カラオケ観覧車が東京ドームシティに、企画が生まれた背景とは
ゴンドラ内のカラオケシステム(自社撮影)
東京ドームシティ・アトラクションズ(東京都文京区後楽)でユニークな企画が始まる。大観覧車にカラオケが導入されるのだ。その名も「カラオケ大観覧車」。8月1日のサービス開始に先駆けて報道機関向けに体験会がこのほどおこなわれ、実際に試してみた。
オペラ、バンドマン
同施設の人気アトラクションのひとつ、センターレス大観覧車「ビッグ・オー」にあるゴンドラ全40台(定員4人)のうち8台にカラオケシステムが導入される。隣接の東京ドームでコンサートをおこなうアーティストの楽曲や、最新の人気曲、定番のアニメソングなど約50曲を用意。ゴンドラがまわる15分の間、歌うことができる。
同社によれば、「カラオケ観覧車」は今年7月11日時点で常設の観覧車としては世界初だという。
そもそも、なぜこのようなシステムを導入しようと思ったのか。担当者である、アミューズメント部の堀田大樹(ほった・だいき)氏はその背景を次のように語った。
「もともと私はオペラをやっていて歌が大好きでして、観覧車に乗った時にここで歌えたら気持ちいだろうなと思ったのがきかっけでした。私の上長である部長もバンドマンでして、若手の会の席でカラオケ観覧車があったらいいなという話になりまして、そこで実施することとなりました」
ちなみに「ビッグ・オー」は直径60メートルのリング型観覧車で、地上80メートルから東京の景色を楽しめるという。
記者も体験
カラオケシステムは、業務用通信カラオケ「JOYSOUND」が導入される。音質に関して堀田氏は「カラオケルームのようにまではいきませんが、それに近づけるように自動車に搭載されるような本格的な音響機器を使っていますので、遜色はないと思います」と、“歌好き”な視点から、できる範囲でのこだわりをもって作ったと話した。
また、料金は820円と通常の価格と変わりはない。その理由を同氏は「そのままの値段で楽しんで頂きたいという想いがありました。歌いながら景色を楽しむというのが今回のカラオケ観覧車の意図でもありますので、価格据え置きは妥当だと思います」と説明している。
カラオケ観覧車には、「オススメの人気曲」、「観覧車で歌う定番曲」、「みんなで盛り上がれる曲」、「洋楽」といった4つの項目があり、全50曲を収録。搭載できる通信機器に限度があるため、今回は50曲に絞っているが、反響に応じて今後、追加も視野に入れている。
実際に、記者もカラオケ観覧車に乗車、歌ってみた。ゴンドラの中には、マイクが2本常備されており、天井に一つ小さなスピーカーが設置されている。
窓際にはタブレットがあり、通常のカラオケルームで使用されるのとおなじように、そのタブレットを使い選曲と音量調節をおこなう。その画面には歌詞も表示される。
実際に歌唱してみたが、音が割れる訳でもなく、通常のカラオケに近い形で歌唱することが出来た。ちなみに記者は、ONE OK ROCKの「Wherever you are」と、高橋洋子の「残酷な天使のテーゼ」を歌った。
景色を見ながら歌うも良し、友達と楽しむのも良し、高所恐怖症の人にとっても気がまぎれるかもしれない。なにより東京の景色をみながら歌うのは気持ちが良かった。(取材・撮影=橋本美波)