INTERVIEW

中村舞・岩田陽菜・甲斐心愛

STU48、夢の5周年コンサート 幾多の困難を乗り越えいよいよ


記者:木村武雄

写真:木村武雄

掲載:22年07月08日

読了時間:約7分

 広島グリーンアリーナでの5周年コンサートを7月10日に控えるSTU48。もともと5月に開催予定だったが多くのメンバーが新型コロナウイルスに感染し、中止を余儀なくされた。その前後に予定されていた音楽番組出演も見合わせ。瀧野由美子、石田千穂、中村舞によるトライアングルセンターという布陣を敷いた最新シングル「花は誰のもの?」、そして悲願だった広島グリーンアリーナでの5周年コンサート、さらに音楽番組出演で活動に更に弾みがつくものと期待されていただけに衝撃は大きかった。が、急きょ延期開催が決定。同曲にある「美しい花」のごとく、差し込んだ希望の光を浴びて、再び輝き始めたメンバー面々。雨降って地固まる…まさに苦難を乗り越え、メンバー同士、そしてファンとの結束力はいま盤石なものになっている。そんなSTU48から中村舞、岩田陽菜、甲斐心愛にインタビューを実施。コンサートに懸ける思いを語ってもらった。【取材・撮影=木村武雄】

中村舞

苦しかった

――新型コロナで5周年コンサートだけではなく出演予定だった番組も中止になり、当時はどう思いましたか?

岩田陽菜 その日の為にメンバー全員がレッスンしていたので、すごく寂しかったですし、ファンのみなさんにも悲しい思いをさせてしまいました。でもすぐに(延期)開催が決まって、ファンのみなさんからも「すごく楽しみにしているよ」というメッセージをたくさんいただいたので、よかったなって思いました。

甲斐心愛 私も感染してしまったので、中止になった時はショックで…。責任を感じていた時に、ファンのみなさんが掛けて下さった言葉に本当に救われました。それがなかったら「どうなっていたんだろう」と思うぐらい落ち込んで、そういう時期に支えて下さったので、一生懸命アイドル活動していくことで恩を返していこうと思いました。その気持ちを5周年コンサートでも伝えられたらなと思います。

中村舞 やりきれない思いでいっぱいでしたが、今のこのご時世、誰が悪いとかではなく、しょうがないことですし、だからこそ誰にもぶつけてはいけないという思いがありました。すごく悔しい気持ちを私だけでなくSTU48全員が持っていて、でも延期開催が決まったから、次ある舞台を一つ一つ大切にしていきたいと改めて強く思いました。5周年コンサートは絶対に成功させて忘れられない思い出にしようという気持ちが高まりました。

――コロナ1年目の時は何もできずにアイドルとしての自信を失いかけたとも話されていました。いま、明るい表情で話そうと努めているようにも見えますが、今回の件は相当つらかったと思います。本音はどうですか?

岩田陽菜 辛かったです。熱が下がらないから踊れないし、声も出なくて歌えないから、すごく不安で「早く治れ!」って願っていたんですけど、元気になって、最初のみなさんと会えるイベントが、ファンのみなさんが直接会いに来てくれるリアルお話し会でした。みなさん「笑顔で待っていたよ。中止になったことは悲しいけど、メンバーの体調が一番だから」って言って下さって。応援して下さるみなさんが優しくて、私たちも元気になれて良かったなって思いましたし、改めて体調管理をちゃんとしないといけないと思いました。たくさんの方に迷惑を掛けちゃうし、今回は大きなステージだったので迷惑の度合いが違うと言いますか、ちゃんとしないとなって改めて思いました。

甲斐心愛 私はコロナの症状自体は軽かったんですが、それによって色々と考えてしまって、体調の辛さより、何もできないもどかしさが一番辛かったです。

――コロナで何もできない2年間も辛かったけど、今回は比にならないくらい辛かったですか?

甲斐心愛 同じくらい辛かったです。特に5周年コンサート直前だったので、それが一番大きかったです。コンサートに向けてのリハーサルをみんな詰め詰めで頑張っていたので、グループの勢いがストップしちゃうのかなと思ったし、もうグリーンアリーナではできないのかなって考えて落ち込みました。

――決まった時は相当嬉しかったですね。

甲斐心愛 またグリーンアリーナでできるチャンスを作って下さったんだって嬉しかったです。スタッフのみなさんもそうですし、来てくれるファンのみんなも含めて本当に有り難いなと思いました。

――中村さん、トライアングルセンターでメディアに多く出ていて、これから「行くぞ!」という時に結果つまづくような感じになって、しかも初センターというのもあって、より思いが強いんじゃないですか。

中村舞 つまずいたとは思っていないかもしれないです。当たり前に感じていたことができなくなって、よりありがたみを感じたというか。より一層大事にして活動していかないといけないなって改めて思うことができました。残念だったけど、またみんなで頑張りたいなという気持ちは増しました。

――5周年コンサートが中止になって、自分を責めたこともあったと思うんです。それでもファンに助けられて、また5周年コンサートができる。短期間でどん底に行ってまた這い上がったので、見方も変わっているんじゃないかなと思うんですが。

甲斐心愛 この2カ月の間で起きたこととは思えないすごく長い時間だった感じがします。

岩田陽菜

今でも「兼任辞めないで!」

――岡田奈々さんが兼任解除になって、その後も仲間の卒業発表があって。いまのSTU48をどう見ていますか。

岩田陽菜 5周年コンサートだけじゃなくて、船上劇場(の就航)が延期になったり、STU48は波があるグループだなって思っていて、やっぱり悔しいこともあるんですけど、その波を乗り越えてきているからこそ、ファンのみなさんとの団結力、そしてメンバー同士の団結力も他のグループよりも強いと思いますし、これから先、もしまた困難が訪れても、5周年の時も乗り越えてきたし、今までも乗り越えてきたから「今回も絶対乗り越えるよね」っていうメンタルそのものが強くなっていると思います。

甲斐心愛 公式プロフィールを見た時に1期生の数がすごく減ってるなって思って。でもSTU48を卒業した方々が積んできたものは、振り返って見れば全部残っているわけで、それを守っていくためにも今頑張らない選択肢はないなっていう強い思いはあります。

――ところで岡田さんの兼任解除コンサートの時、手紙を読みましたね。「兼任辞めないで!」って。

甲斐心愛 今でも「兼任辞めないで!」って思ってます。「いつでも帰って来て!」って思います。

――今でも連絡取っているんですか。

甲斐心愛 よく会ってます!

――その度に「辞めないで!」って言ってる?

甲斐心愛 アハハ! STU48の話はよくします。「最近楽しい?」とか、「STU48の雰囲気はどう?」とか。兼任が解除になった後もずっとSTU48のことを気にかけてくれて、5周年コンサートが決まった時もSNSで反応してくれたり。ずっと変わらぬ「STU48の母」です。

――甲斐さん、昔岡田さんとケンカしていたんですよね(笑)。

岩田陽菜 そうそう!(笑)

中村舞 よく楽屋でやってた!(笑)

甲斐心愛 今は仲良いです(笑)。

――当時は親子ケンカみたいに?

甲斐心愛 親子ケンカみたいな感じだった?

中村舞 見ていて親子っぽかったですよ。反抗期みたいな(笑)

甲斐心愛 もう一生何かと言ってくる(笑)。衣装を着替えるのも、言われんでも分かるのに言ってくるけん!今着替えに行こうとしとったって! 今やろうとしたのにっていうタイミングで言われたのが嫌やったから、わざわざ時間あけて着替えに行っとった(笑)

――(笑)岡田さん出演の舞台は観に行かれているんですか?

甲斐心愛 行きました!

――甲斐さんも演技経験があって、岡田さんもされていて、舞台上の岡田さんってすごいじゃないですか。刺激は受けますか。

甲斐心愛 舞台に立つ岡田奈々さんは別人。「誰?」みたいな。逆に普段話している岡田さんと違いすぎて、刺激というか「自分どうしよう…」みたいに思っちゃう。でも、追いつきたいなと思います。

――まさしく母の背中ですね(笑)。

甲斐心愛 (にこっと笑顔)

甲斐心愛

推しがいがある

――中村さんは「花は誰のもの?」のトライアングルセンターの一翼を担っていますが、「花は誰のもの?」での歌詞の解釈が話題になっていますね。戦争だけでなく、いろんな事を乗り越えてきたから説得力が増しているような気もしますね。

中村舞 この曲を歌っているからと言って戦争がなくなるわけではないけど、私たちアイドルにも何かできることはあると思うので、人の心を動かせる存在になりたいなと思いますし、この曲で誰かの人生観が変わったり、影響を与えることができたらいいなという思いで活動しています。

――以前よりもまして前を向いている気がしますね。

中村舞 いろいろありましたけど、波乱万丈な人生のほうが生きがいがある気がします。推しがいがあるかなって!

――岩田さんも笑顔がより輝いて見えますね。

岩田陽菜 本当ですか!

甲斐心愛 幸福感に満たされてる笑顔だ!

全員 アハハ!

左から甲斐心愛、中村舞、岩田陽菜

(おわり)

STU48 5周年コンサート
2022年7月10日(日)
広島県・広島グリーンアリーナ
開場16:30 開演17:30 終演予定19:45

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木村武雄

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