INTERVIEW

山﨑賢人

集中力の源泉 新キャストとの刺激「最高の仲間と作るから頑張れる」:「今際の国のアリス」シーズン3


記者:村上順一

写真:冨田味我

掲載:25年10月03日

読了時間:約6分

 俳優の山﨑賢人が、Netflixシリーズ「今際の国のアリス」シーズン3(9月25日より世界独占配信)に出演。シーズン1、2に続き、主人公・有栖良平(アリス)を演じる。シーズン1は世界70以上の国と地域でTOP10入り、シーズン2では90以上の国と地域でTOP10入りしただけでなく、うち17の国と地域で首位を獲得するなど、日本発作品として異例の快挙を成し遂げた同シリーズ。新シーズンでは、アリスとウサギ(土屋太鳳)が、再び命懸けの「げぇむ」に挑む。インタビューでは、第23回ニューヨークアジアン映画祭で日本人初の「The Best from the East Award」を受賞するなど、国内外で確固たる存在感を示す山﨑が「シリーズ最高傑作」と語る今作への熱い想いを語った。(取材=村上順一/撮影=冨田味我)

早くこの感動を皆さんと分かち合いたい

山﨑賢人(撮影=冨田味我)

――配信が決まって周りからの反応はいかがですか。

 「今際の国のアリス」シーズン3の配信が近づき、ファンの皆さんから「本当に楽しみにしているよ」という温かいメッセージをたくさんいただいています。これだけ多くの人に愛され、期待されている作品は滅多にないと思うので、作り手としてとても嬉しく感じています。シーズン3も自信を持って「面白い!」と言える仕上がりなので、早くこの感動を皆さんと分かち合いたい、そんな気持ちでいっぱいです。

――今回、「今際の国のアリス」シーズン3が完成し、ご覧になった率直なご感想をお聞かせください。

山﨑賢人 自分自身で観てもすごく面白くて。CGだったり現場で見えない部分もたくさんあったので、完成したものを観た時にとても感動しました。やっぱり“あんな状態”の渋谷って見たことないじゃないですか。また、原作にあって、シーズン1、2ではチョイスされなかった「おみくじ」や「暴走でんしゃ」といったげぇむも今このタイミングだからこそできた、受け入れてもらえる内容になっているんじゃないかと思っています。

――日本らしい要素もたくさん含まれていますよね。

山﨑賢人 本当にそうです。東京の街や神社など、日本らしいところがたくさんあって、日本の作品として、さらに自信を持って届けられる内容になっていると思います。

――想像しながら撮影していたシーンも多かったと思います。CGやVFXが加わって、一番驚いたシーンはどこでしたか?

山﨑賢人 どれも想像していたものを超えていましたが、「暴走でんしゃ」がとてもかっこいい仕上がりになっていて、すごく好きなシーンの一つです。それから、「缶けり」もとても印象に残っています。現場では缶を蹴るとこうなる、といった説明は受けていましたが、実際に缶がロケット噴射して飛んでいく様を見た時はとても驚きました。

――「ミライすごろく」も圧巻でした。

山﨑賢人(撮影=冨田味我)

 「ミライすごろく」の部屋はたくさんありますが、撮影では2部屋しかなかったんです。その中で部屋をちゃんと移動しているように見せているのが、すごいなと思いました。撮影はかなり大変だったのですが、今どの部屋にいるのか、その都度監督に確認しながらやっていました。

――集中力が必要なシーンが多いと思いますが、山﨑さんが集中力を切らさない秘訣のようなものはありますか?

山﨑賢人 そこは気合です(笑)。もう心に決めてやるしかないという感じです。とはいえ、とても良い環境で現場にいられることが大きいです。佐藤信介監督とも長年一緒にやっていますし、太鳳ちゃんもそうです。とても安心感がある中で、自分の大好きな人たちと一緒に作品を作れているということが、当たり前じゃない、すごく幸せなことだと思いながらやっています。集中力が切れそうになったとしても、みんなと一緒だから頑張れるというのは大きいです。それに、シーズン3から新しく参加されたキャストの皆さんも素敵な方ばかりで、一緒にやっていてモチベーションもすごく上がりました。

――キャストはもちろんですが、撮影に欠かせないモチベーションを高めるアイテムはありますか?

山﨑賢人 その時々で、自分が落ち着くものやテンションが上がるものは変わっていくので、決まったものはないです。おそらく皆さんもそうだと思いますが、心を落ち着けたりテンションが上がることはやっていますが、どちらかといえば静かに集中するタイプかもしれません。

――音楽を聴いたりも?

 僕は尾崎豊さんがすごく好きで聴きますが、撮影前は意外と音楽は聴かないかもしれないです。ただ、テンションを上げたいと思った時は、レッチリ(Red Hot Chili Peppers)を聴くことが多いです。

意識したのは「より強いアリス」

山﨑賢人(撮影=冨田味我)

――シーズン3のキーパーソンとなる賀来賢人さんから刺激を受けたりも?

山﨑賢人 もちろんです。賀来君とは別の作品でご一緒していたのですが、以前共演した作品はコメディ作品だったので、今回のようなシリアスな作品でまたご一緒できたのは新鮮でした。賀来君も本当に素敵な方で、一緒にやっていてすごく楽しかったですし、たくさん話もしました。

――どのようなお話を?

 真剣なお芝居の話もしましたし、とても気さくな人なので、他愛もない会話もしました。とても楽しかったです。

――W主演を務める土屋太鳳さんとは、どのような会話をされましたか?

山﨑賢人 10年以上前から知っているんです。太鳳ちゃんとはシーズン1、2と続いて、また一緒にこうやってできるのが、「当たり前じゃないよね」「共演できるのは本当に嬉しいことだね」という話をしていたのが印象的でした。また、「もうすぐ30歳だね」とか、年齢の話もしたり(笑)。太鳳ちゃんもお母さんになって、ウサギ自身もお腹に子どもがいてお母さんになるという、リアルと作品の環境がリンクしているような中で、近くで同じ時間を共有できたのは、とても感慨深かったです。

――シーズン3のアリスを分析すると、どのような人になっていると思いますか。

山﨑賢人 シーズン1、2を経て、アリスはカルベやチョータを失ったという経験があります。シーズン3でアリスは心理カウンセラーの道を歩んでいますが、これは少し大人になったというか、トラウマを乗り越えて、ウサギという素敵なパートナーに出会い、より誰かの気持ちを考えられる人に成長しているんだろうなと思いました。

――アリスは心理カウンセラーを志していますが、演じる上でそこも意識されていましたか。

 心理カウンセラーとして、自分が「こういう人だったらいいな」という理想の“カウンセラー像”をイメージし、逆に「こんな人だったら嫌だな」という部分を排除していきました。また、今際の国に戻ってからは、シーズン1、2の経験を経ているからこそ、「より強いアリスでいよう」というのは意識していました。

――最後に、シーズン3の見どころを皆様一言お願いします。

山﨑賢人 シーズン1、2を超える、皆様の期待を超える「今際の国のアリス」になっているので、ぜひご覧ください!

山﨑賢人(撮影=冨田味我)

(おわり)

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