NiziUが7日、2ndシングル「Take a picture/Poppin' Shakin'」をリリースした。NiziUは2020年6月30日リリースのプレデビューデジタルミニアルバム『Make you happy』を発表すると数々の記録を樹立し、一大ムーブメントを巻き起こした。そして同年12月2日にはデビューシングル「Step and a step」を発表と、さらなる勢いを見せる。ここでは、キュートなルックスにキャッチーなダンスなど人気を博する要素満載のNiziUの楽曲面の魅力に迫るべく、最新作を軸にサウンド面にフォーカスしたい。

NiziUのサウンドのポイントとは?

 NiziUと聞いて思い浮かべるのは、ポップでガーリー、容姿端麗な各メンバーの華々しいルックスだろうか。それとも思わず真似をしたくなる“縄跳びダンス”や“うさぎ飛びダンス”、あるいはスッと耳に馴染み心躍らせるメロディだろうか。

 NiziUの魅力は、受け手それぞれの様々なお気に入りのポイントがありそうだ。ここでは、聴き方の角度を変えるとさらにNiziUの音楽を楽しめるという視点で、今回はピンポイントで最新作「Take a Picture」のサウンド面の特色を考察していきたい。

 昨年リリースの「Make you happy」や「Step and a step」のサウンドのポイントとなる軸は「ダンスミュージック」であり、カラフルなシンセサイザーの音色や、「ポップなシンプルさ」という2点が共通項として挙げられる。

 その2点がどう作用するかというと、「受け入れやすさ」と「リスナーの間口の広さ」と言えるのではないだろうか。そこで、改めて音に注目しながら最新作「Take a Picture」を聴くと、NiziUのサウンドの芯となるポイントが浮かび上がってきた。

洗練、要約されたダンスミュージック

 その可愛らしい歌声に耳が吸い込まれるところではあるが、ビートや楽器の音に焦点を絞ると、あらゆるアプローチに気づかされる。それらは、最小限の音で楽曲の魅力を最大限まで広げている。

 「『Take a Picture』は何系の音楽?」と聞かれて、即答するなら「ダンスミュージック」なのだが、「もっと細かく」と言われたら以下のようになるだろうか。

 「サビが4つ打ち(低音のキックが1小節で4発鳴る)なので『ハウス』」、「スティールパンの音と聴こえるパートが賑やかなので『トロピカルハウス』の要素」

 「サビ前や後半セクションのなどの低音のアプローチは『EDM』や『ダブステップ』という解釈」

 「カメラのシャッター音と思わしきサンプリングトラックがビートに絡み、エフェクトも豊富なので『ブレイクビーツ』や『ダブ』の要素もある」

 このように、あらゆる音楽的要素がいくつも盛り込まれ、NiziUの楽曲というオリジナリティのあるサウンドで表現されていることが感じられる。

 細かく掘ると、リズム面は基本的には“4つ打ち”の、ハウスやEDMで馴染みのあるビートだ。「Take a Picture」ではこの“4つ打ち”の使い方とシンプルなビート構築がさりげなくも奥深く、この上なくポップだ。

 “4つ打ち”が印象に残るが、楽曲全体としては主に4発ずつ刻む構成ではない部分にある種の意外性を感じられた。冒頭からすぐの部分では4発ずつ、そして次のセクションでは1小節ごとに1発と大胆に変化し、サビ前の部分ではキックが鳴っていない。そして、いざサビへ突入すると“4つ打ち”が復活し、楽曲のダイナミズムを自然に広げていく。楽曲の半分ほどは“ほぼビートがない”とも聴こえるにも関わらず、ずっと体が揺さぶられるダンスミュージックという、非常に興味深い構成だ。

 キックのみならず、「ビートのパートの抜き差し」という手法はダンスミュージックの抑揚に大きく影響を及ぼす。例えば、DJが山場の手前のタイミングでビートを止めて歌や楽器だけを残して焦らしてから一気にビートを入れて盛り上げるように。この手法は、作り手やプレイヤーのセンスを如実に問われると言っても過言ではないと思われる。

 そんな「ビートの抜き差し」は最大限に活かされ、楽曲の土台を強固にし、“ウワモノ”と呼ばれる、ビートや低音域以外のパート、例えばシンセサイザーや遊び心がうかがえるサンプリング音などが踊るように楽曲に馴染み、NiziUメンバーの歌声は突き抜けるようにポップに鳴り響く。

 この点はデビューシングル「Step and a step」とも共通しており、現時点での“NiziUサウンドの特徴”とも言えるのではないだろうか。

“グローバル”なサウンド面

 最近のグローバルチャートを聴くと、「シンプルながらも芯の強いサウンド」が多い傾向が見られる。例えば、ブラックミュージックなどを背景にシンプルなサウンドアプローチで聴かせるジャスティン・ビーバー。

 80’sテイストを最新のサウンドメイクで攻めるザ・ウィークエンド。トラップ含みの硬派なHIP HOPでシリアスなサウンドを出力するMasked Wolfやドレイク。他にも様々挙げられるが、共通しているのは、「各音色を洗練させ、サウンドアプローチはシンプルに要約している」という部分ではないだろうか。

 この点は、NiziUの楽曲からも感じられる。そしてシンプルながらも、各パートの音色からは、プロデューサーのJ.Y. Park氏の手腕が光る渾身のサウンドメイクが施されていることがうかがえる。

 「Take a Picture」のサウンド面にフォーカスして浮き出たポイントは、グローバルチャートの楽曲でもみられる、“シンプルかつ洗練されたサウンドアプローチ”というものだ。

 NiziUの楽曲は、あらゆる音楽要素が含まれており、そこから様々な音楽に出会うきっかけともなるかもしれない。NiziUの楽曲の「ビート面」にフォーカスするだけでも、ワールドワイドな音楽的景色が見えてくる。NiziUは「“グローバル”ガールズグループ」と呼称するにふさわしいのではないだろうか。【平吉賢治】

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