エキセントリックな衣装のコムアイ(撮影・横山マサト)

エキセントリックな衣装のコムアイ(撮影・横山マサト)

 壮大なスケール感を持つサウンドに思わず身が引き締まる「ウランちゃん」を経て、「バク」では、端4カ所を棒で支えられた巨大白布を4人の黒子が持って舞台花道へ。その巨大白布の下で、コムアイが妖艶に踊り出す。そして、水滴が落ちる音から「ユタ」が始まる。水滴の音に合わせ奏でられる楽曲は、野外に溶け込むかのように心地よく聞こえた。

 「ラストエンペラーみたいにしたかった!」という舞台美術について語りながら、萬福寺のお気に入りポイントやスポットについても明かしていく。続く、「猪八戒」では、ブタ鼻を装着して猪八戒に扮したコムアイと三蔵法師と沙悟浄が揃い踏み。曲終わりには、そのブタ鼻が観客エリアに放り込まれた。興奮冷めやらぬ中、「しっとりした曲を」と『UMA』の中から「ユニコ」へ。

堂々としたパフォーマンスを見せるコムアイ(撮影・横山マサト)

堂々としたパフォーマンスを見せるコムアイ(撮影・横山マサト)

 緩やかなビートに合わせて、気持ち良さそうに体を揺らす観客が多く見受けられた。そろそろ陽射しも落ち着いてきた時間帯になり、松明に火が灯される。そんな幻想的な光景をバックに、「ツチノコ」では花束を持ちながら歌い踊り、その花束を松明に投げ込み燃やしていく。

 本編ラストは、イントロが流れると同時に大歓声が起こった「桃太郎」。観客による歌声が鳴り響き、サビでは皆が振り付けを踊り、ウォーターボールの中に入ったコムアイが観客に揺らされながら、まるで大海原のような境内を巡っていく。大盛況の内に終わったが、コムアイの「実は今ので最後の曲だったんですけど、さすがに少ないので、もう1曲やっていいですか!」のひと声で、急遽アンコールへ。

 ウォーターボールの中に入ったままで、「ドラキュラ」を披露する。招き猫のバルーン、そしてカレーメシ2くん、雪男、ナースのダンサーたちも再結集して大団円に。「ちーすーたろかー」の大合唱が、萬福寺に響き渡った。最後は観客全員と僧侶たちと共に、本堂の前で記念撮影を行なって終幕。前人未到のツアーファイナルとなった。
(文・鈴木淳史)

■セットリスト

『未確認ツアー』
最終公演@京都・萬福寺
2016年7月18日

1-ラー
2-シャクシャイン
3-ディアブロ
4-小野妹子
5-雪男イエティ
6-フェニックス
7-チュパカブラ
8-ウランちゃん
9-バク
10-ユタ
11-猪八戒
12-ユニコ
13-ツチノコ
14-桃太郎

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