Little Black Dress、昭和歌謡のエッセンスも 曲作りはペットのトカゲとの共同生活で
INTERVIEW

Little Black Dress

昭和歌謡のエッセンスも 曲作りはペットのトカゲとの共同生活で


記者:村上順一

撮影:村上順一

掲載:25年08月22日

読了時間:約6分

 シンガーソングライターのLittle Black Dressが、7月23日にメジャー1stアルバム『AVANTGARDE』をリリース。Little Black Dressはシンガーソングライター・遼によるソロプロジェクトだ。彼女のキャリアは2016年春に上京後、奈良県の春日大社で開催された『MISIA CANDLE NIGHT』でオープニングアクトに抜てきされたのがきっかけで始まった。この公演で、クリエイティブディレクターの信藤三雄氏から「Little Black Dress」というアーティスト名を授かった。

 メジャー1stアルバム『AVANTGARDE』は、全楽曲の作詞・作曲を遼本人が手掛けている。「闘うことをおそれるな」という力強いメッセージを込めたリード曲「アヴァンギャルド」をはじめ、足立梨花主演ドラマ『マイ・ワンナイト・ルール』の主題歌「PLAY GIRL」など、全7曲を収録。サウンド面では、塚田耕司、曽我淳一、宮永治郎、笹路正徳といった編曲家が参加しており、聴き応えのある作品となっている。

 voisでは、唯一無二の「歌謡ロック」を追求し続けるLittle Black Dressへの動画インタビューを実施。ニシアフリカトカゲモドキとヒメハリテンレックをペットとして飼っている彼女が、動物たちから受ける音楽への影響や、自身のルーツである歌謡曲からインスパイアされたという“ダサポイント”へのこだわりについて話を聞いた。

大きい音を出す奴だと思われているかも(笑)

Little Black Dress

──Little Black Dressさんはニシアフリカトカゲモドキ2匹、ヒメハリテンレック1匹を飼われていますが、そのペットたちが音楽に影響を与えることはありますか?

 直接的に動物の名前が分かりやすく出ている曲はリリースしていませんが、愛しさや可愛い気持ちなど、自分の愛らしい存在からしか生まれない感情は、まだ世に出ていない曲の中にはあります。例えば、掃除したばかりの場所にマーキングされたりするのですが、世話が焼ける部分も可愛く感じて、それを歌詞にすることもあります。ただ、彼らは大きな音が苦手なので、大きい音を出すとプルプルと震え出してしまうこともあったため、寝室に移動してもらったり、時には私がお風呂場に行って歌を録音したりして過ごしています。大きい音を出す奴だと思われているかもしれません(笑)。

──ペットを飼い始めたきっかけは?

 知人の家に遊びに行った際、トカゲちゃんがいて触らせてもらったんです。最初は苦手だったのですが、触り心地がとても良くて、本当に可愛くて。興味本位でペットショップに行ってみたら、トカゲちゃんと目と目が合って、一目惚れしてしまってお迎えしました。最初は純粋に可愛いからという理由でしたが、今では私にとってメンターのような存在になっています。家で「ただいま」と言うと、3匹とも同じタイミングでこちらを見て出迎えてくれます。

どこかしらに「ダサポイント」がある

Little Black Dress

──さて、メジャー初のアルバム『AVANTGARDE』の隠れた聴きどころを教えてください。

 全楽曲のどこかしらに、私なりの「ダサポイント」があります。例えば、アルバム2曲目の「PLAY GIRL」のサビにある<あなたを捨てます Bye Bye>というフレーズは、クールな曲調の中に、いい意味でのフォークソングのようなダサさというか、人間臭さを出してみました。全7曲のどこかしらに「ダサポイント」があるので、ぜひ探していただきたいです。

──「ダサポイント」を楽曲に入れたいと思ったのはなぜですか?

 私は昭和歌謡が好きで、昭和歌謡を聴いていると、いい意味で「ダサい」と感じる部分がすごく心に残るんです。例えば、ピンク・レディーさんの「UFO」の振り付けのように「ダサかっこいい」、癖になるポイントは大事にしています。これはデビュー当時からずっと続けていることで、どこに「ダサポイント」を入れるかが自分の趣味のようになっていて楽しいです。ファッションなど、普段の生活でも「ダサい」という感じとはまた違うのですが、「抜け感」やバランスはすごく意識しています。

──アレンジャーの方々との制作で、面白かったことや印象的だったことはありますか?

 リード曲の「アヴァンギャルド」がまさにそうなんです。その「ダサさ」を追求するというのが非常に難関で、最初に私が作り込んだデモをアレンジャーの塚田耕司さんにお送りしたら、すごくおしゃれなサウンドになって返ってきたんです。それはとてもおしゃれでイマドキで好きだったのですが、Little Black Dressがリリースする曲として考えた時に塚田さんに、「すいません、このおしゃれな部分、全部削ってください」とお伝えしました。塚田さんは頭を抱えながらも、やってくださいました。

──最後に、メジャー1stアルバム『AVANTGARDE』を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。

 この度、メジャー1stアルバム『AVANTGARDE』を7月23日にリリースします。私自身が全楽曲の作詞・作曲、そして数曲アレンジも頑張ってみました。このアルバムはメジャー1stアルバムということで、何十年か活動を続けていき、1曲1曲を振り返ったときにどんな時代だったか、どんな人たちと関わっていたのかとか、そういうものを残せたらと思い仕上げていきました。

 アルバムのリード曲「アヴァンギャルド」は、闘う皆さんにお届けしたい、勇気を感じていただきたい。歌謡ロックなんだけど、打ち込みでダンサブルな世界観を表現しています。アレンジャーの塚田耕司さん、曽我淳一さん、宮永治郎さん、笹路正徳さん、本当に豪華な皆様の力をお借りして素晴らしい彩りを与えてくださいました。いまのLittle Black Dressを詰め込んだ1枚です。ぜひメジャー1stアルバム『AVANTGARDE』を手に取っていただけたら嬉しいです。私の世界を堪能してください。

(おわり)

Little Black Dress

作品情報

タイトル:「AVANTGARDE」
発売日:7月23日

(1)「AVANTGARDE」
*CD ONLY
商品番号:KICS-4211
価格:2,800円(税抜価格2,545円)
https://www.kingrecords.co.jp/cs/g/gKICS-4211/

(2)「AVANTGARDE」KING e-SHOP 限定 SET
*CD+KING e-SHOP 限定オリジナルTシャツ
商品番号:ECB-1790/1791
価格:6,800円(税抜価格6,182円)
https://kingeshop.jp/shop/g/gECB-1790/

<収録内容・曲順>
Little Black Dress メジャー 1st ALBUM「AVANTGARDE」

1.アヴァンギャルド
作詞・作曲:遼 編曲:塚田耕司/遼
2.PLAY GIRL
作詞・作曲:遼 編曲:笹路正徳
3.Lonely Shot
作詞・作曲:遼 編曲:曽我淳一
4.十人十色
作詞・作曲:遼 編曲:宮永治郎
5.メッチャいいじゃん!
作詞・作曲:遼 編曲:曽我淳一
6.チクショー飛行
作詞・作曲・編曲:遼
7.猫じゃらし
作詞・作曲:遼 編曲:曽我淳一

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村上順一

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