東京・渋谷Star loungeでメジャーデビューの前祝いとしてワンマンライブ『お祝いさせてあげまショー』をおこなったコレサワ(撮影=小坂茂雄)

 女性シンガーソングライターのコレサワが6月1日に、東京・渋谷Star loungeでメジャーデビューの前祝いとしてワンマンライブ『お祝いさせてあげまショー』をおこなった。8月9日にリリースされるアルバム『コレカラー』がメジャーデビュー作になることを発表。終始ハイテンションで汗が噴き出るほど激しいライブを見せ、喜びを全身で表現した。デビュー前から変わらず応援してくれているファンたちとこれからも変わらず音楽を届けていくことを誓うように、丁寧に16曲を披露し、熱い一夜を演出した。

オッサンは男子じゃないんで!

ライブのもよう(撮影=小坂茂雄)

 メディアでの顔出しはNGだが、ライブは別もの。彼女らしいピンクの衣装でギターを提げたコレサワが登場すると、会場には割れんばかりの拍手と歓声が響いた。

 疾走感のあるサウンドの「トーキョー」では、客席に手拍子とともに「ヘイヘイ」とかけ声が上がり、「バックアップ」は独特なキーボードの音とギターのリフが印象的に鳴り響く。レコーディングもともにしている女性メンバーによるサポートバンドは、超絶テクニックでコレサワの歌を支え、ガレージロックやオルタナロックのような荒々しいサウンドで、ロックファンの心もくすぐった。

「君のバンド」では、<ちっともちっとも♪>というサビを、コレサワの「男子?!」「女子?!」の声に合わせて、観客とともに合唱。男子に声を掛ける時には「男子とは呼べないオッサンも歌ってるけど、オッサンは男子じゃないんで!」と、辛口なコメントも。そんな歯に絹着せぬキャラで笑いを取りながら、コレサワのライブは進む。

 続いての「お姉ちゃんにだけ部屋があったことまだ恨んでるのかな」では、「就職が決まった弟がいまして。その弟から“姉ちゃんは、いつまでもフラフラして”と言われるので、弟を見返してやろうと思って作りました」と曲紹介。曲中では、コレサワのライブでは定番となった“兄弟コール&レスポンス”が会場に響き渡った。これはライブでよく見る「1階?」「2階?」「アリーナ?」の要領で、「長男?」「長女?」「ひとりっこ?」とコレサワが叫ぶと、自分の当てはまるところで観客が声を出すというもの。

うちの今持ってる才能を全部出した

ライブのもよう(撮影=小坂茂雄)

 後半戦、「明るい曲はもう最初のほうに全部やっちゃったんで、後は暗い曲しか残ってません。あ、うそうそ、あるよ。あるけど(笑)」と、冗談を交えたMCで始まったのは、前言通りしっとりとした弾き語りで始まる「右耳のピアス」。「女子諸君」は、<勝負下着がヨレヨレになった♪>という冒頭のフレーズが秀逸で、女の子ならではの気持ちを、そっと優しく頭を撫でるような癒やしの歌声で披露した。

 勝負下着もそうだが、恋人との情事のことなど、あまり人には言うことではないが、実は同じように思っている人が意外にいたりするもの。身近な友だちや家族には言いづらいが、SNSを通した見知らぬ誰かであれば気にせず言えてしまう、そんな間接的な共鳴性がコレサワにはあるように思えた。観客はジッとコレサワの歌詞に耳を傾けながら、自分では人に言えなかった何かを見つけては「あるある!」と頷くように曲に聴き入っていた。

 メジャーデビューについて「まだデビューもしていないのに、こんなに大勢集まってくれて、どうしよう? もしもこれでデビューがなくなりました! なんてことになったら、恥ずかしすぎてもうライブに出られへん(笑)。でも、『デビューして良い方に変わったね』と言ってもらえるようにと頑張ります」と、語ったコレサワ。

 「うちの今持ってる才能を全部出した」というメジャーデビューアルバム『コレカラー』に収録の、決意表明曲「これから」は、サビが行進曲のような前に突き進む雰囲気。スケールがどんどん大きくなるサウンドに乗せて、<これからも言葉に頼って行くでしょう♪><これからもしょうもないけどいとしい愛を歌っていくでしょう♪>と歌い、楽曲の中でメジャーに行っても、今と変わらぬコレサワであることを観客を前に誓った。(取材=榑林史章)

セットリスト

『お祝いさせてあげまショー』

2017.06.01@渋谷Star lounge

1.わんちゃん
2.トーキョー
3.シティーガール
4.バックアップ
5.君のバンド
6.お姉ちゃんにだけ部屋があったことまだ恨んでるのかな
7.シンデレラ
8.悪いユメ
9.最終電車
10.洗濯物
11.たばこ
12.右耳のピアス
13.女子諸君
14.これから
15.あたしを彼女にしたいなら

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