みみめめMIMIの新たな世界観、ポップなメロディに込めた哲学観
INTERVIEW

みみめめMIMIの新たな世界観、ポップなメロディに込めた哲学観


記者:桂 伸也

撮影:

掲載:16年08月15日

読了時間:約18分

「晴レ晴レファンファーレ」をリリースする新世代視聴覚ユニット、みみめめMIMI

「晴レ晴レファンファーレ」をリリースする新世代視聴覚ユニット、みみめめMIMI

 ボーカル、作詞・作曲、ピアノを手掛けるタカオユキと、イラストレーターのちゃもーいによる新世代視聴覚ユニット、みみめめMIMIが、8月17日に新曲「晴レ晴レファンファーレ」をリリースする。

 昨年末頃にリリースしたシングル「天手古舞」から、それまで見せていたメルヘンチックかつセンチメンタルなイメージから一転、ポップでアクティブなイメージを披露しているみみめめMIMI。特に前回シングル「チャチャチャ」では、新たにプロデューサーとしてCHRYSANTHEMUM BRIDGE(編注=SEKAI NO OWARI、ゆずのプロデュースを担当)を迎え、サウンドイメージにも革新を見せており、本作でも、そのタッグで明るく前向きな雰囲気を目いっぱいにたたえたサウンドを聴かせている。さらに、ちゃもーいの描くイラストの世界観も、新たなアングルを捉えたポートレートで、みみめめMIMIの世界に新たなカラーをもたらしている。

 また本作は、アニメ『甘々と稲妻』の主題歌にも使われており、その物語を想像させる世界観も表現している。一方で、近年ライブ活動をおこなう機会も増えており、楽曲やイメージなどでアクティブなイメージを見せつつある方向とも同調しているようだ。

 新たなシングルはまさにそのさまざまな要素が重なり合い、大きな進化を遂げている。また、好対照を見せるカップリング曲「1メートル」、センチメンタルな雰囲気とともに、ライブ感満載の弾き語りを聴かせる「CANDY MAGIC~Piano Live Version~」と、カップリングにも深い興味を覚えさせる構成となっているこのシングル。今回はこの新曲を作り上げた経緯から、どのようにみみめめMIMIが新たな世界を切り開いたのか、その様子をタカオ へのインタビューから追ってみた。

「晴レ晴レファンファーレ」は「小さな幸せ」をテーマにした曲なんです

――アニメ『甘々と稲妻』(読売テレビほか)の主題歌としても使用されている新曲「晴レ晴レファンファーレ」についておうかがいしたいと思います。まず「ファンファーレ」という言葉に強い印象を感じたのですが、これはどんなものをイメージされたのでしょうか?

 行進曲のイメージです。何かが始まるときに、トランペットなんかが演奏して、華やかに祭典のように始まる音楽のことをいうんですけど、この曲がみんなの一日の始まりとして、行進曲みたいなものになったらいいな、って。そんな思いを込めて、ファンファーレという言葉を使いました。

――そういうイメージを最初に打ち出そうと考えたのは、何かきっかけがあったのでしょうか?

 明るく晴れやかで、みんなでスキップしたくなるようなイメージを、最初から考えていました。「甘々と稲妻」のキャラクターのつむぎちゃん(主人公=犬塚つむぎ)がすごくかわいくて元気だから、つむぎちゃんが一緒に歌ったりスキップして聴いたりできるような、同時にお父さんのような大人の人も楽しめるような、そんな曲にしたいと思ったんです。それで「行進曲のような曲になればいいな」と。実は最初に「パレード」とかいう言葉も候補にあって、結構悩んだんですが…。

――そこでみみめめMIMI風のスタイルがバン!と出るような感じで?

 そうですね。でも今回の曲は、自分たちらしくもありたい、一方で自分たちの殻を破りたいという思いもあり、複雑な気持ちでもありました。軽快な感じという面で。私の作った曲で軽快なものって、それほどなかったと思うんです…。ポップで明るいものはあったかもしれませんが、結構複雑な曲が多いし。それに対して「小さい子でも歌える」ような、軽快な感じのノリの曲にしたいな、そう考えて結構メロディなんかも今までとは違う攻め方をしました。

――ではまさしく、シンプルイズベストみたいな方向で、ということでしょうか?

 確かにその方向で。でも、もちろんその中で、例えば落ちメロというかBメロみたいなところで「サビとほぼ同様のコード進行だけど、メロディは全く変える」みたいな、自分の中で新しい挑戦をしたところもあります。

――なるほど。割と今まではサビの部分は3-6-2-5(通例でよく使われる基本的なコード進行の一つの呼称)みたいなシンプルなコード進行が多いと感じていましたが、今回はところどころ隠し味を入れていると感じました。これはやっぱり前回から共作されているプロデューサーさん(CHRYSANTHEMUM BRIDGE)の影響もあるのでしょうか?

 あると思います。レトロ感もちょっと入れて、大人の方にも「おっ、これなんか懐かしい」と思ってもらえるような、普遍的なものになるといいなとも思ったし、前回「チャチャチャ」でプロデュースをお願いした際に、私の歌声やちゃもーいのイラストとすごく相性が良いと思いました。この曲にふさわしい華やかなサウンドにしてもらう一方で、イントロではギターのメロで軽快な感じにしてもらったり。レコーディングのときにもいろんな化学反応が起きましたね。プロデューサーさんが私のデモに対して、そんなイントロを作ったり、それを聴いて私がコーラスで「シュビドゥバ…」みたいなコーラスを入れたり。さらに私が「ファンファーレ」というタイトルを最後に決定したときに「じゃあ」と最後にトランペットを足してもらったとか、お互いキャッチボールみたいな、すごく良い方向に曲が仕上がっていく過程がありました。

――また新しい扉を開けた感じですね。しかし「晴レ晴レファンファーレ」という曲と、カップリングの2曲の雰囲気はすごく対照的でもありますよね。特に「晴レ晴レファンファーレ」で言いたいことなどはあったのでしょうか?

 「晴レ晴レファンファーレ」は、「小さな幸せ」をテーマにした曲なんです。原作では、料理ができないお父さんが娘に一生懸命料理を作る物語なんですけど、心が温まる物語で笑顔にもなるけど、不思議と涙も出てくる、そんなお話。だから原作の漫画を読んだときに、私の曲も何かそういう小さな日常の幸せを表したいなと思ったんです。

――アニメをこの前初めて見しました。つむぎちゃん、本当にかわいいですよね!

 ですよね~!(笑)。かわいくて癒されます。でも何かこの数カ月間、幸せっていうものについてすごく考えました。「幸せ」って掴むもの、掴もうと追いかけて、追いかけているうちは掴めていない。でも、掴んだらそれは当たり前になっちゃって、また違う幸せを追うので「あれ? どこで? どの時点で幸せなの?」って考えていくと「幸せの答え」って何だろう?って…。

――むむ? かなり根の深いお題ですね、そう考えると…。

 そこでこの漫画から教わったんですけど、今ある平凡なもの、当たり前のことを「幸せ」って気づけるのが幸せで「幸せって掴むことよりも、気づくことのほうが難しいんじゃないか」と思ったんです。つむぎちゃんたちは、当たり前の幸せを、幸せだとかみしめている子だな、と。アニメを見ていて涙が出たんですが、それはだからこそなのかな、と思いました。

――哲学的な解ですね。でも確かに理に適っているようにも思えます。

 でも本当に、歌詞を書くときに難航しちゃって…。だからあるとき、私のお父さんにインタビューをしたことがあったんです。この物語がつむぎちゃんとお父さんの物語なので、自分の父親にも、って…。初めてまじめな話を電話でして。私が生まれたときに「どんな風に思ったか?」「どんな風に育ってほしいと思ったか?」ということをたずねました。

――それはすごく興味深いお話ですね。お父さんはどのように答えられたのでしょうか?

 お父さんは以前から「こうしなさい」とか結構言ってくる人なので「お父さんのことだから、まじめに育ってほしいとか、優しい子に育ってほしい、いい子に育ってほしいとか思ったんじゃないか」と考えていたら「平凡に育ってほしいってすごく思った」って。それを聞いてすごく拍子抜けしたんです。でも、それからもう一回漫画やアニメを見たら、「ああ、このお父さんも、つむぎちゃんに平凡に育ってほしいと思っている、それが一番の願いなんだ」と、お父さんの言葉がスッと頭に入って理解できたんです。

――これも深い答えですね。平凡って、簡単と思っても実は難しいことでもありますよね。

 そうなんですよね。こうやって私がインタビューに答えているときなんかに「あ~毎日ご飯が食べられて幸せだ」なんて思えないですもん、やっぱり。で、それを感じてからもう一度歌詞を考えたら、例えば<幸福を開くパスワードは、案外隣り合わせの平凡かも>というフレーズがあるんですけど、それはお父さんから影響を受けて、書いた歌詞なんです。何か平凡なものを幸せとして築き、それを願えるって大切なことだな、って思って。

――しみじみそう思いますね。でもインタビューをされたときには「照れくさいなあ」みたいな感じもあったんじゃないでしょうかね。一方で自分的には、恥ずかしさを乗り越えてでも聞かなければ、という気持ちもあったのでしょうが。それにしてもお父さん、まじめに答えてくれましたね。平凡って、すごくリアルな感じですが…。

 そう! インタビューなんて初めてだったから、本当に(笑)。お父さんからは最初に「何?」って感じで言われちゃうし(笑)。平凡という言葉を使うかどうかは迷ったんですけど…。お父さんから聞いたその言葉を、そのまま使いました。それと、裏の設定としてつむぎちゃんが大人になったときに、お父さんが送る歌というイメージもこの曲には反映しているんです。だから最後に<Bye-bye大人になった君に送る>というフレーズを入れていまして。

――え~、それ絶対泣いちゃいますよ! こんなのを流されたら、お互いも…、見ている人も絶対泣いちゃいますね(笑)

 (笑)。だから本当に軽快でポップで、明るくて元気な曲なんですけど、ぜひこの曲は歌詞カードを読みながら、一行一行かみしめて、情景を想像しながら聴いてほしいなと思います。

「片思いという気持ちは、何かを生んでいる」そんな思いから生まれた曲

みみめめMIMI「晴レ晴レファンファーレ」初回盤

みみめめMIMI「晴レ晴レファンファーレ」初回盤

――その中でも「楽しめ!」というキーワードは、大切な部分としてユキさんの中にイメージがあるのではないかと思いました。例えば、詞の中にある<Enjoy!><Fun Fun!>というキーワードが耳に残っているのですが、何か聴いている人を後押しする上に、さらに合わせて「楽しめ!」とあおりたくなるような気持ちが込められているのではないでしょうか?

 そうですね。実はここはすごくライブをイメージして、個々の英語の部分はカッコをつけるのをやめたんです。よくいろんな比喩をしたり、歌詞を書くときにこだわったりしたくなるんですけど、<Enjoy!><Hight-Touch!><Fun Fun!>ってストレート過ぎて、下手したらダサい!って思われるような言葉ですけど、でもそれくらいシンプルに楽しもう、というメッセージを込めたくて、ライブでみんなと一緒にこの曲を楽しく歌うイメージでレコーディングしたんです。その意味では確かに「楽しもう!」という気持ちがあふれたものになっていますね。

――一方で今回のカップリング曲「1メートル」は、「晴レ晴レファンファーレ」とは対照的な、しっとりとした感じの曲ですね。歌詞の印象も、内面的なイメージというか。

 これは簡単に言えば、「片思い」がテーマなんです。恋愛をフィーチャーしているんですけど、一方で、例えば恋愛じゃなくても、友達一人、「お父さん」「娘」とか、家族でも、はたまた仕事や物、夢とか目に見えないものでも、何かしら「片思い」って、どこかにあって、その目に見えない小さな片思いがあるから、「こうしよう」「こうしてあげたい」「自分をもっとこうしよう」とか、何か変わる機会、自分を変えるきっかけになっているんじゃないかって、すごく思うことがあったんです。

――何か新しい「片思い」の考え方に思えますね。

 片思いといっても、実はすごく奥が深いんじゃないかなって。例えば世の中のすべてが、今言った恋愛でも、家族でも仕事でも、全部が両想いだったらこの世界は止まっちゃうんじゃないか? 逆に片思いという気持ちは、何かを生んでいる、そんなことをすごく考えていたんです。で、この「1メートル」というのは、私が手を伸ばしても届かないけど、相手側の人がちょっとでも指先を伸ばすと、多分ギリギリ届くかも、っていう距離で、切ないけど悪くないんじゃないか? という前向きな気持ちを込めたくて、表現してみました。

――私が聴いた印象としては、ごく普通の、恋愛の「片思い」というイメージが自分にはあったのですが、そういう意味ではすごく広いですね。いろんなことの片思いって、自分としては想像もつかなかったのですが…。

 もちろん恋愛の片思いもあります。でも、恋愛の片思いも「そんなところ?」というところで結構気にすることもある。小さな片思いっていっぱいある、っていうイメージを、こういう曲として書かせていただきました。「ほんの小さな、1メートル分の勇気で、もしかしたら100メートル進むかもしれない」そんなものってたくさんあると思うし。でもすごく切ない曲なんですけど、この曲を聴いて一人でも誰かを思い浮かべてもらえるのであれば、その気持ちを大切にしてもらいたいなと思います。

――詞のイメージとしては、すごくリアルな気持ちにも感じるのですが、ユキさん的にはどうでしょう? 実体験に基づいてのイメージなのか、それとも今言われた「いろんなところに片思いがある」という発想からのイメージなのか?

 いや、実はこれ友達の恋愛体験の話を参考にしているんです。友達の片思いの話を聞いていて、もうメール一つ、LINE一つに「“?”をつけたら、必ず帰ってくるという希望が生まれる」と聞いたのが印象的で。

――それはいろいろ深く探りたくなるお話ですよね(笑)。一方でその子に送るエールみたいな意味合いもあるのでしょうか?

 確かに! それもあります。送ってあげたい。いつも他人ごとじゃないつもりで話を聞いているので、私もこの曲を聴いて切なくなったり、不幸かな、って思ったりしますしね。

――お友達の片思いという部分を挙げられていましたが、ご自身の片思いというところではどうでしょう?

 そうですね…。例えば音楽一つでも、曲作りをしているときも、私は片思いをしているな、って思うことはあります。ライブでも、私はみんなに片思いをしていて、みんなと両想いになりたい、みんなに届けるぞ、という思いでステージに立つので、そういう意味ではシンクロすることもありますね。あと、やっぱり何事でもそうですけど、会って知れば知るほど好きになるというのは自分のことも言っていて、そういう意味ではどれだけお互い好きになっても、好きになっていく頻度が高いほうが、片思いになるじゃん!?って(笑)。私はこうやって片思いの定義を考え、この曲を一日中作っていたときに、日本でベストテンに入るくらい片思いについて考えていたと思います(笑)

――なるほど(笑)。続く「CANDY MAGIC~Piano Live Version~」は、以前リリースされたアレンジとは全然違う曲じゃないか? って思えるくらいイメージが変わりましたよね。

 そうなんです。もう打って変わってライブバージョンで、「ライブ会場に移動した!」って感じになっていますしね。

――本当に粗削りな感じのプレーですよね。

 そう。だからすごく新鮮な気持ちで聞いてもらえるんじゃないかなと思うんです。もちろん、自分でもひやひやする、緊張感のあるプレーだと思うんです。いい意味で。

――でもそのとき、ミスが気になったとしても、月日が経つと「これでも良かった」と思うことがありますよね。気にならなくなって。また、ファンの方からしてみれば逆に、こういうものも聴いてみたいというところもあるのではないでしょうか。

 確かに! 味としてね。そうなんですよ。でも本当に怖いですよね、「こんなの出しちゃっていいのか?」って(笑)。でも、そういう意味でも、楽しんでもらえたらと思っています。

みんなに「みみめめMIMIってここがいいよね」って教えてもらいたい

みみめめMIMI「晴レ晴レファンファーレ」通常盤

みみめめMIMI「晴レ晴レファンファーレ」通常盤

――これは私見的なイメージですが、みみめめMIMIの「CANDY MAGIC」やそれ以前の曲は、どうしても内面的というか、ある一人の人間の内面のようなイメージがかなり強いかなと感じています。そういう意味では「天手古舞」以降、今回の「晴レ晴レファンファーレ」を含めて、みみめめMIMIは自分の殻を破ってきているという印象もあるのですが…。

 確かにそれはありますね。自分自身に向かって歌ったり、自分自身の殻の中で戦ったり曲を書いたりすることが多かったんですけど、やっぱりライブでみんなと一緒に楽しみたいとか、この曲を歌って周りのみんなを元気にしたいとか、何か周りのみんなと一緒に、むしろみんながいるから歌うんじゃないかという気持ちもあります。別の言い方をすれば、何か誰かの背中を押すことで、自分の背中を押しているなと自分でも思うし、そういうイメージが最近自分の中に出てきて、一人の音楽じゃなくなったという気がします。だから「晴レ晴レファンファーレ」も「みんながいなくちゃダメ」な曲ですし、自信を持ってそう言えるのも初めてじゃないかと思っています。

――一方で、今回カップリングで入れられている「CANDY MAGIC~Piano Live Version~」は、例えば自分で作ったときに、一人で演奏することを想定されたのではないか? と印象も受けました。だから自分だけで作ったものについても、それはそれで見せたいものがあったのではないかと思いましたが、そんな意識はありますか?

 それもありますね。ピアノの弾き語りは、曲が生まれた時の姿であり、原点だと思っています。編曲していただき綺麗に着飾った姿が完成形だとしたら、弾き語りのライブバージョンというのは丸裸でどこか不可欠な状態。だけど、そんな荒削りな姿だからこそ込められる儚さや力強さがあるとおもっています。曲の、ありのままの姿を皆さんにもお届けしたいという気持ちがありました。

――なるほど。ではそれはそれで、そういう方向も変わらず持っていたいと?

 もちろん。自分の曲や歌詞にすごくこだわりを持って、愛情を注いで作ったものですから。今後も曲の色んな表情を届けるためにも、このような弾き語りバージョンは大切にしていきたいですね。

――以前もおうかがいしたかもしれませんが、例えば今回の曲は、だんだんと自分の目指すイメージに、自分の作った音が近づいてきたという認識はあるのでしょうか?

 どうでしょう? ただ逆に「正解はない」というか、今回はこういう曲だけど、次はガラッと変わって、例えばデジタルサウンド満載になっていてもおかしくないんじゃないかって。曲ごとで考えたいなとも思うし。だから正解は決めたくないって、逆に思うようになりました。一方でポップで明るいイラストと、サウンドのイメージの中で、割と私はキャッチーなメロディを意識して作っているつもりでいるんですが、そういうポップなキャッチーさみたいなものが、みみめめMIMIの、私の声とらしさになって、みんなに届けばいいなって思っています。ただ、自分ではあえて言葉にしたいくなくて、むしろみんなに感じてもらって、みんなに「みみめめMIMIってここがいいよね」って教えてもらって、そこで初めて自分が気づきたい感じですね。その意味ではまだまだ「大人じゃない」、精進しているところです。

――ちなみに製作の段階では、イラストレーターのちゃもーいさんとお話しされる機会が多いと思いますが、今年に入ってからの変化というのは、ちゃもーいさんのほうはどうでしょう?

 そうですね…。私自身の成長というか、歌に関してもいろいろ言ってくれることもあるんですが、ちゃもーいのイラストに関しても、今まではカメラで「はい、チーズ!」って撮ったような構図が多かったんですけど、今回はそういうものじゃなくて、こうスキップしているような最中のワンシーンや、物語のある一場面を切り取った感じというか「ここからまた何かが始まる」「予感を抱いてほしい」という雰囲気を表現しています。ちゃもーい自身もだんだん変わってきているところはありますね。

――2人で一つのものを作り上げるという話の中では、意見が衝突することはあまりないのでしょうか?

 衝突はありますけど、お互いにいい意味で趣味趣向というか、目指しているイメージというのが合致してきた感じもあります。だから今は何かすっと進むというか、あまりあれこれという回数は減ってきていますね。

――なるほど。ちなみに、今回のシングルは、会場限定盤には「O.B.E.N.T.O」という曲がカップリングとして収録されていますが、またガラッとイメージが変わって面白い曲ですね。以前からライブでもプレーされていた曲と記憶していますが…。

 そうなんです! ライブでもたまにお弁当を作っているんですけど、私のお弁当好きが高じてできたという奇跡的な曲で(笑)。改めてちゃんとレコーディングして作りました。食器の音とかレンジの音とか、ネギを切る音とか結構詰め込んだ音になっています。言葉自体も結構選び抜いたものですし。お子さんたちが楽しめるように、歌詞とともに届けばいいなと思っています。

――なるほど。本当に曲の幅が広がっていますね。これからのさらなる進化に、期待したいと思います。では最後に、メッセージをいただければと思います。

 そうですね…。今回「晴レ晴レファンファーレ」という、みんなの行進曲になればいいなという新曲をお届けします。この曲をたくさん聴いて、テレビアニメ『甘々と稲妻』のつむぎちゃんとスキップするような気持ちで歌って、もらえたらうれしいです! 聴きどころは、最後のサビに盛り上がって、トランペットがパッと鳴っていくところは、まさにファンファーレ!ぜひ聴いてみてください!

(取材・桂 伸也)

 ◆みみめめMIMIとは シンガーソングライター、声優のタカオユキとイラストレーターのちゃもーいからなる目と耳から刺激する新世代視聴覚ユニット。2013年8月にTVアニメのオープニングテーマ「センチメンタルラブ」でデビュー。「サヨナラ嘘ツキ」、「CANDY MAGIC」などでアニメタイアップ多数担当。◆タカオユキ ユカ名義で中学より本格的な作曲活動を開始し、数々のデモテープオーディションに申し込むも落選を繰り返しながら、創作活動やライブ活動を続けてきた。◆ちゃもーい インターネットで初めてデジタルイラストの世界を知って大きな衝撃を受け、つく前から好きだったお絵かきを本格的な創作活動へ転換し、徐々にポップでキュートな世界観を確立。

作品情報

▽晴レ晴レファンファーレ
発売日:2016年8月17日
初回盤(CD+DVD)1,700円(税抜)
CD収録内容:
M1「晴レ晴レファンファーレ」 
作詞作曲:ユカ  サウンドプロデュース&編曲:CHRYSANTHEMUM BRIDGE
M2「1メートル」
作詞作曲:ユカ  サウンドプロデュース:PRIMAGIC 編曲:柳野裕孝
M3「CANDY MAGIC~Piano Live Version~」
作詞作曲:ユカ
M4「晴レ晴レファンファーレ(instrumental)」
M5「1メートル(instrumental)」

DVD収録内容:
ピアノ弾き語りライブ
M1「ミッディ」
M2「サヨナラ嘘ツキ」

通常盤(CD)1,200円(税抜) 
CD収録内容:初回盤同様
特典:TVアニメ「甘々と稲妻」描き下ろしワイドキャップステッカー

▽セカンドフルアルバム(タイトル未定)
発売日:2016年秋

ライブ情報

▽みみめめMIMI ワンマンライブ“きみのヒロイン”
日程:2016年12月3日(土)
OPEN:17:00 START:18:00
会場:東京・赤坂BLITZ

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