イコラブ、アイドルとしての心得とは
INTERVIEW

=LOVE

アイドルとしての心得とは


記者:村上順一

撮影:

掲載:21年05月12日

読了時間:約13分

 アイドルユニット=LOVE(イコラブ)が12日、1stフルアルバム『全部、内緒。』をリリース。指原莉乃によるプロデュースで2017年9月に1stシングル「=LOVE」デビュー。今年の1月にはグループ初となる日本武道館公演2Daysを成功させた。アルバム『全部、内緒。』はデビュー以降8作連続でオリコン週間シングルランキングトップ10入りを果たしたシングル表題8曲に加え、指原莉乃が書き下ろしたアルバムオリジナル楽曲8曲を収録。インタビューでは今年デビュー4周年を迎えるイコラブに、日本武道館公演の思い出から、今作で印象的だった楽曲、これからのことなど多岐に亘り、音嶋莉沙、佐々木舞香、瀧脇笙古、山本杏奈の4人に話を聞いた。

それぞれのハイライト

――日本武道館でのライブはいかがでしたか。それぞれのハイライトシーンを教えてください。

音嶋莉沙 ずっと私たちの夢でもあった日本武道館のステージにメンバーみんなで立てたことがすごく嬉しかったです。コロナ禍でお客さんに来ていただけるのかな、という不安もあったのですが、皆さんに来ていただいて一緒にライブを作り上げることが出来て景色も特別なものになって一生忘れられないものになりました。私のハイライトはこのライブのために新しい衣装を作っていただいたことです!「ズルいよ ズルいね」の時に衣装が変わるんですけど、そのシーンは特に印象的でした。

音嶋莉沙

瀧脇笙古 武道館がツアーファイナルということもありすごく緊張しましたし、2daysという事を知ってからはより盛り上げたい!と思いました。会場に入る前に=LOVEと看板に書かれていたのを見て、ライブが始まる前からドキドキでした。私のハイライトは1日目の武道館でやってみたいことという企画があったんですけど、私のカラーである黄色とオレンジ色のペンライトで武道館を埋めつくすことができたことです! すごく嬉しかったのでカメラマンさんにも「この時の写真ありますか」と聞いてデータももらいました(笑)。

瀧脇笙古

山本杏奈 由緒ある日本武道館でやれたことがすごく嬉しかったです。もっと大きな会場もあるんですけど、家族やおじいちゃんとおばあちゃんもすごく喜んでくれましたし、友達もみんな「おめでとう!」と言ってくれて、武道館は改めてそういう場所なんだなと実感しました。1曲1曲終わっていってしまうのが寂しかったくらい、全ての曲に思い出があるんですけど、私のハイライトは横断幕なんです。ファンの方が掲げてくださっていて、それは日比谷野音でやらせていただいた時にファンの方が作ってくださったものと同じものだったんです。それを見た時ずっと皆さんと一緒にここまでくることができたんだなと思いました。その横断幕の裏にちょうど両親がいて、それも印象に残っています(笑)。

山本杏奈

佐々木舞香 日本武道館はアイドルにとっても聖地と呼ばれている場所で、すごい場所というのはわかっていたんですど、いざ立ってみると予想以上にすごく大きくて感動しました。ファンの方の中にも久しぶりに私たちのライブを見る方もいたので、今までやってきたものの積み重ねを武道館で見せることができたんじゃないかなと思います。私のハイライトは生バンドでパフォーマンスするコーナーがあったんですけど、「探せ ダイヤモンドリリー」でみんなと手拍子をしたことです! 声を出せない中での手拍子ということもあり一体感がすごかったです。私も手が真っ赤になるくらい叩きました(笑)。

佐々木舞香

瀧脇笙古 私は生の手拍子の音を聞きたいなと思って、その時イヤモニを外して聞き入ってました。

――7月7日には横浜アリーナでのライブが決まっていますよね。

山本杏奈 横浜アリーナはツアーファイナルということでどんなライブになるのかすごく楽しみなんです。コロナ禍ということで制限された中でのパフォーマンスになると思うんですけど、まだ私たちは花道とかほとんど経験したことが単独ではないので、そういったものも経験してみたいという気持ちもあります。

『全部、内緒。』に迫る

――楽しみですね。さて、1stアルバム『全部、内緒。』がリリースされます。いま、どんな気持ちですか。

音嶋莉沙 これまでの楽曲に加えて新曲も8曲入っているんですけど、曲調も幅広く一緒に盛り上がれる曲から、聴かせる曲もありバラエティに富んでいて、歴史を振りかえっていただきながら新たな私たちをお見せできるアルバムになっていると思います。今回「cinema」という曲で初めてセンターを担当させていただきました。他のメンバーがセンターをやっている時に、すごく輝いているのを見ていたので、私もその輝きに負けないくらいの光を放ちたいなと思いました。そして、自分自身が成長できるチャンスなんじゃないかなと思ったので、センターをしっかり務めたいと思いました。

――センターとして輝くためにどんなことをしてましたか。

音嶋莉沙 センターというのは誰よりも輝いていないといけないと思っていたんですけど、周りのみんなに支えてもらいながら出来上がって行くのかもと思いました。先日「cinema」のMVが公開され一人のシーンもあるんですけど、そこに皆が来てくれるとすごく華やかになって、みんながいるからこそ自分も輝けるんだ、ということがすごく分かりました。みんなで作り上げるというのはこういうことなんだと改めて実感できました。

――やってみてわかったことがあったんですね。瀧脇さんはいかがでしたか。

瀧脇笙古 MVがYouTubeで公開されるときに、ファンの皆さんはすごくドキドキして待ってくれているんじゃないかなと思います。新曲のMVを観て新しい私たちを感じていただけたらなと思っています。改めてアルバムを聴くとライブのセットリストみたいな感じになっているので、そういった雰囲気で聴いていただくのもいいですし、自分のスタイルに合わせていろんな聴き方をしていただけたら嬉しいです。

――アルバムはすごいボリュームですけど、新曲の中で印象的だった曲はありますか。

瀧脇笙古 どの曲もすごく印象的なんですけど、しいて1曲あげるとしたら(齊藤)なぎさのソロ曲「現役アイドルちゅ~」です。なぎさのすべてが詰まっているといっても過言ではない曲になっていて、メンバーのコーラスも入っていたり、私自身も早くライブでこの曲がどんな感じになるのか見届けたいです(笑)。

――山本さんは1stアルバムが完成してどんな思いがありますか。

山本杏奈 いろんな方が「えっ、まだ1枚目だったの」と言ってくださるんですけど、そういう風に思って頂いてたんだなという発見がありました。今まではシングルだと多くても3曲覚えるという感じだったんですけど、こんなにもたくさんの曲を一気にレコーディングして振り付けも覚えるのは初めてだったので、それもあって頭の中は混乱していたんですけど、それもすごく新鮮で楽しくて、「活動している!」という実感がありました。

――そういえばタイトル『全部、内緒。』というのはどんな思いが込められているのでしょうか。

山本杏奈 皆さんきっと気になっていると思うんですけど、実はその意味は私たちもわかっていないんです。指原さんやスタッフの皆さんが私たちにサプライズをたくさんしてくださるんですけど、“全部、内緒。”とは言いつつもYouTubeなどでチラッと公開してくれたりして、それを見て私たちもすごくワクワクしてしています。タイトルから私たちらしさが詰まっているなと思いました。

――メンバーの皆さんも知らないことだらけの中で楽しんでるんですね。新曲で印象的な曲はありますか。

山本杏奈 どの曲もすごく印象的なんですけど、なぎさと(野口)衣織のソロ曲「拝啓 貴方様」のギャップがすごく気に入っていて、MVも見させていただいたんですけど、全然カラーが違いすぎて同じグループの作品だとは思えなくて(笑)。同じグループでこんなにも違うことをできるメンバーがいるというのはすごいことだなと思って感動しました。

――それぞれの個性が反映されていますよね。佐々木さんはどんなお気持ちですか。

佐々木舞香 メンバーのみんなと「いつアルバム出るんだろうね?」という話はよくしていました。なので発売が決まった時はすごい嬉しかったですし、本当に楽しみにしていました。さっき杏奈も言っていたようにシングルと違って、曲数が多いので体に染み込ませるのがこんなにも大変なんだというのを痛感したんですけど、でもそれだけ思いも詰まった作品になったと思います。より良いものにしたい、というみんなの気持ちを一つに出来た作品になりました。イコラブはいろんなものになれる、というのを体現したらしさ満載な1枚になったと感じています。

――佐々木さんは「お姉さんじゃダメですか?」を大谷映美里さんとWセンターで披露されていますが、やってみてどうでしたか。

佐々木舞香 Wセンターは初めての経験でした。みりにゃ(大谷映美里)はすごく“お姉さん感”があって、私から見てもこの曲はすごくみりにゃのイメージにあっている曲だなと思いました。特に年上なのに甘えてきたり、拗ねてしまったりしている歌詞は特にみりにゃっぽいなと感じていて、大人っぽいんだけど可愛いところもあってそのギャップにきっとみんなもドキドキしてしまうと思います。それで、まさか私がもう一人のセンターになれるとは思っていなかったのでびっくりしました。私とみりにゃでは違うお姉さん像だと思うんですけど、これから上手くはまっていくように徐々に仕上げていきたいと思っています。

「桜の咲く音がした」の謎が解けるミュージックビデオ

――ライブでも楽しみな1曲ですよね。さて、リード曲の「桜の咲く音がした」はどんな解釈で歌いましたか。

山本杏奈 この曲は直接的に物語を話しているというよりかは、少し遠回しに言っている感じがあるなと思いました。でも歌詞をどんどん読み進めていくうちに、いろんな情景が「こういうことだったんだ」とわかってきて、それがすごくワクワクしますし、春にピッタリな曲だなというのをすごく感じました。今回の楽曲の振り付けはCRE8BOYさんが考えてくださったんですけど、これまでも「ズルいよ ズルいね」、「手遅れcaution」、「虹の素」など振り付けしていただいていて今回で4作目なんです。感情を表現する振り付けが多かったこともあり、この曲はメンバーと輪になって歌詞について話し合ったりしてMVの撮影に臨みました。その映像を見た指原さんが今までで一番振りが揃っていたと褒めてくださったんです。これまでもたくさん褒めていただけていたんですけど、ダンスを褒めていただいたのは初めてでした。それもあって成長した私達を感じてもらえる曲になったんじゃないかなと思います。

――MV撮影はいかがでしたか。

音嶋莉沙 ダンスシーンを撮っている時のことなんですけど、この日はずっと外が大雨だったんです。でも私たちがそのシーンを撮ろうとした時に雨がちょうど止んで、「天気が私たちの味方をしてくれた!」と思いました。そして、休憩時間に外を見たら大きな虹がかかっていて、私たちのことを応援してくれているかのように感じて、それがすごく印象的でした。完成したものを見たときにあんなに大荒れだった天気だとは思えないような映像に仕上がっていてすごく感動しました。

瀧脇笙古 この曲のMVはYouTubeバージョンとアルバムバージョンの2つあって、アルバムバージョンにはYouTubeバージョンの前後にストーリーシーンが入ったものになるんです。このアルバムを手にしてくださった方だけにこれまで想像膨らませていた部分の答えがわかるような映像になっています。“桜の咲く音”ってどんな音なのかわからないと思うんですけど、その答えも映像を見ていただけたらわかると思います。私たちにとって新しい試みとなっているMVなのでぜひ観ていただけたら嬉しいです。

――そのドラマシーンでnekoze。というバンドが出てくるんですけど、なぜnekoze。という名前に?

佐々木舞香 これはみりにゃが考えた名前なんです。ジャケット撮影のメイキングを撮っている時にもしバンド組んだらどういう名前がいいかということを話していたみたいで、目の前にいたマネージャーさんが猫背だったのでそれが名前の由来になったみたいです(笑)。そうしたらMVの中でバンドをやることになって「バンド名を決めてください」というお話が来て「本当にやるんですか」とびっくりして。それで、nekoze。という名前がインパクトがあったのでそのまま付いたという経緯がありました。ちょっとおしゃれにしようということでローマ字にして私が句点が好きだということもあって句点を入れてみました。今回のアルバムタイトル『全部、内緒。』にも句点が入ってるので嬉しいです(笑)。

アイドルとしての心掛け

――約4年間活動してきて、アイドルとしての心構えは当時と変わった部分もありますか。課題のようなものもあれば教えてください。

音嶋莉沙 昔はアイドルは可愛いというイメージだけでした。活動していく中でパフォーマンスも大切なんですけど、一番大切なのはファンの方に恩返しをしていくというのがアイドルのあるべき姿なのかなと思いました。その中で私の求めるアイドル像は一生懸命で、ファンの皆さんに「応援していて良かった」と思ってもらえる人で、常に期待に応えられる人になれたらいいなと思っています。あと私は皆さんの前では泣いている姿を見せない、笑顔をいつも届けていきたいと思っていて、これからもそうあり続けたいですし、皆さんに喜んでもらえるように活動していきたいです。

瀧脇笙古 歌って踊れて可愛いというのはアイドルとして必要な要素だと思うんですけど、私はそこでずば抜けて魅せられるという感じではないと思っていて...。戦う場所を変えるといったら大袈裟かもしれないですけど、マラソンとか体力系のお仕事や地元横浜でのお仕事、お料理のお仕事など今いただけているので、歌って踊れるだけじゃなくそれらを強みとしてもっと自分の個性を出せたらいいなと思っています。私も莉沙と同じようにマイナスに感じられるようなことは言わない、見せないというのは決めていて、もちろん悩むことも沢山あるんですけど、前向きなところを皆さんに見せたいと思っています。

山本杏奈 グループ全体としては「コンサート良かったよ」と言っていただけることが沢山あったので、より強くしていきたい、気持ちを一つにして頑張っていきたいという思いが強いです。11人それぞれがみんなを必要としていて、それぞれの役割がしっかりとある活動をしていけたらと思っています。それがファンの皆さんにも伝わってイコラブの周りをキラキラの笑顔にしたいです。個人としてはステージ上ではキラキラした存在でありたい反面、私は毎日「SHOWROOM」で配信させていただいているんですけど、そこでは親近感のある友達のような距離感で接したいと思っていて、そのギャップを大事にしたいなと思っています。

佐々木舞香 まだまだ認知度が足りないと思っていて、小さい子からお年寄りまで興味を持ってもらえるというのはすごく大切だと感じています。テレビ番組がスタートしたり、色々なお仕事をいただけるようになって、イコラブをこれまで知らなかった人たちにも届けることが徐々に増えて来ているので、見ていただいた皆さんがハマるところがイコラブには絶対あると思っているので、一人ひとりがそういったところをしっかりと見せていくことが大切だと感じています。まだ私は武器と呼べるものはないんですけど、作ろうと思って作るものではなくて、自然と出てくるものだと思っているので、何かハマるものが出てきたら嬉しいです。

――最後にファンの方へメッセージをお願いします。

山本杏奈 アルバムをリリースさせていだいて、ツアーも行わせていただけるということで、こういった状況でライブが出来るという環境に感謝しかないです。参加できないファンの方もいらっしゃるとは思うんですけど、配信もありますし世界中に届けていきたいので、この状況を乗り越えて皆さんにいっぱい笑顔になって欲しいです。メンバーの地元にも行くので皆さんも楽しみに待っていて下さい!【取材=村上順一】

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