岩田剛典、原動力は反骨心「やっぱり負けず嫌いなんだと思います」
INTERVIEW

岩田剛典、原動力は反骨心「やっぱり負けず嫌いなんだと思います」


記者:木村武雄

撮影:

掲載:20年01月30日

読了時間:約6分

 岩田剛典が1月31日(金)公開の映画『AI崩壊』で天才捜査官を演じる。人間の生きる価値を選別し殺戮を始めるAI(人工知能)の暴走を阻止しようと奮闘する主人公たちの姿を描く近未来サスペンス超大作。リアルを求めてシーンに相応しいとなれば大阪など全国の適所でロケ。一般道路を封鎖し、巨大貨物船も貸切るなど妥協を許さない、壮大なスケールに挑んだ。そんな大作で岩田は重要人物の一人、桜庭誠役を演じた。岩田と言えば、EXILE/三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのパフォーマーとしてドームツアーを経験。ソロとしては、永瀬正敏がカメラマンを務めた3rd写真集『Spin』で豪華セットで撮影に臨むなど、なかなか経験のできない規模を体感している。そうした経験を通して感じたものは何か。【取材・撮影=木村武雄】

意識した「機械的思考」

 岩田が演じるのは警察庁の理事官。その要職に30代で就くというエリート中のエリートだ。「どう表現しようか難しい役でした。スーツと髪型、そして印象的なメガネというビジュアルに助けられた部分はありました」と謙遜するが、岩田自身は慶應義塾大学法学部出身だ。

 劇中では描かれていないものの、頭脳明晰で海外への滞在期間が長く、海外の大学を首席で卒業。MIT(マサチューセッツ工科大学)で博士号を取り、IQは200近く、人工知能研究の第一人者である天才科学者の桐生浩介(大沢たかお)に匹敵する知能の持ち主という設定だったという。見た目だけでなく、内側から役を作っていくなかで見出したのが「機械的思考」だったという。

 「なるべく人間味をそぎ落としていこうと、あまり所作に動きをつけないようにしました。劇中は、表情が大きく変わるシーンもありませんし、瞬きもなるべくしないようにしました。喋る時も首を動かさないようにして。監督のビジョンと自分が考えていたプランが違うというのは少なかったです」

桜庭を演じた岩田剛典。場面写真(c)2019映画「AI崩壊」製作委員会

 そうして作られた「天才捜査官・桜庭誠」。劇中からは“知的”な“観察眼”が滲み出ている。その印象的なシーンがある。桐生とHOPE社で最初に出会うシーンだ。挨拶を済ませ別れた後、ずっと桐生を見つめている。岩田自身もあのシーンは桜庭を象徴する重要なシーンだったと振り返る。

 「演じる上ではあのシーンはすごく難しくて。桜庭の持っている本質やバックボーンを出しつつ演じなければならなくて。例えば、桐生に名刺を出しますが、その前に桜庭は握手をいきなり求めるんです。それは海外経験が長いということを表すためでもあります。名刺の出し方にしても格好良く見せないといけない。そういうキビキビとした動きを含めた機械的な部分を出そうと思いました。ただ、機械的な桜庭も、あのシーンだけは人間味を感じてもらえるように振舞いました。頭が良く相手が何を感じているかを察知できる。その上、社交性が高いから、あそこだけは機械的な所を隠している。だけど少し滲み出る。」

 役作りで鍵を握った「機械的思考」でもう一つ象徴的なシーンがある。サイバー犯罪対策課に設けられた捜査AI「百眼」で桐生を追い詰める場面だ。

 「あのシステムとあの部屋は桜庭にとってまさにホーム。逃亡する桐生がどう逃げるか、どう行動するかすべては想定内で、桐生を見失ってサイバー犯罪対策課の捜査員がざわついていても桜庭だけが動じない。それは起きることが全部分かっているから」

 同じエリートでもドライな桜庭に対して、ホットな関係性を求める桐生。AIを駆使したシステム構築に携わる2人だが、岩田自身も「桜庭は、桐生とは違う正義感を持っていると思います。」と語る。

 その一方で桜庭は桐生に共感するところもあるという。「桐生に対してシンパシーを感じていて、自分と同じ目線で物事を考えられる人間はこの世に桐生しかいないと思っている」

岩田剛典(撮影=木村武雄)

岩田剛典(撮影=木村武雄)

この記事の写真
岩田剛典(撮影=木村武雄)
岩田剛典(撮影=木村武雄)
岩田剛典(撮影=木村武雄)

記事タグ 

コメントを書く(ユーザー登録不要)

関連する記事