<記者コラム:オトゴト>
 今回はライブについて綴ってみたいと思う。筆者はライブの取材だけで年間約100本は観覧している。場所はドームクラスから、100人ぐらいのライブハウス、ジャンルもクラシックからポップスまで多種多様だ。

 まだ、レコードなどの記録媒体がなかった頃は、ライブが主な音楽を聴くことができるコンテンツだったのは周知の通り。音楽とライブは切っても切り離せないものとなっている。逆にCDやレコードなどはライブに行けない人のためのものだったという話もある。それが年月を経て、ライブと同等な位置にまでメインコンテンツとしての地位を築き上げてきた。

 だが、昨今音源の売り上げは減少、ライブの動員は変わらずの安定度を見せる。逆にライブで聴いて音源を購入するスタイルに戻ってきている感も。アルバムのリリース前にツアーを始め、新曲を何曲も投入し、ツアー中にアルバムをリリースするアーティストもいる。

 ワンマンライブやフェスなどライブの形態も色々あるが、アーティストの底力、本領が発揮されるのはツーマンライブ以上のイベントだと思う。ワンマンは自身のファンが多く集まるため、多少のことでは盛り上がらないなんてことはないだろう。しかし、これが2組以上となると、当たり前だが、自身のファンではない観客も多く含まれてくる。そこでどれだけ多くの人を魅了できるかが勝負となってくる。

 しかも、最近ライブはツーマン形式のツアーが多いと感じている。なんでも海外ではワンマンツアーというものは少なく、オープニングアクトも含め、いくつかのバンドでツアーを回ることが多いという。それが日本でもここ何年かでその傾向がより強くなったと感じている。

 これはミュージシャンの実力の底上げには格好のスタイルだと思う。切磋琢磨し、お互いから良いものを吸収、最終的にワンマンをおこなえるような動員数を獲得できる可能性も。逆に言えば、観客を取られるというリスクも忘れては行けない。そんな緊迫した空間でもあるメジャーアーティスト同士の対バンライブが今面白い。【村上順一】

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