方にはどうアピールしますか?
今までのシリーズを観てきた方たちももちろん楽しめると思いますが、人狼ゲームの参加者の緊張感、生死を賭けたサバイバルゲームが見ものです。今回は運営にもスポットが当たっていて、僕が演じる正宗は周囲に悟られないように夏目柚月を助け出そうとします。そういうドキドキ感も加わっていますので、そこはぜひ二倍、三倍と楽しめると思います!
(おわり)
スタイリスト 小田優士
ヘアメイク 小竹珠代
タイトル:『人狼ゲーム デスゲームの運営人』
クレジット表記:(C) 2020「人狼ゲーム デスゲームの運営人」製作委員会
公開表記:11月13日(金)よりシネマート新宿・心斎橋ほかにて公開
配給:AMGエンタテインメント
キャスト:小越勇輝、中島健、ウチクリ内倉、坂ノ上茜、桃果、山之内すず、福崎那由他 ほか