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桜井ユキと川西拓実(JO1)が、「連続ドラマW シャドウワーク」(WOWOW 11月23日より放送・配信スタート)に出演。桜井は館山南署の警部補の北川薫、川西は薫の後輩刑事・荒木悠真を演じる。本作は、「誰かがこの町で」が連続ドラマWで映像化した江戸川乱歩賞作家・佐野広実氏による2022年刊行の同名小説が原作。夫からのドメスティック・バイオレンスの被害に苦しむ妻たちが、絶望の果てで生きるためにたどり着いた“究極のシスターフッド”を描くミステリー作品だ。
インタビューでは、「ちょっと触りだけ読もうと思ったら、気づいたら読み終わっていた」と川西が語る脚本の魅力から、二人が現場で見せ合った「女優の画力」と「シームレスな芝居の境目」、そして、撮影中に起きたハプニングまでを公開。クールなイメージを覆したお互いの「意外なギャップ」、ラーメンを食べるシーンの裏側など、ドラマの核心と、バディの素顔に迫った。(取材・撮影=村上順一)
リアリティを持って演じたい(桜井ユキ)
――最初に脚本を読んだ時の感想と、どのような心構えでこの作品に臨もうと思いましたか。
桜井ユキ 出演のお話を聞いてすぐに原作を読ませていただいたのですが、率直に「やってみたいな」と思う反面、プレッシャーも感じました。DV(ドメスティック・バイオレンス)という、未だ出口が見えていない問題が題材であり、実際に被害にあった方がいるということを調べれば調べるほど、しっかりと体現できるだろうかという不安がありました。迷いはしましたが、やるからにはしっかりとリアリティを持って演じたいという思いがありました。
川西拓実 すごく面白いと思いました。ちょっと触りだけ読もうと思ったら、気づいたら読み終わっていました。実際にDVに悩まれている方がいるので、役を演じるにあたりすごく責任を感じました。また、この作品から人間や日本人の良さ、またダメなところもすごく伝わってきました。
――川西さんは事前にDVについて調べられたそうですね。
川西拓実 もともとDVという言葉は知ってはいましたが、あまり深くは知りませんでした。今回の撮影をきっかけにDVについて詳しく知る良い機会になりました。DVが犯罪として報告されることが少ないということも知らなかったです。僕のように、まだDVについて詳しく知らないという方にも見ていただきたいという思いがあります。
――お二人が演じる役どころについて、どんなキャラクターと捉えて、どんな風に演じられましたか。
桜井ユキ 私が演じる北川薫は、正義感が強く優秀ですが、ある理由から捜査一課から左遷された経緯を持つ警部補です。薫は物言いも強く、思ったことをハキハキ言うタイプですが、それはあくまでも虚勢だと捉えていました。いわゆる「強い女性」という人間像にはしたくなかったですし、監督ともそこを特に話し合いました。悩み事や揺れている部分を、心地の良いところに落とし込むことはせず、揺れている状態でそのままいればいいという思いで演じました。定まっていない薫という人間性が、逆にすごく人間臭くて魅力的だと思いました。
――ご自身と共感できる点はありましたか。
桜井ユキ 共感できるポイントは多々ありました。自分はこう見られたいけど、その強さが自分の中にはないという時、ありたい自分を演じるという感覚は、私自身も思い当たる部分です。共感できる部分とできない部分が半々ぐらいありましたが、共感できない部分を突き離さずに、彼女の人間性を自分の中に落とし込むように努めました。
――川西さん演じる荒木悠真はどのような人物ですか。
川西拓実 荒木悠真は、桜井さん演じる薫の後輩刑事で、刑事としては半人前ですが、純粋で思いやりのある人物です。この登場人物の中で、一番客観的な視点を持つポジションだと思います。若者代表、男性代表という視点で、こういったテーマの作品を避けがちな層にも届けられるように、という思いがありました。
――荒木を演じる上で、ご自身との共通点はありますか。
川西拓実 荒木は、何も分からないからこそ、興味を向けることができるという良さがあると思っています。自分もそういったところがあると感じています。また、今回は初めての社会人役ということで、髪型にもかなりこだわって、撮影中も何度も整えました。普段はズボラなのでとても気を遣いました。
――桜井さんから見た川西さんの印象はいかがでしたか。
桜井ユキ 荒木は、無鉄砲に発言したり空気を読めないように振る舞う場面もありますが、実はその人の本質をすごく見ていたりします。ただの「空気が読めない若者」ではなく、奥にある繊細さが、川西さんと近しいなと思いました。
――撮影で、お互いのすごかったところや、刺激を受けたところについてお聞かせください。
桜井ユキ 最初のお芝居のリーディングの時、川西さんがお芝居に入っていく境目がすごくナチュラルでシームレスだと感じ、感動しました。私はスンと潜るような感じで、ちょっと切り替えが必要なタイプなので、川西さんはそこがスッと切り替わる。また、私が演じる薫は、いろんなことを逡巡しながら言葉を発するので、間が生まれるのですが、その間を感じ取る感度が一緒にお芝居をしていてすごく心地が良くて素晴らしいなと思いました。
川西拓実 「これが女優か」と思いました。桜井さんの画面に映った時の画力(えぢから)、誰も真似できないものを持っているのが本当にすごいと思いました。特に、現場でセリフや動きが変わったときの対応力はとても勉強になりました。僕が間違えて桜井さんがやる予定の行動をやってしまった時、桜井さんが瞬時に演技を変えられたのを見て、すごいなと思いました。
――具体的にどのシーンだったのでしょうか?
川西拓実 第1話のとある男性の部屋に2人で訪ねるシーンです。
桜井ユキ 台本では、薫が訪問する際にインターホンを押すことになっていたのですが、後ろを歩いていた川西くんが、前に割り込んできて。台本に「荒木がインターホンを押す」と書いてあると勘違いしたみたいで。私は「あっ、私の取られた!」と思いました(笑)。
川西拓実 そうなんです。完全に「荒木が押す」と書いてあると思って、助監督に確認したら「そうです」と言われたので、やったら「え?」みたいな感じになって(笑)。
桜井ユキ 結果的に、監督も「でも荒木っぽくていいんじゃない」という風になり、それが採用されました。
川西拓実 あの時はすみません(焦)。僕だったら絶対にあんな風に対応はできないです。
同じ土俵でやっているので、負けちゃいけない(川西拓実)
――初めて共演する前と後で、お互いにどんなイメージやギャップを感じましたか。
桜井 川西さんはもっとクールでアーティスティックな方なのかなと想像していました。でもお会いしてみたら違ってすごく良いギャップがありました。暑い日の撮影で「日傘とか全然大丈夫。もう男は焼けてなんぼなんで」とか言っていたり、すごく自然な感じの方でした。
川西拓実 共演前の桜井さんのイメージは、クールな方なのかなと思っていました。実際、そういった一面もあるのですが、想像していた感じと全然違いました。気さくにたくさんお話しますし、周りのスタッフのみなさんへの気配りもすごいと思いました。そして、桜井さんはすごく照れ屋さんだと感じました。
桜井ユキ そうなの? それは自分でも知らない一面かも。
川西拓実 ここがという感じではなく直感なのですが、お話していて、そうなんじゃないかと思いました。
――劇中ではDV被害者の女性たちのシスターフッド(連帯)が描かれています。桜井さんは現場で同性ならではの支えや力を感じましたか。
桜井ユキ シェアハウスの住人役の皆さん(多部未華子、トリンドル玲奈、上原実矩、須藤理彩など)とは、撮影日数は少なかったのですが、非常に密な時間を過ごせました。最初、監督から「シェアハウスの空気が出来上がっているから、桜井さん、入れてもらえないと思うよ」と言われて「そんな感じなんだ!」とすごいドキドキしながら現場に行ったのですが、結婚の話や食べ物交換などプライベートの話を通じて、すぐに仲良くなりました。ただ、竹財輝之助さんが一緒にいる時に、女性陣の盛り上がりがパワフルすぎて、竹財さんがまるで離島にいるような感じになってしまって(笑)、女性ならではのエネルギッシュな強さを感じました。
――上司(薫)と部下(荒木)のバディを演じるにあたり、意識されたことはありますか。
川西拓実 部下なので隣ではなく、ちょっと後ろにいる立ち位置を大事にしようと意識しました。また、上下関係はあるのですが、お芝居をするにあたっては同じ土俵でやっているので、負けちゃいけないという気持ちもありました。もちろん経験値は全然少ないんですが、やっている時は気にしないようにしていました。
桜井ユキ 「経験の浅さや上下はない」という考えを川西さんはお話されていましたが、本当にその通りだと思います。委縮してしまうとパフォーマンスができなくなってしまうので、そこに気づいて臨めるのは、勘が良い方なのだと改めて思いました。
2人が撮影に欠かせないものとは?
――お二人が撮影に入る前や撮影中に欠かせないルーティーンや、アイテムはありますか?
桜井ユキ 絶対に塗るハンドクリームがあります。撮影に限らず、お仕事の時は絶対に塗ります。一日の始まり、メイクをして出る前に塗ることがルーティン化しています。
――なぜそのハンドクリームを塗るのでしょうか?
桜井ユキ 香りがとても落ち着くんです。私たちの仕事は衣装に匂いがついてしまうため、香水をつけられなくて。そうすると手ぐらいしかつけるところがなくて、ハンドクリームを塗るようになりました。
――川西さんはいかがでしょう?
川西拓実 前日の話になりますが、寝る前に頭をマッサージすることです。
――それを始めたきっかけは?
川西拓実 「いい」と人から聞いて、やってみたら、次の日の朝の調子が全然違ったんです。そこからやるようになりました。普段はあまりやらないんですけど、ライブの前日とか、ちょっと特別な日の時にやっています。
――「隠れた見どころ」で、注目してほしいところはありますか?
桜井ユキ 第1話に出てくるラーメンを食べるシーンです。時間のない中、食事を済ませるという設定だったので、私は朝8時ぐらいの撮影で、朝から頑張ってラーメンを食べていたのですが、川西君がびっくりするぐらい全然食べなくて(笑)。
川西拓実 僕、かなり少食なんです。朝からラーメンはきつくて...。
桜井ユキ どちらかが食べなきゃいけないから私が頑張って食べていたら、川西君は真顔で「めっちゃ食べますね」って(笑)。私は朝から2、3杯食べました。
――それは桜井さんがすごい頑張ったシーンということですね。
桜井ユキ 本当に頑張りました。
――川西さんの隠れた見どころはどうですか?
川西拓実 警察手帳用の写真を撮ったのですが、それがなかなか出てこないんです。さっきお話ししたインターホンのシーンで、一瞬だけ出てくるので、隠れた見どころになっています。
桜井ユキ ちゃんと制服やバッチなど、本物と変わらないものだとお聞きして、かなりこだわって撮影しました。
川西拓実 桜井さんの警察手帳は、本物の刑事感が出ています。
――最後に本作を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
川西拓実 すごくためになることや、勉強になることがたくさん入ったドラマだと思います。DVがなくなることが一番ですが、実際に起きてしまったら、もしそれを見てしまったらどうすればいいかなど、考えるきっかけになればいいなと思います。今の時代に必ず見なければいけないものがある。『シャドウワーク』はそんなドラマだと思いますので、絶対に観た方がいいです!
桜井ユキ 人と交わるということは難しいこともたくさんありますが、この作品は最終的に人との関わりによって生まれる選択肢がテーマになっています。誰かに助けを求めるとか、人との関わりが大切だと強く感じました。ぜひドラマの最後まで注目してもらえたら嬉しいです。
(おわり)
桜井ユキ
ヘアメイク/石川奈緒記
スタイリスト/道端亜未
川西拓実
ヘアメイク/菅野綾香
スタイリスト/Lim Lean Lee
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