主演する嵐莉菜

 ViVi専属モデルの嵐莉菜(17)が、若手監督の川和田恵真氏がメガホンをとる映画『マイスモールランド』で映画初出演にして初主演を務める。嵐は「オーディションのお話をいただいたとき、この役は絶対に私が演じたい!と思いました」と並々ならぬ思いで臨んだ。

 是枝裕和氏が率い、西川美和氏が所属する映像制作者集団「分福」の気鋭の若手監督・川和田恵真氏の商業映画監督デビュー作。

 クルド人の家族とともに生まれた地を離れ、幼い頃から日本で育った17歳のサーリャが主人公。同世代の日本人と変わらない、ごく普通の高校生活を送っていたが、あるきっかけで在留資格を失い、家族の日常が一変。彼女が、日本人の少年との出会いをきっかけにアイデンティティに葛藤し、成長していく物語を描く。川和田監督のオリジナル脚本だ。

 主人公サーリャを演じる嵐は、2019年11月に発掘オーディション「ミスiD 2020」で、グランプリとViVi賞をW受賞。2020年よりViViの専属モデルとして活躍する17歳。先日、NTV「しゃべくり007」の「今年ブレイク間違いなしの美女 SP」コーナーに出演、さまざまな無茶ぶりに対応し「かわいいし面白い」「気取ってなくていい」などの称賛とともに話題になったばかり。

 母親が日本とドイツのダブルで、父親が日本国籍を取得しているイラン、イラク、ロシアのミックスという5カ国のマルチルーツを持つ嵐は、日本で生まれ育ち、幼少期にはキッズモデルも務めていたこともある。

 今回はオーディションを経て、参加となった嵐は「この役は絶対に私が演じたい!と思いました」と並々ならぬ思いで臨んだという。

 一方の監督は嵐の印象を「華やかなイメージを持っていましたが、オーディションの際、彼女がアイデンティティに葛藤をもっていたことや、『自分のことを日本人と言いたいけれど、言っていいのかわからない』と思っていたことを話してくれました」と明かし、起用に至った理由を「彼女になら、複雑なバックグラウンドをもっている、本作の主人公を任せることができるなと思いました」

 実施に現場に立った嵐を見て「莉菜さん、本人のキャラクターと、演じた時のギャップに驚きました。堂々としていて、とても自然で素晴らしい演技をみせてくれました。サーリャのもつ複雑な気持ちを表現してくれ、オーディションの時から、この役を生きてくれていると感じました」と太鼓判を押した。

川和田恵真監督(C)2022「マイスモールランド」製作委員会

場面写真(C)2022「マイスモールランド」製作委員会

主人公サーリャ役:嵐莉菜(あらし・りな)コメント

 オーディションのお話をいただいたとき、この役は絶対に私が演じたい!と思いました。

 主演に決まったと聞いた時はとても嬉しかったです。それと同時に初めての本格的な演技に不安も感じました。私の演じたサーリャは、国籍に悩みを持っている役柄。自分も、小学校の時は、たいしたことじゃなくてもネガティブに捉えてしまって、アイデンティティについて悩むこともありました。この役を演じさせていただくことになって、クルド人の高校生の女の子と実際に会いお話をする機会をいただき、同級生と同じようにLINEを交換したり、K-POPアイドルの話でもりあがったり(笑)不自由な想いをしているはずなのに、とても前向きで明るく生きている姿に勇気をもらいました。この物語は、実はとても身近な問題なので、私が演じることで、そのことを知ってもらえたら嬉しいです。

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