堂珍嘉邦×藤巻亮太「まだまだ発展途上」対談で見えた2人の可能性
特別企画

堂珍嘉邦×藤巻亮太

「まだまだ発展途上」対談で見えた2人の可能性


記者:村上順一

撮影:

掲載:22年10月11日

読了時間:約12分

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 堂珍嘉邦と藤巻亮太が10月15日と16日、茨城・水戸市 千波公園ふれあい広場/さくら広場で開催される『BLUE EARTH MUSIC FEST 2022 in MITO supported by 茨城日産グループ』に出演する。昨年行われたバーチャルライブ『めざましライブ』で初共演した堂珍嘉邦と藤巻亮太。市原市主催によるリアルライブを今年3月に開催したのも記憶に新しい。同世代でソロ活動も共に10周年という繋がりもある2人。3月の2マンライブではどのような発見があったのか、もし2人が入れ替わったらどんな曲を歌ってみたいか、“堂珍藤巻”の未来をどう見据えているのか、など2人に話を聞いた。【取材=村上順一】

藤巻くんの目がキラキラしていたこと(堂珍嘉邦)

堂珍嘉邦

――キャリアを重ねてきて、歌、声の変化は感じていますか。

堂珍嘉邦 僕は昔と比べるとローが厚くなってきたなと感じています。あと、昔よりもすんなりと声が出せるようになったなと思っていて。藤巻くんもそういうのありません?

藤巻亮太 うーん、どうなんですかね? 僕はまだどうしても力みが出てしまうので、その課題が今あります。若い時の力で持っていく感じがまだ残っていて、それが自分の歌だと思っていたんですけど、それだと続いていかないんじゃないかなと思いました。まだ無駄な力が入っているんだと思います。

堂珍嘉邦 僕もまだまだ力んでしまうところはあります。自分の場合は一曲を一つの作品として捉えた時にテンション感や熱量の放出の仕方で歌ったら良いのかというのは考えます。そこまで意識しているという感じではないんですけど、自然と狙っているんですよね。なので、ステージに上がるテンション感を追求しています。

――堂珍さんは藤巻さんの歌声をどのように捉えていますか。

堂珍嘉邦 ライブを一緒にやった時に、藤巻くんの声の圧力がすごくて、強さも感じました。あと、ライブ中は安心感がすごくある中で、良い緊張感もありましたね。

――藤巻さんは、堂珍さんの声をどのように感じていますか。

藤巻亮太

藤巻亮太 堂珍さんの声が突き抜ける感じで、すごく存在感があります。僕はギターを弾きながらずっと歌ってきたんですけど、ちょっとギターの方に意識がいっていることがあって。堂珍さんの歌はずっとシンガーとしてやってこられた方の歌声で、やっぱりすごいなと思いながら一緒にやらせていただいています。

――今年の3月に2マンライブ『堂珍嘉邦×藤巻亮太 Special 2man Live』が行われましたが、印象的だったことは?

堂珍嘉邦 藤巻くんの目がキラキラしていたこと(笑)。

藤巻亮太 なんですか、それ(笑)。僕は“フジマッキー”と堂珍さんから呼んでもらえたことですね。でも、今日は「藤巻くん」と呼ばれたので、あれっ? と思って...。

堂珍嘉邦 そうだった、ごめん! 忘れてた(笑)。

――藤巻さんは堂珍さんにそういったニックネームはつけない?

藤巻亮太 僕からは無理ですよ! 堂珍さんから言っていたけるのであればウェルカムですけど(笑)。

堂珍嘉邦 (笑)。

藤巻亮太 ライブではそういうMCで堂珍さんが和ませてくれて、お客さんとの距離がグッと近づいた感じがしました。あと、お互いの曲を一緒に歌ったんですけど、自分がギターで作ってきた曲と、CHEMISTRYさんの緻密で、おそらく鍵盤で作っているであろう曲というのは、歌への寄り添い方がまた違うんだなと。すごく新鮮な気持ちで歌えましたし、とにかく美しい曲だなと思いました。

堂珍嘉邦 フジマッキーが、ギターを持たずにマイクだけで歌っている姿というのは、何も知らない方からしたら普通のこととして観てしまうと思うんです。でも、これはすごく特別なことだと思います。この例えが合っているかわからないですけど、ギターを持たないというのは、刀を鞘にしまっている状態じゃないですか。でも、真っ直ぐな感じがすごく良かったんです。

藤巻亮太 CHEMISTRYさんの曲は、コードのテンション感とかギターも難しいんですよ。せっかく堂珍さんと一緒に歌わせていただけるのだから、歌に集中してやってみたい。周りのミュージシャンの方も素晴らしかったので、飛び込ませていただきました。堂珍さんだからこそ胸を貸していただいたというところもあります。

堂珍嘉邦 ハンドマイクで歌っているフジマッキーがすごく愛おしかったんです。

藤巻亮太 頑張っている感が出過ぎちゃいました(笑)。

堂珍嘉邦 僕はCHEMISTRYで相方がいますから、その日のテンション感というのはすごくわかるんです。気持ちが自然と歌に乗っているなとか。すごくピュアなフジマッキーが隣で歌っていると、自分もすごくそのテンションに感化されるんです。お互い20年選手、歌う時にピュアな気持ちになっているというのは、すごく良いことだなと思いました。

――お2人で歌われたTHE YELLOW MONKEYや奥田民生さんのカバー曲もすごく良かったですよね。1曲目に「LOVE LOVE SHOW」を選ばれた意図は?

藤巻亮太 世代的にも聴いてきましたし、お客さんも盛り上がってもらえるんじゃないかなと思って。色々候補を上げさせていただいたのですが、僕ら2人は割とオリジナルでバラード曲が多いというのもあり、皆さんが知っていてハッピーになってもらえる曲というところでの選曲でした。アンコールは奥田民生さんの「愛のために」でライブを締めくくったんですけど、堂珍さんが「愛で始まって、愛で終わる」と上手いことを仰って。

――お2人の共演は愛なんですね!

堂珍嘉邦 そういう2人には見えないと思いますけど(笑)。

2人のルーツとは

堂珍嘉邦

――個人的にお2人共作のオリジナル曲というのも聴いてみたいのですが、実現しそうですか。

堂珍嘉邦 以前「曲作ってみようか」という話をフジマッキーに話したら、「堂珍さんが歌詞を書いてくれたら曲をつけますよ」という返事をもらったんです。要するにまだです(笑)。

藤巻亮太 こういった縁をいただいて、すごく楽しみですよね。ステージでご一緒させていただいてフィーリングもわかってきて。堂珍さんのソロ曲を聴かせていただいた時に、CHEMISTRYさんとはまた違う美しい世界、ロックなサウンドや佇まいがすごく好きなんです。自分も洋楽に影響を受けながら曲を作ってきて、2人で作ったら親和性の高いものが生まれるんじゃないかなと思っています。

――お好きなアーティストとかもリンクしていると思うので楽しみです。

堂珍嘉邦 でも、お互いのルーツみたいなところは、まだ話したことがないんですよ。

――そうなんですね。ちなみにお2人はどんなルーツがあるんですか。

藤巻亮太 僕は洋楽だとレディオヘッド、オアシス、ブラーなどをよく聴いてきました。当時、村上春樹さんの小説をよく読んでいて、その世界観がレディオヘッドを聴いている時と近く、何かが歪んでいくような感覚になって心地良かったのを覚えています。

堂珍嘉邦 洋楽を聴き始めたのはビートルズだったと思います。フジマッキーと同じくレディオヘッドやブラー、ブリットポップ系(※1990年代にロンドンやマンチェスターを中心に発生したイギリスのポピュラー音楽ムーブメント)も聴いていましたし、コピーバンドもやったり。僕は並行して尾崎豊さんを聴いていて、人前で歌う時は尾崎さんの曲をよく歌っていました。90年代は音楽バブルでしたし、100万枚CDを売るアーティストもたくさんいたので、手当たり次第聴いていた感じもありました。ルーツとなるとちょっと難しいけど、ビートルズは好きでよく聴いていたので、ルーツの一つになると思います。

――UKというところで繋がっているところもありますね。ちょっと変な質問なんですけど、もしお二人の意識が入れ替わったとしたら、どんなことをしてみたいですか。

藤巻亮太

藤巻亮太 僕が堂珍さんの声になるんだったら、エアロスミスやB'zさんとか歌ってみたいなと思いました。カラッとした感じでやってみたくて、それがすごく似合うと思うんです。堂珍さんのソロ曲はウェットな部分もあるので、逆にカラッとしたのもいいんじゃないかと思いました。

堂珍嘉邦 大勢の観客の前でギター1本で歌ってみたいですね。フジマッキーは、僕の中で一匹オオカミのようなイメージがあるので、下駄を履いてやるみたいな弾き語りもしてみたいし、それとは逆に超エンターテインメントショーみたいな感じで、「あっ! 藤巻亮太がぶっ壊れた!!」みたいなライブもやってみたいかな(笑)。野生味を感じるところがあるんですよ。

――上半身裸で歌ったり。

藤巻亮太 それはちょっと体づくりに時間が欲しいですね(笑)。

――『BLUE EARTH MUSIC FEST』には間に合わない?

藤巻亮太 全然間に合わないです(笑)。

――では、今回開催される『BLUE EARTH MUSIC FEST』ではどんな姿を皆さんに見せたいと思っていますか。

藤巻亮太 3月にライブをご一緒して手応えをすごく感じましたし、あの場所で掴んだ感じを茨城の地で聴いていただきたいです。その中で新しいもの、殻を割れそうだなと今日の取材の中で、見えてきたました。

堂珍嘉邦 これから詰めていこうと思っているところなのですが、まずは一回しっかり観ていただきたいですね。3月に行ったライブにプラスアルファしたものが見れるんじゃないかなと思います。

藤巻亮太 今回は野外ですから、また聴こえ方も違うと思います。

堂珍嘉邦 10月なので、すごく気持ちいいんじゃないかな。僕らも今から楽しみです。

発展途上である

堂珍嘉邦&藤巻亮太

――このフェスで初めてライブに参加する方もいると思うんですけど、お二人が初めて観たライブは?

堂珍嘉邦 高校1年生の時に観たミスチル(Mr.Children)さんのライブだったと思います。それは野外のライブだったんですけど、すごい土砂降りで。その中で桜井(和寿)さんがヘッドスライディングしていたんですけど、それはすごい印象的でした。ステージの両翼でヘッドスライディングしている姿を見て、すごく気持ちよさそうだなと思ったのを覚えています。

藤巻亮太 僕は忘れもしないBUCK-TICKさんです。中学生の時に先輩の影響で聴いていたんですけど、たまたま県民文化ホールのチケットが取れたんです。まずCDと同じ音がライブで出てきたことにビックリしました。「生で演奏してる! CDのように聴こえる!」って。CDを超えてくるものがもちろんあって、佇まいも格好良くて色んな意味でインパクトがあった初ライブでした。

――BUCK-TICKとは意外でした。

藤巻亮太 音楽もすごく心を打つものがあって好きなんです。『PARADE III 〜RESPECTIVE TRACKS OF BUCK-TICK〜』というトリビュートアルバムで、「JUST ONE MORE KISS」という曲をカバーさせていただいたこともあるんですよ。

堂珍嘉邦 独特な音像がありますよね。僕はその時代の音楽だと、BY-SEXUALさんの「SO BAD BOY」を仕事帰りに車の中で爆音で聴くことがあります!

――お2人での活動で期待していることや展望はありますか。

堂珍嘉邦 素敵な出会いやご縁をいただいて、自然と空気感とか経験してきたことが、うまく交換しあえてくると思いますし、それを楽しみながら活動していきたいです。やっぱり曲ができたら嬉しいですね。

藤巻亮太 さっき「カラッと」というワードを見つけてしまったので、それをトライしてみるのも面白いのかなと思っています。良い違和感としてすごく面白いものができるかもしれないと感じて、僕ら2人でやることに夢があるなと思いました。自分がどういうものかというのは案外わからない時もあるんです。誰かに引き出しを開けてもらったり、気づかせてもらうこともすごく大事だなと思っているので、コラボさせていただける時に、発見したり気づくことがすごく面白いんです。自分がまだ知らない自分の魅力があるかもしれないので。

――今のお2人を一言で表すとしたら?

堂珍嘉邦 僕らってまだまだだと思うんです。作品やライブなりで、ミックスアップしてもっと面白くなっていったらいいなと思っています。なので一言で今の僕らを表現するなら、「まだまだ発展途上である」ということになると思います。まずは『BLUE EARTH MUSIC FEST』を、ぜひ観にきてください。

(おわり)

イベント情報

イベントタイトル:BLUE EARTH MUSIC FEST 2022 IN MITO supported by 茨城日産グループ

実施日程 2022年10月15日(土)/10月16日(日)
◆食フェス(いばめし祭り) 10:00~17:00 ※入場無料
◆音楽フェス 11:30~16:30

実施会場 アクセス水戸市 「千波公園」 ふれあい広場(茨城県水戸市千波町3038)
[徒歩] JR水戸駅南口より約15分
[電車・バス] JR水戸駅北口バスターミナル6番(千波経由バス)から乗車 ⇒「千波湖」下車
[車利用]
常磐自動車道・水戸インターから約20分・水戸北インターから約20分
北関東自動車道・水戸南インターから約15分
※駐車スペースに限りがございます。お車でのご来場はお控えください

開催内容 SDGs実践・啓蒙・発信を目的とした関東最大級の『音楽フェス』&『食フェス(いばめし祭り)』
入場料(税込) ◆音楽フェス
1日券 7,800円 / 2日通し券 14,600円
1日券・特典付き 8,800円 / 2日通し券・特典付き 16,600円 ※特典「サスティナブルカトラリーセット」
U-15チケット 4,400円 【チケット発売日:9月2日(金)18:00~】
※中学生以下限定・特典なし、入場口で学生証や、保険証などで年 齢を確認させていただく場合がございます。ご持参ください。
※U-15チケットの特典付きチケットと2日通し券はございません。
◆食フェス(いばめし祭り) 入場無料

【販売窓口】

イープラス https://eplus.jp/bemf/
ぴあ(Pコード:223-796) https://w.pia.jp/t/blue-earth-mf22/
ローソンチケット(Lコード:76500) https://l-tike.com/blueearthmusicfest/

主催:茨城放送/茨城新聞社/サンライズプロモーション東京
後援:茨城県/水戸市/水戸観光コンベンション協会/茨城県社会福祉協議会/ 水戸市社会福祉協議会/フジテレビジョン
特別協賛:茨城日産グループ
協賛:生活協同組合パルシステム茨城 栃木/JA共済連 茨城/サントリービバレッジソリューション
特別協力:ロゴスコーポレーション/リリーこども&スポーツ専門学校/文化デザイナー学院 日本財団TRUE COLORS FESTIVAL
協力:サクラサクライフ/水戸黄門漫遊一座/コアレックス三栄
公式HP https://blue-earth-pj.com/
公式Twitter https://twitter.com/blueearthpj

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