尺八を使った呼吸法がにわかに注目される、齋藤孝氏「音色自体が息の音そのもの」
尺八を使った健やか呼吸法CDを監修した齋藤孝氏(右)と尺八演奏家の藤原道山氏
お腹から力強く息を吐き出すことで腹回りを引き締める、いわゆる腹式呼吸ダイエット法がここ数年、話題を集めた。そうしたなか、尺八を使った呼吸法がにわかに注目されている。
TBS系『あさチャン!』のキャスターを務める齋藤孝さん(明治大学文学部・教授)が監修するCD『イキイキ-新・呼吸入門-』が1月28日発売され、Amazon.co.jpの新着アイテム・予約商品ベストセラーランキング純邦楽部門で1位を獲得した。
同CDは、尺八演奏家の藤原道山さんの尺八を取り入れ、尺八の音(ね)に応用し息を吐くという呼吸法を実践。尺八に合わせて息を吐くことで、安定した精神と集中力を保つことが身につくという。
藤原道山さんの尺八の音にあわせて息を吐き、意識を調え、体を落ち着かせ、心地よい気持ちへと導かれる感覚を体感することが出来るようだ。
日本の伝統的な楽器の一つである尺八。起源は600年代の頃とも言われ、この音を聞けば、草むらで武士が剣を構え対峙している様子が目に浮かぶほど聞きなれた音で、時代劇などには欠かすことができない楽器とも言えるだろう。
その尺八がなぜ呼吸法と相性が良いのか。書の解説文にはこう記してある。
「私たちはふだん、呼吸を意識することはほとんどありません。呼吸というのは、当たり前にしていることですし、目に見えず音も無い。それが尺八の音色を聴いていると、まるで呼吸を聞いているような感じがして、どんどん自分の呼吸が深くなっていくのを感じます」
「尺八は、音色自体が息の音そのものであり、お腹の下あたりの『丹田(たんでん)』を意識した吹き方なんですね。呼吸で心と体を調える研究を30年くらい続けてきて、尺八の音とともにゆっくり息を吐くと、効果的な呼吸法ができると思いました」
「尺八の音色は、竹の林を吹きぬける風をイメージさせてくれますし、日本人にとってのなつかしさも呼び起こしてくれます。自然な体の状態を取り戻すのに、尺八と呼吸は相性が良いのです」(齋藤孝/ライナーノーツより)
監修・解説を行った齋藤さんはTBS系『あさチャン!』のキャスターを務めるなど多数のメディアで活躍中。一方、精神が安定し集中力が増し疲れにくくなる『齋藤式呼吸法』を著書などで紹介している。
その斎藤さんが監修を務めた『イキイキ-新・呼吸入門-』の課題曲には、2003年放送のフジテレビ系ドラマ『白い巨塔』(唐沢寿明主演)エンディングテーマにも起用されるなど日本でも馴染み深い「アメイジング・グレイス」を採用。尺八とアメイジング・グレイスというクロスオーバーの組み合わせもユニークだ。
もともと高齢者向けに作れられたCDだが、女性層にもじわじわと認知され始めているという。
レコード会社担当者は「尺八に合わせて息を吐くことで、安定した精神と集中力を保つことが身につく呼吸法です。シニア層のみならず、集中力が必要な子供や受験生、疲労気味のビジネスマン、OL、主婦にも適していると言えます」と述べている。
![[写真]尺八を使った呼吸法がにわかに注目される](http://www.musicvoice.jp/wp-content/uploads/2015/02/photonews-150209-04-220x140.jpg)
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