数々のラジオ番組でパーソナリティを務める音楽評論家・富澤一誠氏のもとに、『在宅ブルースマン』と名乗る、名前も、年齢も、職業も一切不明の覆面アーティストから一本のデモテープが届いた。

そのデモテープに収録されていたのは「俺はバイキンじゃねえ!」という曲で、おそらく定年間近のサラリーマンがコロナ禍で感じた世の中に対する憤りと、それに相反する『在宅業務』という昭和世代には経験したことがない状況で感じた家庭での悲哀に対し、まさに鬱積した思いを晴らすような歌詞がソウルフルに歌われていた。

そんな歌声とシニカルな歌詞に共感を覚えた富澤氏は、自身がパーソナリティを務めるレギュラーラジオ番組(FM:NACK5「Age Free Music」)で即座にオンエアしたところ、多くのリスナーからの反響だけでなく、音楽専門誌の「Player」の編集後記に『世情を歌うのがポップミュージックの面白さであり使命でもあるよな(Player2020年10月号編集後記より)と取り上げられるなど話題となり、今年の4月に配信限定にて急遽リリースされた。

この楽曲に出会いリリースするきっかけを作った、音楽評論家の富澤一誠氏は、「巷に音楽はあふれているがコロナ禍時代を象徴する歌がなく『いかがなものか?』と思っていた矢先に聴こえてきたのがこの歌だ。この<在宅ブルースマン>の6人のメンバーはいずれも大手企業に勤めるエリートサラリーマンだが、ひとたび背広を脱ぎ、ブルースをやらせたら熱いミュージシャン揃いで、モットーは『1曲入魂』『歌のマグマが熱い』。彼らは月曜から金曜まではサラリーマンとしての勤めをきっちりこなし、仕事終わりやたまの休みに古くからの仲間たちとバンドを組んで曲作りやライブを行うのがルーティンだった。しかし、それがコロナ禍で一変。在宅を余儀なくされたが転んでもただでは起きない彼らのこと。だったら在宅&リモートでやろうと在宅バンドになったのだ。4度目の『緊急事態宣言』が発令され、またしても自粛生活を余儀なくされている私たちの心からの叫びは『俺はバイキンじゃねえ!』ではないだろうか。コロナ禍時代の『歌のワクチン』がずばり“俺はバイキンじゃねえ!”である」とコメントした。

この「俺はバイキンじゃねえ!」は、現在各音楽配信サイトにて配信中となっているが、多くの反響が寄せられていることから、この度ミュージックビデオが制作されYouTubeにて公開された。

「俺はバイキンじゃねえ!」と歌う<在宅ブルースマン>と、おそらく同世代を生きているであろう中高年世代の方々に聞いて頂きたい一曲だ。

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