INTERVIEW

ファイルーズあい×花守ゆみり×石川由依×瀬戸麻沙美×日高里菜

愛を受け継ぎ、元気を届けたい。
トロピカル〜ジュ!プリキュア、希望の船出


記者:木村武雄

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掲載:21年03月28日

読了時間:約13分

 『ヒーリングっど(ハートマーク)プリキュア』からバトンを引き継いだ『トロピカル〜ジュ!プリキュア』。彼女たちの魅力がギュッと凝縮された短編映画『映画トロピカル~ジュ!プリキュア プチ とびこめ!コラボ・ダンスパーティ!』が3月20日(土)に、『映画 ヒーリングっど・プリキュア ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!』と同時公開された。コロナ禍という未曽有の事態を走り抜いた“ヒープリ”から受け継いだ“トロプリ”はどう向き合っていくのか。ファイルーズあい(キュアサマー/夏海まなつ)、花守ゆみり(キュアコーラル/涼村さんご)、石川由依(キュアパパイア/一之瀬みのり)、瀬戸麻沙美(キュアフラミンゴ/滝沢あすか)、日高里菜(人魚・ローラ)に話を聞いた。【取材=木村武雄】

嬉しかった出演決定

――新シリーズ「トロピカル〜ジュ!プリキュア」への出演が決定したときのお気持ちを聞かせてください。

ファイルーズあい 「わたしがあのプリキュアに!?」と驚き以外の感情がふっ飛んでしまい、言葉が出ませんでした! 時間が経つにつれて自覚が出てきて、目の前がトロピカってました!(笑) 中学生の頃、『5GoGo!』の映画を映画館に観に行ったことがあったんですよ。今回の作品を見たときに、『声優になりたい』という夢を叶えてこの場に立てている喜び、そして夢を持った時の最初のキラキラとした気持ちを改めて感じました。

花守ゆみり 私は、子供の頃に『Yes!プリキュア5』を見ていました。また、『ヒーリングっど(ハートマーク)プリキュア』にも出演させて頂きました。でもオーディションを受けたその頃は、雰囲気が重く自分の事ばかり考えているようなキャラクターを演じていたので、こんなにも可愛いプリキュアを演じられるのか自信がなくて。なので、決まった時は「私でもプリキュアになっていいのか!」とびっくりしました。さんごちゃんは優しさと葛藤を持ち合わせているので、演じながら「来るべくして来てくれたんだ」と思えて幸せに感じています。

石川由依 「いつかプリキュアになりたい」という気持ちがずっとあって、オーディションは何度も受けていました。『映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』には敵役で出演させて頂いたんですけど、公開されてから映画館にこっそり観に行った時に、映画を観ながら思わず立ち上がって踊るお子さんたちを見かけて。その時に『私は敵だからみんなからするとやられちゃえ!と思われているのかな。でもいつか頑張れと言われたい』と思って。なので、キュアパパイアに選んで頂けて、『私もついにプリキュアになれるんだ!今度は応援してもらえるかも!』と嬉しく感慨深い気持ちになりました。

瀬戸麻沙美 私もプリキュアシリーズのオーディションは何度も受けさせて頂きました。毎年「この季節が来たか」と思うんです。オーディションは自信がないなかで毎回終わって、「今年もダメだろうけど受けられて良かったな」と。今回もあまり自信に満ち溢れた姿勢では受けていませんでした。でもシリーズの舞台の一つが『海』ということもあって、私自身ダイビングが好きなので、この作品に関われたら「作中を通して海の世界が見られる!」と思って。合格を聞いた時は本当に嬉しくて、そんなに気持ちを激しく出したつもりはなかったんですけど、気付いたら両手が上がっていました(笑)

日高里菜 小さい頃からプリキュアは大好きでしたし、幼い頃にプリキュアのおもちゃのCMに出させて頂いた縁もありました。でもオーディションはスケジュールが合わず受けられなかったのですが、今回は受けられて、まずそのことがすごく嬉しかったです。合格を聞いた時は、信じられなかったけど、ジワジワと喜びが込み上げてきました。その後、マネージャーさんとどれだけプリキュアが好きか1時間近く語って、更に事務所のみんなに報告しに行って(笑)私が好きなコスメをモチーフにしているのもご縁というか、いろいろテンションが上がるポイントがあるので楽しみです。

ファイルーズあい(キュアサマー/夏海まなつ)

キャラクターの魅力と共通点

――それぞれ担当されるキャラクターの魅力、そしてどのように演じられようと思ったのかを教えて下さい。

ファイルーズあい まなつは、底抜けに明るくて太陽みたいな存在。好きなものに対して猪突猛進が出来るポジティブさやフィジカルな強さが魅力だと思います。みなさんに、私とまなつの性格がすごく似ているとよく言われていて、私もそのままだと感じています。ちょっと抜けているところとかも似ているかもしれない(笑)。酸いも甘いも味わってきた社会人の私ですが、まなつは中学1年生なので当時の気持ちを思い出しながらやっています(笑)

花守ゆみり さんごちゃんの魅力は優しいところなんじゃないかと思います。優しさの中にも強さと脆(もろ)さがあって、他人に対してすごく寛容。でも優しすぎるが故に自分の好きなことが相手に言えなくなっちゃっている。そんなさんごちゃんがまなつちゃんと会って、それに気づいてどうしようって考えていて、だんだんと「自分が好きなかわいい」を大事にしたいっていう気持ちが強くなって一歩踏み出していきます。その姿がかっこいいなって。生きていると直面しやすい心の問題があると思うけど、観ているみんなにも共感してもらえるところに魅力があると思います。だからこそ被害者意識が強くならないように演じています。抱える問題をどうやって乗り越えていくか、自分なりに考えて踏み出していく彼女の強さを意識しています。

石川由依 みのりは、普段の姿とプリキュアになった姿に大きな変化がある子だと思います。見た目も性格も、普段は優秀で物静か、本が大好きな女の子なんですけど、キュアパパイアに変身した後ははじける部分があって。なんでこんなに変化があるのかなと考えたときに、みのりは空想が好きなので、憧れの姿を明確に自分の中で描いていたんじゃないかなと。その憧れた姿がキュアパパイアで、自分にはなれないけど「こうなりたい」という思いを体現させたんじゃないかなと。みんなと仲良くなれないタイプではないですが、割と1人でいるのが好きなタイプ。でも誰かを助けたい、みんなと仲良くしたいという思いはきっと強くて。それで、まなつたちがプリキュアになった姿を見て、もう一人のプリキュアの姿になっていく、その変化が素敵だと思います。でも演じるのは難しいなと悩んでいる部分もあるんです。普段がポーカーフェイスでみんなに比べて大人しい子なので、どのくらい出していこうかと悩んだり。私も人見知りで、みんなと仲良くしたいとか、お喋りしたい気持ちをお芝居で消化させている部分もあって。お芝居で誰かになることによって憧れの自分を実現させている気持ちはみのりと一緒なのかなと思うので、そこを参考に演じていきたいです。

瀬戸麻沙美 あすかさんの最初の印象は、正義感が強いということでした。困っている相手がいるとさっと助けに入る正義感のある子だなと。まなつ達との交流もそれがきっかけで始まるんですけど、その中で見せる行動も気付くと手を差し伸べていたり、みんなに気を遣ったり、情に厚い優しい子。みんなよりちょっと年上で周りが見える分、大人っぽい部分もあるけど、彼女も中学三年生ということなので、変に大人っぽくなりすぎず、初めて触れるものに関してはピュアに、そして新鮮に演じたいです。ピュアを残しながら、彼女の良さであるみんなより大人っぽいところとかをうまく絡み合わせて表現していけたらいいなと思います。

日高里菜 人魚ということでプリキュアのサポート役というポジションになります。ただ、ローラは人魚の国の女王になるという夢をかなえるために「みんな頑張るのよ」というどちらかというと振り回すような子でもあって。わがままを言っているけど嫌われないようにというか、そこがちょっと可愛いなって思ってもらえるように気を付けながら演じています。見ているみなさんにも嫌な子というよりは、ツッコミどころのある可愛い子だなと思ってもらえたら嬉しいです。ローラは自分に自信もあるし、プライドもあるからこそ説得力もあって。私自身も「確かにな」とハッとさせられるようなセリフが本編中にたくさん出てきます。他のキャラクターとは違った目線から発言するかっこいいセリフに注目してほしいなと思います。

花守ゆみり(キュアコーラル/涼村さんご)

ヒープリから受け継いだ「愛」

――『ヒープリ』はコロナ禍で、収録が一時中断し再放送に入れ替わった時期もあり様々な壁がありました。その中でも希望とともに走り続けていたと思いますがみなさんにはその姿がどう映っていましたか。また、この1年をどう走りぬいていきたいですか。

ファイルーズあい キュアサマーは、ヒープリの最終話に出てそこでバトンタッチがありました。プリキュアは情熱や愛が込められている作品で、最終話の収録も悠木さんが優しく声をかけて下さいました。その時にプリキュアという作品の一体感と言いますか、同じチームという感じがして。尊敬している先輩から受け取ったバトンは、絶対に走り抜けなきゃいけないと思って、緊張よりも、とにかく元気でやることを一番に考えました。新型コロナ禍という状況でお家時間も増えて、心が暗い方向にいきがちですが、そんな方々の心をトロピカらせるくらい元気いっぱいな作品にしたいと思っています。

花守ゆみり 『ヒーリングっど・プリキュア』のコピーが『ハートつないで 地球をお手当て』で、昨今の状況にも合って、みんなが癒やしを求めていてそれに応えるような作品だったと思います。『トロピカル〜ジュ!プリキュア』では癒やされてもどこか疲れがとれないところをトロピカっていく。一番やらなきゃいけないことをやりつつ心をキラキラで満たしていくというのがテーマにあり、それぞれの時代に合ったテーマがあるんだと思い臨んでいます。

石川由依 今まではいろんな所を巡って直接小さい子に会って楽しんでもらったりすることが多かったですが、昨年からは会えなかったり、配信になってしまったりと、大変な事が多かったと思います。たまたま悠木碧ちゃんに会う事があって「次、プリキュアやるんだ」っていう話をしました。「慣れない部分もあっていろいろ大変な部分もあったけど、きっともう大丈夫だよ」と言ってくれたときに、『ヒープリ』のみんなが乗り切って、それを私たちにバトンタッチしてくれるんだってすごく感じて、私たちは私たちなりのシリーズを作っていけるんだなとありがたく感じました。お家時間が増えて、窮屈な思いをしている小さい子や、大人のみなさんも多いと思うので、作品を通して笑顔や勇気を届けられたら良いなと思います。

瀬戸麻沙美 『ヒープリ』が放送されている時から世界の状況が大変なことになって、今まで通りとはいかなくなったけど、アニメーションというのは、画面を通して希望、夢、興奮などいろんな感情を受け取れるものだと思います。そこの部分だけは変らず今回の『トロピカル〜ジュ!プリキュア』でも届けていけるものだと思うので、キャラクターの声として精一杯頑張りたいと思います。

日高里菜 『ヒープリ』は癒やしやみんなに元気を届けてきたと思います。今回の『トロピカル〜ジュ!プリキュア』もちょっと違った形で元気にする、そういうパワーがある作品なので、みんなを笑顔に出来る作品にしたいなと思います。出演が発表になったときも、プリキュアシリーズで演じられていた先輩方から『頑張ってね』というたくさんのお祝いメッセージを頂いて愛を改めて感じました。みなさんの愛を引き継いで頑張っていきたいと思います。

石川由依(キュアパパイア/一之瀬みのり)

壁を乗り越える原動力

――『プリキュア』自体がいろんな壁を乗り越えて仲間と一緒に立ち向かっていく姿が描かれていますが、これまで多くのキャラクターに命を吹き込んできたみなさんが、声優として壁を乗り越える原動力、励みになっている事はなんでしょうか。

ファイルーズあい 自分自身に勝つことが一番難しいと思います。それに対して負けたくないという負けず嫌いなガッツが私の頑張れる要素で、そんな私を応援して愛してくれるファンの方達からのファンレターを読み返すのが原動力になっています。自信が無くなった時、仕事が上手くいかない時、何回も読み返して元気をもらっています。プリキュアへの出演が決まった時に、ラジオにたくさんのメールを頂きました。ファンレターもそうですが、私がプリキュアになる事でこんなにも喜んでくれる人がいるんだと実感して、もっと頑張ろうといまやる気が無限に湧いてきます。

花守ゆみり 終わりがないところですね。私は、日常は飽き性なので…(笑)。お芝居っていくら詰めても底がなくて絶対に終わることがない。課題があるからこそ、ずっとその課題を克服するために続けていける、そんな無限のやる気を生み出してくれます。自分のことをずっと未完成と思っていて、だからこそ続けられます。『プリキュア』にも各シリーズを通して、終わりはあります。それまでにどれぐらいキャラクターのこと、その世界を知ることができるのかも楽しみです。終わりがあるからこそそこまでにこの子達のことを知ってあげられるだけ知り尽くしたいと思います。

石川由依 私は好きっていう気持ちだと思います。この仕事を長くやっている中で、私には向いていない、出来ないと思ってしまう時もありますが、それ以上にお芝居が好きなので、辞めようとも思わずにここまでこられました。それプラス、ファンの人からの応援や、一緒にお仕事している方々からの言葉に力をもらって、もっと羽ばたいていけると感じています。プリキュアシリーズにはいつか出たいという気持ちはありましたし、落ち続けてもいつか自分に合ったキャラクターと出会えるんじゃないかという想いはずっと持っていたので、今回決まって嬉しかったです。

瀬戸麻沙美 声優としてアフレコをやるということがやりたい事なので、何か原動力があるからというよりも「やりたいことだから」。なので、奮い立たせていることはないです。でも声優はアフレコ以外にたくさんお仕事があって、苦手だと思ったり、上手く出来なかったりすることもたくさんあります。そんな時は友達とお喋りしたり、話を聞いてもらうことが力になります。趣味や仕事と切り離されたところで気分転換することがひとつの力になっています。

――そのなかでこれまで出演してきた作品はいまにどう影響を与えていますか?

瀬戸麻沙美 これまでを振り返ってみると、今までやってきた作品が無かったら今は無いと思います。どれも大切で、気付いたら繋がっていたっていう感覚が一番合っていて、こうしてプリキュアに出演させて頂くこともこれまでの繋がりがあるからなのかなって思います。

日高里菜 私は、このお仕事が好きだからというのが前提にあります。もちろん悩んだり悔しい思いをしたり、辛いこともあるけど嫌いになったことは一度もなく、好きだからこそもっと先を見たいと頑張れます。だからずっとやり続けているのかなと思います。それでも悩んだりしたときに支えになるのは、ファンの方からのお手紙だったりメッセージや思いです。

――声優が天職と感じたことは?

日高里菜 そうだと良いですね。本当にこのお仕事が大好きだからこそ、悔しいと思えるしもっとやりたいと思えるんです。お芝居は物心がつく前からやっているので演じることが私の人生そのものみたいなところがありますが今後もずっとお芝居をやり続けていたいなと思いますし、出来るように自分自身が頑張らなきゃいけないなって思います。

瀬戸麻沙美(キュアフラミンゴ/滝沢あすか)

映画の見所

――最後に『映画トロピカル~ジュ!プリキュア プチ とびこめ!コラボ(ハートマーク)ダンスパーティ!』の見どころを教えて下さい。

ファイルーズあい トロプリの魅力がぎゅっと詰め込まれています。これを観ていただければ、トロプリがどんな雰囲気でどんな作品なのかが伝わると思います。楽しい雰囲気をみなさんにお伝えすることができてすごく嬉しいです。

花守ゆみり トロプリのメンバーを知ってもらえる作品になっていると思いますので、楽しんでいただけたら嬉しいです。

石川由依 トロプリで初めて全員が揃って戦う姿が見られる作品です。パワフルでキラキラとしてカラフルで楽しいプリキュアと分かっていただけると思います。前シリーズから引き継いで次のプリキュアも楽しみに待っていていただけるような作品になっていますので、早くみんなに観て欲しいです。

瀬戸麻沙美 トロプリの魅力がぎゅっと詰まっていますし、スピード感がある展開だからこそ5人の良さが伝わると思いますので、これからが楽しみになってもらえると思います。

日高里菜 トロプリらしさがぎゅぎゅっと詰まっていて、今までのプリキュア作品の中でも特にテンポが速くて、ユーモアの要素も多くあります。エネルギッシュさでみなさんを笑顔で明るい気持ちにさせてくれるんじゃないかなと思います。

日高里菜(人魚・ローラ)

(おわり)

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