宮城謙二氏(左)と土田秀章氏

 オーディオメーカーのオンキヨー&パイオニアイノベーションズが26日、都内で最新スマートフォンの発売記念イベントをおこなった。オンキヨー初となるハイレゾ時代の高音質スマートフォン「GRANBEAT」を2月下旬に発売する。この日の説明会では、DACとアンプ、CPUを完全分離基盤構成しノイズの混入を排除、アルミ無垢ブロックからの削り出しの個体などの設計によって、専用デジタルプレイヤーに匹敵する音質を獲得したことを報告。更に、スマホで失われた音楽性を取り戻してハイレゾ音源での再生や、ストリーミングなどの音質も格段に向上させたことを発表した。

 オンキヨー&パイオニアイノベーションズの代表取締役・宮城謙二氏は、2005年から音楽配信サービスを展開しているe-onkyo musicが「2011年に約1万6千曲から昨年は27万曲に達した。スマートフォンで音楽を聴く人が72%にものぼる」と同サービスにおける環境変化とスマホと音楽との関係性を説明。

 また、「GRANBEAT」のネーミングについて「GRANはGRANDの事で、BEATは鼓動、ビートで心を大きく突き動かす」と名称のコンセプトを語り、「利便性を追求したため失われたミュージカリティ(音楽性)を取り戻し、AWAなどストリーミング再生も格段に良くなる。スマートフォンの利便性を借りつつ、音楽プレイヤーの最高傑作」と語った。

 ネットワーク事業本部の土田秀章氏は、スマートフォンの市場に注目。「Music Loverと呼ばれる外出中や移動中にスマートフォンで音楽を聴く人に向け開発した。10人中7人がスマートフォンを使用し、SIM型の契約者は540万人を超え、3年前の7倍になっている。SIMフリー型に関しても2016年上期で120万台となっていて、全スマートフォン市場の10%に迫っている」と発表した。

 商品コンセプトに70年の歴史を持つオンキヨーは原点に立ち返り、ユーザーに対して何が出来るのかを見つめ直し、スマホで最高の音質を提供したいと思想を述べた。

 具体的には、オンキヨーのデジタルハイレゾ機である「DP-X1A」のノウハウを投入。アルミ無垢ブロックからの削り出しの個体や、DACとアンプ、CPUを完全分離基盤構成で、スマホから発せらる電波ノイズの混入を排除したことなどをあげた。特許出願中のオンキヨー独自のシールド技術も加わり、専用デジタルプレイヤーに匹敵する音質が得られる。S/N比はカタログでは115dB以上と表記しているが、実測すると121.458dBだったという。

 そして、ワイヤレステクノロジーのQualcomm(クアルコム)のaptX HD(アプトエックス エイチディー)によりBluetoothも48kHz/24bitで楽しめ、ワイヤレスでも高音質。さらに240万曲の歌詞をネットワーク経由でリアルタイム表示、大容量のバッテリーの搭載でハイレゾ連続再生25時間、連続待ち受け480h時間、連続通話は22時間となっている。DSD 11.2MHzやWAV、ALAC 、FLAC 384kHz/24bitの各プラットフォームを、e-onkyo musicからダイレクトにPCレスで完結できる。

 更に、スマートフォンとしては世界初となるフルバランス駆動回路による、バランスイヤフォンの対応など音質に重視した設計となっている。システム構成はAndroid 6.0、HEXA-Core CPU搭載でRAMは3GB内蔵、ストレージも128GB、拡張でmicroSD256GBまで認識し、内蔵と合計384GBまで拡張可能とのこと。音楽を聴きすぎて通話ができなくなったなどのバッテリーなど、スマートフォンとしての性能にも妥協はしなかったという。

 楽天モバイル事業チーフプロダクトオフィサーの黒住吉郎氏は今回の開発に構想段階から参加。「音楽に妥協してはダメ。音を軸にすべて考えていきましょう」とアドバイスしていたといい、「スマートフォンではどうだろうかというところも、オーディオの視点から見ると心を捉えるんじゃないか。GRANBEATの重さは234グラム、普通のスマホは約150gから170gほどで比べると重いんです。しかし、音を軸にして考えると重さというのは意味がある。しっかりとした音を出すにはそれなりの筐体と重さが必要になってくる」と重さが音質に重要なこと、そして、その音質については「空気感や臨場感を感じる。音が鳴っていない時の音を感じることが出来る。ボーカルやインストが止まっている時ですら、音を感じるような広がりを持っている」と自身の見解を話した。

 質疑応答では音質傾向について尋ねられ土田氏は、「オンキヨーの音を決めているサウンドマイスターがチューニングしている。回路構成はDP-1XAと同等で、特に上下関係はつけていない」と音質についても70年のオンキヨーサウンドであることを示した。(取材・村上順一)

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