最近のきらめきの旬感はサラダ
――ヒップホップナンバーの「BQN」は、歌詞に<くだらねー大人に「ふざけんな!」>とか出てきますけど、くだらないと思うのは、どういう大人?
マナーが悪い人とか。たとえば電車で足を広げて2人分使って座ってたりとか、そういうのを観ると「何だこれ?」って思いますよ。大人がどうのよりも、人間としてどうなのかと。詰めたら座れるのにって、めっちゃ思いますよね。それで<ふざけんな!>って。何なら私は立って譲りますし。まあ、それが普通だと思うんですけど、言い始めたらキリがないです。
そういった、私が普段から「はぁ?」と思うようなこととかをEチケさんにお話をして、書いてもらっています。Eチケさんは、りんねラップ以降、RINNNE HIPの曲も作ってもらっていて。私が好きそうなことも、だいたい分かってくれているし。でもこのアルバムでは、ガチのラップ曲はこれだけなので、余計にインパクトを感じてもらえると思いますね。
――「旬感少女」と「KESALAN BLUES」は、水曜日のカンパネラのケンモチヒデフミさんの曲。
水曜日のカンパネラさんは、好きでよく聴くアーティストなので、作ってもらえてうれしかったです。ちょっと独特な、不思議な感じのトラックが癖になりますよね。やっぱりケンモチさんの曲は最先端なので、最初は少し雰囲気が掴みづらかったです。私の場合は、まず曲の雰囲気を掴んで、それに合わせて声を作ったり歌い方を変えたりしていて。そのほうが、一番曲の持っているものが伝わると思うので、毎回そうやるように意識するようにしていて。ケンモチさんの曲は、けっこう難しかったです。
――「旬感少女」の作詞は、凜音さんが出演した映画『はらはらなのか』の監督の酒井麻衣さん。「きらめき」がテーマですが、自分にとってきらめきとは?
まず酒井さんの歌詞はやっぱり監督さんだけあって、ストーリーが自分の頭の中で広がりました。キラキラした女の子のストーリーって言うか。その上で「きらめき」は何かを考えると、何かをパッて、気づいた瞬間と言うか。新しいものを発見したとか。そういうものが、きらめきかなって思います。その瞬間に、新しい道が開けるみたいな感じがします。そういうきらめきは日々あると思うんですけど、私にとって大きかったのは、やっぱり「りんねラップ」だったりするのかなって思いますね。3年前は、まさか自分がラップをやるとは思ってなかったし、その時は自分にとって大きな“旬感”だったと思います。
もっと小さいことで言うと、最近ダイエットでサラダをよく食べるんですけど、おしゃれなサラダ専門店に行ったら野菜の種類がすごくたくさんあって、自分で野菜をチョイスできるんです。それで野菜の組み合わせによってこんなにも味が変わるんだと気づいて、「うわっ!」て思いました。知識がないんで、直感でいろいろ入れるんですけど、何もつけなくても甘く感じたりとか。そういう新しい発見をしたときも、きらめきの“旬感”なのかなって。
――「KESALAN BLUES」の作詞は、赤い公園の津野米咲さん。
この曲はメロディが難しくて、いちばん苦戦した曲です。今まで歌ったことのないメロディが詰まっている曲なので、それをどう歌いこなすかっていう。でも、あまり練習するのも違うなって思うんですね。私の場合は、最初に感じたまま直感で歌うのが好きで。やり込んだらやり込んだ分、最初に音から感じたものとは違う方向に行っちゃうと思って。
ただ、シライシ紗トリさんが作ってくださった「Circuit Board」とかは直感的にではなく、今まで以上に、曲に入り込んで録りました。「Circuit Board」はハモリとかコーラスとかがまったく入ってなくて、私の声1本なんです。ダブル(自分の声を2トラックで重ねる)もないし。1本の声がすごく重要になってくるから、他の曲以上に神経を研ぎ澄ませて録りました。
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