昨年6月30日に9周年を迎えた『ラブライブ!シリーズ』に登場するスクールアイドルが、一堂に会したイベント『LoveLive! Series 9th Anniversary ラブライブ!フェス』が1月18日と19日に埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催した。μ'sを始め、Aqours、Saint Snow、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の4組、計29名が出演(近江彼方役の鬼頭明里は18日のみの出演)。国内外ライブビューイング含め2日間で合計15万人を動員し、Day2の終演後には『ラブライブ!シリーズ 新プロジェクト始動!!!』を発表。変わらぬ人気の高さを見せつけたと同時に、更なる盛り上がりを予感させるイベントになった。【取材=榑林史章】

ニジガクソロ、Aqoursユニット、Saint Snowも登場

Aqours

 『ラブライブ!シリーズ』は、「みんなで叶える物語」をキーワードに、アプリゲームやTVアニメをはじめとしたオールメディアで展開するメディアミックスプロジェクトで、役を演じるキャストたちがリアルライブを行うことで人気。2013年からTVアニメ『ラブライブ!』の放送がスタートするや劇中のスクールアイドルグループ=μ'sの人気が爆発し、ファンを指す「ラブライバー!」という流行語を生む社会現象になった。その後も、一昨年の『第69回紅白歌合戦』に出場したAqoursが話題を集め、現在はTVアニメ制作決定が発表された虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会に期待が高まっている。そんな人気グループが一堂に会するとあって、世代を越えた多くのファンが会場に詰めかけた。

 『ラブライブ!シリーズ』の9年の歴史を紹介するOPムービーの後、「ラブライブ!フェスへようこそ!」と、集まったファンを出迎えたAqours。背中に蝶の羽根を生やした衣装で「未体験HORIZON」を歌い、会場は一瞬で『ラブライブ!シリーズ』の世界に染まった。

 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会は、ステージから観る絶景を前に、「これがエモいというものだね〜」と感無量といった様子。「こんな素晴らしいステージに立たせていただけて光栄です」と、喜びを噛みしめた。そんなニジガクは「TOKIMEKI Runners」など9人による楽曲の他、2日目の19日にはメンバー5人がソロ曲を披露した。まるでミュージカルのように「あなたの理想のヒロイン」を歌った前田佳織里(桜坂しずく役)。指出毬亜(エマ・ヴェルデ役)は、民族音楽を取り入れた「Evergreen」を歌い、グリーンのライトで染まった客席がまるで大草原のようだ。相良茉優(中須かすみ)は「ダイアモンド」で、<LOVEかすみん>を観客とコール&レスポンス。村上奈津実(宮下 愛役)がポップナンバーの「めっちゃ Going!!」を歌うと、天井からオレンジ色の風船が舞い、楠木ともり(優木せつ菜役)が歌うロックチューンの「CHASE!」では、ステージに炎が噴き上がる演出で魅せた。ソロ曲はどれも個性に溢れ、これまでの『ラブライブ!シリーズ』にはなかった、ニジガクならではのオリジナリティが発揮されていた。

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

 ユニットパートでは、Aqours内の人気ユニットが次々と登場。まずは伊波杏樹(高海千歌役)、斉藤朱夏(渡辺 曜役)、降幡 愛(黒澤ルビィ役)によるCYaRon!は、フラッグを使ったパワフルなパフォーマンスで魅せる。フローターで会場を巡りながら、リボンの付いたステッキを振って可愛くパフォーマンスした、諏訪ななか(松浦果南役)、小宮有紗(黒澤ダイヤ役)、高槻かなこ(国木田花丸役)によるAZALEA。そして逢田梨香子(桜内梨子役)、小林愛香(津島善子役)、鈴木愛奈(小原鞠莉役)によるGuilty Kissは、小悪魔っぽい雰囲気で観客を魅了し、バキバキのダンスとハイクオリティのボーカルに会場は大歓声で包まれた。そして劇中ではAqoursのライバルとして登場する田野アサミ(鹿角聖良役)、佐藤日向(鹿角理亞役)によるユニットのSaint Snowは、ハードなロックサウンドとラップによるエネルギッシュなステージを展開。Aqoursとはひと味違った楽曲の数々で、Aqoursの懐の深さが感じられるコーナーになった。

会場がオレンジに染まった「Snow halation」

μ's

 μ'sが登場すると、会場に割れんばかりの歓声が響いた。μ'sが9人揃ってステージに立つのは、2016年3月31日・4月1日にワンマンライブファイナルとなる『ラブライブ!μ's Final LoveLive!〜μ'sic Forever♪♪♪♪♪♪♪♪♪〜』を東京ドームで行って以来のこと。「9年分のありがとうとおめでとうの気持ちを込めてパフォーマンスします」と語り、『ラブライブ!』TVアニメメドレーでは名曲を一気に披露した9人。自己紹介では、久しぶりのせいかちょっと噛んでしまう場面もあったがそれもご愛敬で、ファンの見事なレスポンスに満面の笑みで返していた。ラストに「Snow halation」を披露すると、会場はファンが灯すオレンジのまばゆい光に包まれた。大歓声を浴びながら、ステージでは見つめ合ったり手を繋いで花道を走ったりと、実に嬉しそうな表情のメンバー。μ'sの9人が揃う日を夢見ていたのは、ファンだけではなくきっとメンバーも同じ。ブランクを感じさせない息の合ったパフォーマンスで、圧倒的な存在感を見せつけた。

Aqours

 Day2のトリを務めたAqoursは、「さいたまスーパーアリーナに向かって全速前進!」と、巨大な帆船“Aqours Ship 9th Anniversary号”に乗って登場。三三七拍子を打って会場が1つになった「届かない星だとしても」、「WATER BLUE NEW WORLD」では会場がブルーのライトで埋め尽くされ、まるで大海原にいるような幻想的な雰囲気が目の前に広がった。最後には、「私たちの始まりの曲でデビュー曲です」と紹介して、「君のこころは輝いてるかい?」を熱唱。前向きで元気いっぱいのこの曲に、観客はコーラスを一緒に歌い、かけ声や合いの手をかけるなど全力でメンバーを応援し、<イエー!>と声を合わせると会場にはテープが発射。さいたまスーパーアリーナが、まさしく1つになってイベントを締めくくった。

 イベントを終え、ニジガクは「ドキドキして不安だったけど、ラブライブがもっと好きになった」、Saint Snowは「どのメンバーも欠けることなくここまで来られたのはみんなのおかげ」、Aqoursは「会場に“好き”という気持ちが溢れて最高の2日間でした」とコメント。μ'sの新田恵海は、「ただいまとは思っていません。なぜならいつもみんなの側にいたから。9年分の感謝とおめでとうの気持ちを込めて、この言葉を言わせてください。μ'sic Forever♪♪♪♪♪♪♪♪♪」。決して終わることのない、μ'sらスクールアイドルの物語に、この日新たな歴史が刻まれた。

ライブの模様

 イベント終了後、速報として『ラブライブ!シリーズ 新プロジェクト始動!!!』が発表。詳細は1月30日発売「LoveLive! Days ラブライブ!総合マガジン Vol.05」にて明かされるそう。また、ラブライブ!シリーズ公式チャンネルにて、3月25日発売のμ'sアニメーションPV付き新規シングル「A song for You! You? You!!」の試聴動画が解禁になった。

 (C) 2013 プロジェクトラブライブ!
 (C) 2017 プロジェクトラブライブ!サンシャイン!!
 (C) プロジェクトラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

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