乃木坂46「35thSG アンダーライブ」の最終公演が6月9日、有明アリーナで開催された。35thシングル「チャンスは平等」のアンダー楽曲「車道側」歌唱メンバーによる今回は、初めて4期生と5期生のみで臨むアンダーライブ。6月7日から3日間にわたり同会場にて実施されたほか、最終公演はインターネット配信も行われた。

 【写真】乃木坂46「35thSG アンダーライブ」の模様

 奥田いろはがスケジュールの都合で初日のみの参加となり、14名で臨んだ千秋楽公演。「OVERTURE」に続いて派手なイントロが爆音で鳴り始めると、メンバー1人ひとりにスポットライトが当たり、観客は早くも大きな盛り上がりを見せる。最後に本公演の座長である筒井あやめがステージ後方からポップアップで登場し、「アンダーライブ、盛り上がっていくぞ!」の雄叫びとともに「ジャンピングジョーカーフラッシュ」にてライブをスタートさせた。

【撮影=鈴木健太(KENTA Inc.)】

 オープニングから激しいパフォーマンスが展開され、オーディエンスの熱気はいきなり最高潮に到達。菅原咲月の「有明アリーナ、騒げーっ!」という煽りから始まる「バンドエイド剥がすような別れ方」でもその勢いは衰えることなく、前2公演をはるかに上回る熱量で観る者を魅了する。その後も冨里奈央によるコール&レスポンスを交えた「自惚れビーチ」、センターの中西アルノを中心にフレッシュさを強く打ち出した「思い出が止まらなくなる」、シンガロングで会場がひとつになる「13日の金曜日」と、新旧のアンダー代表曲が次々繰り出されていった。「13日の金曜日」が終わったあともリズムは途切れることなく、メンバーがひとりずつこの日の意気込みを叫んでいき、筒井のクールなソロダンスを経て「錆びたコンパス」に突入すると、大きな歌声が会場を包み込む。

 そこからメンバーの華麗なダンスをフィーチャーしたインストパートで流れを変えると、小川彩が大人びた表情を浮かべる「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」、柴田柚菜が艶やかな歌でグループを牽引する「嫉妬の権利」、金川紗耶がエモーショナルさを強く打ち出す「不等号」と、過去のアンダー楽曲を今ならではの表現でパフォーマンス。「狼に口笛を」では黒見明香が先頭に立ち、エネルギッシュなダンスでライブをこの日最初のクライマックスへと導いた。往年のアンダーライブを彷彿とさせる10曲ノンストップでライブをお届けしたところで、ようやくこの日最初のMCへ。

 座長の筒井は「今回のアンダーメンバーはすごく仲が良いなと思っていて。先輩後輩の関係だけど変な壁がなくて。そんなチームワークの良さを最終日にバッチリ見せつけてやろうと思います」と自信満々に語る場面もあり、その後のトークでもメンバー同士の仲の良さをたっぷり確認することができた。

 トークで会場が和んだあとは、ユニットコーナーへ突入。初日は佐藤璃果を中心に猫のコスプレ衣装で歌唱した「流星ディスコティック」や奥田が透明感の強い歌声を響かせた「立ち直り中」、2日目は曲中に岡本姫奈が早着替えを披露した「Out of the blue」や矢久保美緒を筆頭にセクシーさと凛々しさが混在するパフォーマンスを見せた「革命の馬」など印象的なユニットが多数用意されたが、最終日は小川のヒップホップダンスをフィーチャーした「ブランコ」を筆頭に、林瑠奈をはじめとするメンバーが伸びやかなボーカルを届ける「羽根の記憶」、金川のセリフと素直な歌声が印象的な「その女(ひと)」、中心に立つ清宮レイが圧倒的な存在感を放つ「Against」と、ユニットごとにカラーの異なるパフォーマンスを展開する。4曲終えたところで再びメンバーが勢揃いし、「ハウス!」や「扇風機」を披露。一部メンバーはフロートに乗ってアリーナ中を回遊し、観客を楽しませた。

【撮影=鈴木健太(KENTA Inc.)】

 アンダーライブならではのバリエーション豊かさを提示したユニットコーナーを終えると、今回のアンダーライブの見どころのひとつである企画コーナーへ。

 初日は今回のアンダーライブにおけるキャプテンに就任した松尾美佑にちなんだゲーム、2日目は筒井の20歳の誕生日当日ということで彼女のお祝いしつつセクシー一言対決が繰り広げられたが、最終日はもうすぐ17歳になる小川の発案で4期生と5期生が体力測定で対決する。

【撮影=鈴木健太(KENTA Inc.)】

 サインボールの飛距離対決では清宮が一番遠くまでボールを投げ、4期生が1ポイント獲得。続く三輪車リレーでは岡本が後ろに進むというハプニングがあったものの、最終的に5期生が勝利して100ポイント獲得して逆転してみせた。
座長・筒井あやめの魅力をメンバーがコメントしていくVTRパートに続いて、ライブは「日常」から再開。筒井をセンターに迎えたこの曲では、普段の筒井からは想像もできないような鬼気迫る表情とパフォーマンスで観客を圧倒させてみせる。

 その勢いを菅原&冨里のWセンター曲「Hard to say」、林が単独センターを受け持つ「さざ波は戻らない」が引き継ぐと、松尾のダイナミックなダンスが際立つ「踏んでしまった」、中西の圧巻なボーカルと清宮の英詞セリフに観客が沸き上がる「Actually...」で、ライブはクライマックスに突入。

 その勢いのままエンディングに入るのかと思いきや、筒井の「私にとって大切な曲。皆さんに届きますように」というメッセージに続いてバラードアレンジが施された「夜明けまで強がらなくてもいい」で場の空気を一変させる。筒井をはじめ、ステージに立つメンバーたちの感情たっぷりの歌声は、観る者すべての心を鷲掴みにし、感動的な空間を作り上げていった。

【撮影=鈴木健太(KENTA Inc.)】

 最後の曲に入る前、座長の筒井は「初めての座長という立場で、自分に何ができるのかなと悩んでいたんですけど、そんな悩む必要はありませんでした。みんな一人ひとりできることをやって、この場所を守るために頑張っていて、そんなみんなで今日まで作り上げてきました」と自身の思いを吐露。

 続けて「新しい自分に出会えるかもしれないというワクワク、ドキドキで始まった35枚目シングル期間。私は自分のことがより好きになりました。尊敬するメンバー、大好きなスタッフさん、応援してくれているファンも皆さん、誰かひとりでも欠けたら成り立たなくて、そんな貴重な、奇跡のような瞬間を過ごしています。4期生、5期生だけのアンダーライブ、一人ひとり葛藤があったと思います。でも、その葛藤や不安をつぶすぐらいアンダーライブへの熱い気持ちがありました。その気持ちを頼りに今日まで来ました」と素直な気持ちを伝える。最後に「尊敬する先輩が、私に名付けてくださった革命児という言葉」と卒業生の齋藤飛鳥がかつて名付けたキャッチフレーズに触れ、「乃木坂46に革命を起こせる人になりたいです。頑張ります」と宣言してから深々とお辞儀してみせた。

 そして、会場が温かい拍手に包まれたところで、最後に35thシングル・アンダーメンバーのオリジナル曲「車道側」を披露。全力のパフォーマンスを終えると、筒井は涙ぐみながら「ここにいる15人、みんなで頑張りました。私たちの熱意、伝わりましたか?」と口にし、最後に感謝の言葉を伝えてステージを降りた。

 アンコールでは「ざぶんざざぶん」「太陽ノック」を連発し、ファンをひと足先に夏へと誘う。その後のMCでは黒見が「レイちゃんはこのアンダーライブは最後になるのかな。今回、いろはも含めて15人、笑顔でステージに立てたことがすごくうれしくて。レイちゃん、本当にありがとう」と涙を浮かべながら話すと、これを受けて清宮は「いざ最後ってなるともっと寂しくなるのかなと思ったんですけど、そんなの忘れちゃうぐらい今日は楽しくて。こんなに優しくて温かくて、こんな私を許してくれるメンバー、スタッフさん、ファンの皆さんに支えられていたから6年間走り続けられたんだと思います。本当にありがとうございました」と口にし、「アイドルって応援されてなんぼじゃないですか。でも、私はずっとファンの人を応援したかったし、メンバーのためになれたら、私の存在がプラスになれたら、そういう存在になりたかったので、みんなに寂しいよと言ってもらえたので、ここで流した涙は無駄ではなかったと思いたいです」と笑みを浮かべながら思いを伝えた。

 そして、ラストナンバーとして全員で「左胸の勇気」を元気いっぱいに歌唱。最後にステージに残った筒井が清宮に向けて「レイちゃん、前にアイドル向いてないって自分で言ってたけど、レイちゃんほど向いている人いないよ。よく頑張った。大好き!」と伝え、熱い抱擁を交わしたところで3日間にわたる「35thSG アンダーライブ」は終了した。

【撮影=鈴木健太(KENTA Inc.)】

 本来はここでライブは終了するはずだったが、清宮のペンライトカラーのオレンジに染まった客席からはアンコールを求める声援が鳴り止まない。すると、会場に駆けつけた奥田を含む15人で「ジャンピングジョーカーフラッシュ」を、ダブルアンコールとしてプレゼント。3日間で最高の盛り上がりの中、2時間半におよぶステージを締めくくった。

 2014年からスタートし、今年で開始10周年を迎えた乃木坂46のアンダーライブ。1、2期生が基盤を作り上げ、徐々に会場の規模を大きくしていき、今ではアリーナ規模をソールドアウトさせるまでの名物ライブとなっている。初めて4、5期生のみで挑んだ今回のアンダーライブだが、この日の公演からはそういった先輩たちの意志をしっかり引き継ぎつつも、未来へつなげていこうとする現メンバーの思いも強く伝わってくるものだった。

【撮影=鈴木健太(KENTA Inc.)】

 10周年という大きな節目を経て、アンダーライブは原点を大切にしながらどんな成長/変化を遂げていくのか。ここからの活躍に注目していてほしい。(文/西廣智一)

6月9日(日)セットリスト

0. OVERTURE
1. ジャンピングジョーカーフラッシュ
2. バンドエイド剥がすような別れ方
3. 自惚れビーチ
4. 思い出が止まらなくなる
5. 13日の金曜日
6. 錆びたコンパス
7. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた
8. 嫉妬の権利
9. 不等号
10. 狼に口笛を
11. ブランコ
12. 羽根の記憶
13. その女(ひと)
14. Against
15. ハウス!
16. 扇風機
17. 日常
18. Hard to say
19. さざ波は戻らない
20. 踏んでしまった
21. Actually...
22. 夜明けまで強がらなくてもいい
23. 車道側

アンコール

EN1. ざぶんざざぶん
EN2. 太陽ノック
EN3. 左胸の勇気

Wアンコール

W-EN. ジャンピングジョーカーフラッシュ

-セットリストプレイリスト-
https://nogizaka46.lnk.to/35th_underlive

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