『第76回NHK紅白歌合戦』の制作統括を務める篠原伸介氏が14日、囲み取材に応じ、司会や本日発表されたばかりの出場歌手選考、そして番組の未来に関する詳細な展望を語った。

 今年のテーマは「繋ぐ つながる 大晦日」で、NHKにとってはラジオ放送開始から「放送100年」という大きな節目を迎える紅白となる。

 篠原氏は、例年以上に「公祝彩のある紅白を是非作り上げていきたい」と意気込みを表明し、司会の綾瀬はるか、有吉弘行、今田美桜、そして鈴木奈穂子アナウンサーとともに「素晴らしいステージ」を視聴者に届けたいと述べた。

 取材陣から最も注目が集まったのは、3年ぶりとなるSTARTO ENTERTAINMENT所属アーティストの出場について。

 今回、King & Princeの2人が出場歌手として名を連ねたが、篠原氏は今年の彼らの「活躍」と「世論の支持」が目覚ましかったことを理由に挙げた。レギュラー番組などでSTARTO社のアーティストと関わる機会があったことに加え、彼らの目覚ましい活躍を踏まえ交渉を進めた結果であるとした。

 篠原氏は、King & Princeの2人を紅白で迎えられることは「大変私としては大きな喜びとして受け止めております」と、制作統括としての喜びを率直に表現した。

 また、多くのファンが期待を寄せる嵐やSnow ManといったSTARTO社の他のアーティストについて、今後追加交渉や出演の予定があるかという質問も出た。

 篠原氏は、嵐について「大変注目の大きい方」としつつ、「今日発表させていただいた現時点で決まっている方については、今日の発表の通りとなります」と現段階での明言は避けた。

 しかし、その上で、「出演してほしいという声が、アーティストについては、私の方でも引き続き継続的に交渉をさせていただく」と述べ、STARTO社に限定せず、期待値が高い全てのアーティストに対し、最終調整に向けて交渉を継続していく姿勢を明言した。

 今年の大きなテーマである「放送100年」の企画内容については、まだ中身を固めている段階であるとしながらも、個人的な希望として、「放送100年の歴史」や「76回を数える紅白が追ってきた音楽」を紹介できるコーナーを検討していることを示唆した。

 篠原氏は、紅白が「大晦日といえば紅白」という存在であり、自身も子供の頃から見てきた「一番大きい番組」であると述べた。

 また、今年のテーマ「繋ぐ つながる 大晦日」は、ノスタルジックなものだけでなく、次の100年へ向かう「未来志向」なテーマであると強調。デジタル時代を踏まえ、NHKプラスやスマートフォンでの視聴者が増えることも意識しつつ、未来の紅白への意欲を持って制作に取り組んでいると語った。

 出場歌手の選定については、今年の「活躍」「世論の指示」「番組の企画演出」の三点を重視した結果、37組を選定したと改めて強調した。

 今回は岩崎宏美(15回)、久保田利伸(2回)、TUBE(3回)のように、20年以上ぶりに出場するベテラン勢が目立mつ。これは、放送100年という節目に、音楽の長い歴史の中で活躍してきた「レジェンド的なアーティスト」にも出演してもらい、皆で楽しんでほしいという狙いがあると説明した。

 一方で、FRUITS ZIPPER(初)とCANDY TUNE(初)といったKawaii Laboからの2組が初出場を果たすなど、新潮流のアーティストも積極的に起用。篠原氏は、両組ともそれぞれ「素晴らしいご活躍をされた一年だった」と評価した。

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