米フェスで好演した水曜日のカンパネラ、コムアイ(撮影・Kevin Frates)

米フェスで好演した水曜日のカンパネラ、コムアイ(撮影・Kevin Frates)

 ポップハウス・ユニットの水曜日のカンパネラが、23日アメリカ・サンフランシスコで行われた「J-POP SUMMIT 2016」のステージに立った。この「J-POP SUMMIT 2016」は7月22日~24日にアメリカ・サンフランシスコで開催されたJポップカルチャーを海外で広めることが目的のイベント。水曜日のカンパネラが出演したのは、23日フォートメイソンセンターのステージ。メジャー1stEP『UMA』を引っ提げた全国ツアー『未確認ツアー』を終えたばかりの彼女だが、ツアーや時差などの疲れを全く感じさせないパフォーマンスでアメリカのオーディエンスを魅了した。誕生日を迎えたばかりのボーカル・コムアイにハッピーバースデーが観客から贈られ、「Thank you so much!」と目を潤ませながら返答するなど感動的な一幕も。水曜日のカンパネラとしては、SXSW2016に続いて2度目となる海外公演だが、見事にアメリカと日本を繋ぐ音楽の架け橋となった。

 アニメやJポップのファンが見守る中、セットリスト1曲目「ナポレオン」のイントロが会場に響き渡る。しかし、ステージにボーカル・コムアイの姿はない。すかさず中央のモニターに写しだされたのは、客席後方にあるブースで妖艶な羽の仮面を付けた顔を覗かせて歌っている彼女だった。予想だにしない登場で観客から歓声が上がり、すぐにモニュメントのまわりに集まる観客。台から飛び降りると、赤い提灯や龍が這う特製お神輿に乗って、観客をかき分けながら進むコムアイ。

 ステージに到着するとすかさず、2曲目の「シャクシャイン」へ。「雪男イエティ」では、途中ステージから降りて自らの足で観客の中に分け入っていった。 ハイタッチをしたり、座っている観客の目の前に行って踊りを促す。コムアイのこの様なコミュニケーションに、観客も自然と笑顔になっていった。枠にはまらないパフォーマンスに、屈強な警備員も最初は驚いていたが、最後は笑顔で警備にあたっていたのも印象的だった。

米フェスで好演した水曜日のカンパネラ、コムアイ(撮影・Kevin Frates)P

米フェスで好演した水曜日のカンパネラ、コムアイ(撮影・Kevin Frates)

 続く「チュパカブラ」では、顔にエフェクトがかかるアプリのMSQRDを使ってのパフォーマンスを披露。アプリによって次々に変化していく顔に合わせて声色を変えながら歌うコムアイの姿に笑いが起きた。

 7月22日が誕生日の彼女は「丁度渡航日と重なって2回誕生日を迎えることになった」とMC。すると観客から自然と「Happy birthday to you」と合唱が起きる。アメリカらしいサプライズに、コムアイも目を潤ませながら「Thank you so much!」と感謝を伝えた。同じく誕生日の観客が2人もいたようで、プレゼントとしてアヒルのフィギュアが彼女から投げ込まれた。

 続いて「ディアブロ」のために「いい湯だね」というコールアンドレスポンスを練習。が、なかなかうまく揃わない。「違う!“いい湯だよね”じゃなくて、“いい湯だね”!!(笑)」とコムアイが指摘すると観客も「なるほど!」といった感じでようやく綺麗に揃う。

 そしていざ本番、コムアイは出店ブースから借りたという、温泉の顔ハメパネルを使いながら歌う。観客は「いい湯だね!」ときっちり応答。どちらもばっちりと決まっていた。

 そして、この日のステージ最後は「桃太郎」。ウォーターボールがステージに登場すると観客から歓声が上がる。ボール内にコムアイが入り、観客席に投げ込まれるとコロコロと自由自在に転がっていった。今回のウォーターボールは特別仕様で、中に仕込まれた電飾が曲に合わせて様々に変化。ピンク色になると、まさにオーディエンスの海原を渡る桃の様に見えた。中で転がるコムアイも、それを落ちないようにと次々に手渡ししていく観客も、どちらも笑顔でパフォーマンスを楽しんでいる様子が微笑ましい。

 曲が終わっても、「次はあっちでサイン会があるから、向こうまでこれでいくね!またね!」とボールに乗ったまま観客の頭上を客席後方へと流れて行って、ライブは幕を閉じた。水曜日のカンパネラ、2回目のアメリカライブは全員がハッピーで笑顔溢れるライブとなった。

■セットリスト

「J-POP SUMMIT 2016」
2016年07月23日

01.ナポレオン
02.シャクシャイン
03.雪男イエティ
04.チュパカブラ
05.ディアブロ
06.桃太郎

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