作家の紗倉まなが20日、都内で『ごっこ』刊行記念記者会見に臨んだ。

 【動画】本作への思いを語る紗倉まな。自身の考えや経験が物語や登場人物に反映されているという

 野間文芸新人賞候補となった『春、死なん』以来3年ぶりの本作は、曖昧な関係に振り回される女性の不器用な恋を描いた、「ごっこ」「見知らぬ人」「はこのなか」の3篇からなる小説集。

 「他の原稿で息詰まっていた時に編集者の方に書いてみたらどうかと言われて救われる思いで書きました。今までよりも躍動感のある話が書けたと思います」

 前作では高齢者の性を描いたが、本作では自身初めて恋愛を軸に書いた。「今回は恋愛なので幅広い世代や女性の方にも読んで頂けたら」

 曖昧な関係をテーマにした。

 「人に説明を求められた時にすぐに説明できるもの、そんなに簡単に言葉にできるものだろうかと考えていて、『あなたたちの関係性は何?』と言われた時にうまく説明できないもどかしさをどこかで描きたいと思った」

 その物語に登場する自分つはどれも個性的なキャラクターばかりだ。

 「自分の心の底で濁ってたまっていた思いをどこかで描きたいと思って。それが感情的だったり激しい登場人物たちの気質に影響したと思います」

紗倉まな

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