ゴウ(菅田将暉)とテラシン(野田洋次郎)(C)2021「キネマの神様」製作委員会

 菅田将暉と沢田研二がW主演を務める『キネマの神様』が現在公開中だ。“キネマの神様”を信じ続けた主人公ゴウを沢田研二と菅田将暉が、盟友テラシンを小林稔侍と野田洋次郎がそれぞれ二人一役を演じ、過去から現代へ続く友情が描かれるが、この関係に心から魅了されたのが野田洋次郎。野田は「ゴウとテラシンの友情は美しい」と、山田洋次監督が描く温かな人間模様へ心から魅了されたことを明かし、菅田は「テラシンのような人がいないとカルチャーって成立しないし、物が作れないので、僕はテラシンのような人に憧れます」と、盟友テラシンへのリスペクトを語っており、揺るがない信頼関係で結ばれた菅田と野田による名バディがここに誕生したのだった。

 1950~60年代頃の撮影所を舞台に、映画監督になる夢を追いかけ助監督として働くゴウと、名画座の館主になる夢を持ちながら映写技師として働くテラシンは、互いの夢を認め合い、お互いを尊敬しあう盟友。ゴウとテラシンはそれぞれに食堂の看板娘・淑子に恋心を抱くようになり、この3人が織りなす淡く温かな三角関係は約50年後の現代まで続いていく。

 日本映画界の巨匠・山田洋次監督らしい、人情味と温かさに溢れるこの人間模様に、菅田と野田はとても惹きつけられたことを明かしている。野田は、本作の物語をもとに作り上げた主題歌「うたかた歌」にゴウとテラシン、そしてヒロインの淑子の人生を詰め込んだのだが、野田は「男女が生まれた瞬間にそうやって三角関係やねじれ現象が起きますよね。それでも失われないゴウとテラシンの友情は美しいし、僕らが『そんなこと』ってあきらめるんじゃなくて、僕らはそうやっていきたいはずだよねと当たり前のことに気づかされました」と、本作で描かれるゴウとテラシンの友情の魅力を語り、ゴウとテラシンの50年続く友情へ心からの共感を明かした。

 そんな野田が演じたテラシンを菅田は絶賛しており、「音楽と俳優の両方をやっている人っていますけど、野田さんはちょっと違いますよね。身を預けられる人なんだなって。ミュージシャンの方がお芝居をしているのを観た時に、その人しかない色気があってずるいなっていつも思うんですけど、野田さんってそこをあっさり捨てられる感じがあるんです。野田さんはそこがすごいなって思いました」と、アーティストでありながら俳優として見事テラシンを体現した野田の姿に刺激を受けたことを明かした。お互いにその才能を認め合う菅田と野田だからこそ、物語の中で表現することができる信頼関係を本作では感じることができるだろう。

(C)2021「キネマの神様」製作委員会

 日本映画界を代表する山田洋次が監督を務めた本作。原作はこれまで数々の文学賞を受賞してきた人気小説家・原田マハ、キャスト陣には、沢田研二・菅田将暉(共にゴウ役)、永野芽郁・宮本信子(共に淑子役)、野田洋次郎・小林稔侍(共にテラシン役)、北川景子(園子役)、寺島しのぶ(歩役)ら豪華俳優陣が丁寧に物語を紡ぐ。“映画”を愛し続け、挫折を味わいながらも夢を追いかけたゴウが時代を越えて織り成す青春と家族のありようが描かれる温かな物語は、この時代を生きる人々にエールを贈る。『キネマの神様』は現在公開中。

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