ザ・コインロッカーズ「バンドは私達の居場所」音楽が繋ぐ絆とそれぞれの夢
INTERVIEW

ザ・コインロッカーズ

「バンドは私達の居場所」音楽が繋ぐ絆とそれぞれの夢


記者:平吉賢治

撮影:

掲載:21年03月26日

読了時間:約10分

 ザ・コインロッカーズが24日、アルバム『青春とバンドは、楽しくてメンドクサイ』をリリース。本作は結成から2年間の成長とこれからの期待が詰まった、新曲を含む全14曲収録の1stアルバム。ザ・コインロッカーズは2019年12月からメンバー13人にリニューアル。それから1年を経てどのように進化したのか。彼女たちにとって“バンド”とはどのようなものなのか、本作の話題と現在の心境について、船井美玖(Vo)、下島輝星(Gt)、有働優菜(Key)の3人に話を聞いた。【取材=平吉賢治】

2年間の成長と今の想い

『青春とバンドは、楽しくてメンドクサイ』通常盤ジャケ写

――特殊な状況下が続きますが、最近の活動で印象的なことは?

船井美玖 最近はオンラインライブが主なんです。

下島輝星 それで練習とライブの繰り返しの毎日という感じです!

船井美玖 2カ月ほどオンラインライブをやっているのですが(取材時点)、「届いているんだな」という感触をオンラインミーティングとセットで感じています。自分達の曲に対して反応を頂けることはもちろん嬉しいんですけど、カバー曲を披露することによって「こんな曲もできるんだね」と言って頂けるんです。みなさんにとっても自分達にとっても新しい発見ができて良いと思っています。

――どんなアーティストのカバーをするのでしょうか。

下島輝星 Silent SirenさんやSHISHAMOさん、SCANDALさんなど、この間はELLEGARDENさんやゴールデンボンバーさんもやらせて頂いたりしました。

――オンラインライブの感触は?

有働優菜 個人的には、配信ライブで初めて弾いた音色も多くて、ピアノの音色以外にもオルガンやシンセの音を使って演奏しています。そこで弾き方などの学びも多いし、新しい自分を見つけられる機会だと思っています。

――オンラインライブを通じて新しい様々な体験があったのですね。さて、結成から2年経ちますが、成長を感じる点は?

船井美玖 13人体制になってから特に思うことなのですが、38人いた頃はボーカルだしメンバーだけど、それ以上でもそれ以下でもないというか、「私がボーカルだ」という意識が今よりは少なかったかもしれないんです。そして「グループの顔だよ」と言われて意識をして、13人体制になってからは前にいることが多いので、そういう意味ではしっかりしないといけないなという責任感が芽生えました。

下島輝星 私が成長を感じた点は大きく2つあります。1つは自分の楽器の技術力と対応力です。最近たくさんライブしたこともあって、色んなアレンジにも対応する力が上がったと感じています。メンバーが13人になって自分の音がより前に出るようになってから、リードフレーズをいっぱい弾くようになったんです。凄い練習しました! 最近はギターソロの見せ方なども考えながらやっています。もう1つは、バラエティ力が上がったなと思います。グループの中でずっとふざけているなと思って(笑)。

――そういったキャラクター的な感じで?

下島輝星 たぶんそうなのかなと思います。それが自分のあるべき姿だなとも思っています。だから、もうちょっと面白くなりたいなと(笑)。

――なるほど(笑)。有働さんが成長を感じる点は?

有働優菜 私は、オーディションを受けた時はずっとクラシックしか弾いたことがなくて、バンドでの鍵盤演奏の体験がなかったので戸惑うことが多かったんです。でもライブなどを重ねていくうちに、バンドの中で弾くピアノの楽しさを見つけられました。一人で弾けるクラシックの曲とは違う点として、バンドではアンサンブルが大事になってくると思うんです。そこは苦戦した部分でもあったんですけど、そこがこの2年間で成長したと思っています。

――クラシックとバンドとでは楽譜からして違う部分もあるのでは?

有働優菜 そうですね。全て音符表記だけではなく、バンドでの楽譜はコードが書いてあったりするんです。コードはギターを少し触ったことがあるので知ってはいたんですけど…「こんなの弾けないよ!」と思っていたけど、最近は自分でアレンジして弾けるようになってきたり、ちょっとずつ成長しているかなと思っています。クラシックは10年ほど続けていたんですけど、最近はJ-POPをピアノで弾くのが楽しいと感じています!

化学反応を起こすリード曲を含む1stアルバム

『青春とバンドは、楽しくてメンドクサイ』初回盤ジャケ写

――本作の『青春とバンドは、楽しくてメンドクサイ』というタイトルには含みがあると感じますが、どんな想いが込められているのでしょうか。

下島輝星 本当にこのままなんですけど(笑)。私達もバンドをやって楽しいしライブ中も笑顔なんですけど、めんどくさいよねというのもあって。練習をして、重たい機材を運んで…。

――特に鍵盤を運ぶのは相当重いのでは?

有働優菜 そうなんです(笑)。背負って運んでいるんです。

下島輝星 後ろからだと姿が見えないもん!

船井美玖 人と鍵盤とどっちが背負われてるかわからないくらいです(笑)。

有働優菜 週に3、4回くらい運んでいて(笑)。でも、バンドにはそれを超える楽しさ、大変なことを経てということがないと見えない景色があると思っていて。その楽しさに向けて今頑張っているんです。

――なるほど。ところで、みなさんの本作の推し曲は?

船井美玖 新曲が3曲あって、1曲はリード曲の「泣かせてくれないか?」も推し曲なんですけど、「その日」と「永遠の記憶」は全員で演奏していなくて、演奏メンバーが違うんです。「その日」は私と絹本と2人で歌っているんです。いつもは宇都宮と2人で歌っているので、これが初めての試みというか絹本と2人で歌うことに凄く意味を感じています。みなさんに新しい雰囲気の曲を届けられるんじゃないかなという点もあって、「その日」は注目してほしいなと思っています。

――リード曲「泣かせてくれないか?」は新境地と感じたのですが、この点はいかがでしょうか。

下島輝星 私もこの曲がきた時はびっくりしました。懐かしい感じの曲調で、私達が歌い上げることができるかなという不安も少しあるくらいでした。でも全員で歌って完成した曲を聴いた時に、デモで聴いていた時の印象と全く違って爽やかさが出てきたんです。私たち世代の女の子達が<泣かせてくれないか?>と魂で歌っている感じが「こんな風に化学反応を起こすんだ」と思いました。歌詞に重みがある中でも爽やかさと疾走感もあってスッと入ってくる凄くいい曲だと思います!

有働優菜 私の推し曲は「仮病」です。ピアノのイントロが凄く印象的な曲だと思うんです。レコーディングした時に「雰囲気が『仮病』に合ってるね」と褒めて頂いたんです!

船井美玖 それ褒めてないんじゃない(笑)。

有働優菜 歌詞にも通ずるところがあるというか、本当に貧血で保健室に行ったこともあるし(笑)。

下島輝星 それ、仮病じゃなくて本当に具合が悪いやつだよ(笑)。

有働優菜 実際に仮病で保健室に行ったこともあって(笑)。「しんどい時は休んでいいんだよ」というメッセージもあるのかなと思うし、個人的にも凄く支えになった曲なのでとても印象的です。

――なるほど。ところで「マジでピンと」のカラフルなサウンドアプローチが印象的です。この曲のエピソードなどはあるのでしょうか。

船井美玖 この曲は、飛び抜けて爽やかで明るい曲で、頭を解放できる曲だと思うんです!

下島輝星 ライブでもよくやる曲で、みんなで思いっきり弾ける感じがあるんです!

船井美玖 だから凄くセットリストに入れたくなる楽曲です。それこそ「マジでピンと」はオンラインライブでしかやったことがないんです。ファン限定のライブなどではあるんですけど、普通のライブではまだ披露したことがなくて。絶対ライブでやったら楽しい曲だと思います。この曲は、やっていてメチャクチャ楽しいです!

有働優菜 確かに!

下島輝星 でも裏打ちのリズムでギターを弾くところはけっこう緊張します(笑)。

それぞれのバンド観

――今回の新たなビジュアルについて、注目ポイントは?

有働優菜 とりあえずロッカーに入っちゃってます(笑)。今までは学校やスタジオなどだったんですけど、今回は今までにないくらいポップな感じです。私達のまた新しい一面じゃないかなと思います。

船井美玖 「仮病」の衣装も引き続き使わせて頂いているのですが、クールな衣装がこんなにポップになるんだと思いました。

有働優菜 あと、メンバーの名前が書いてあるシールがロッカーに貼ってあったり、これまでの作品での衣装があったりと、色々と工夫されているんです。

下島輝星 今までのザ・コインロッカーズの歴史が感じられる部分もあるんです。

――色々な注目ポイントがありますね。さて、『青春とバンドは、楽しくてメンドクサイ』のタイトルにかけて、みなさんにとって“バンド”とは?

有働優菜 本当に私にとっての青春です。高校2年生からザ・コインロッカーズに入って高校生活の半分をザ・コインロッカーズに捧げてきて。高校生って体育祭や文化祭などをやったりと、青春そのものじゃないですか? でもお仕事で参加できなかったりしたんですけど、それを上回るザ・コインロッカーズの青春ができたので、このバンドに入って良かったなと凄く思います。

船井美玖 私にとってバンドとは、「私じゃない私になれる場所」だと思います。学校では人とわちゃわちゃするのが好きではないというか、単独行動派なんです。一人っ子というのもあって親からも言われていたくらい一人が好きだったんです。でもグループに加入してからは、みんなと意見を交換し合って音を合わせて、協調性が育ったと思うんです。

 私は運動も苦手だし動くのもそんなに好きじゃないけど、ライブや歌っている時は自分と違う自分が入っていて、音楽に乗って動いたり笑顔でハイテンションで歌うことができるんです。それは自分ではない自分が入っているかなと思っているんです。ザ・コインロッカーズに入ってからは、周りの意見をどれだけ取り入れて良くしていくか考えてきたので、加入前とは全然違うなと思います。

下島輝星 バンドとは、「私の居場所」です。私も学校でワイワイという感じではなかったんです。軽音楽部にいたんですけど、そこにはよく行っていてバンドが楽しかったんです。ザ・コインロッカーズに入ってからも凄くたくさんライブができて、そんな中で緊急事態宣言が出てライブができなくなった時に「何もない」とも思って落ち込んだんです。
バンドがやれないとこんなになってしまうのかというくらい(笑)。自分の居場所がなくなるってこういうことなのかなと思って。私のギタープレイスタイルは激しい感じで、音楽を心から楽しんでいるというのを体で表現するタイプなんです。それができなくなった時に何をすればいいのかわからなくなって凄くつらかったんです。私はバンドがないとダメなんだなと思いました。

――みなさんにとってバンドとは核となる部分なのですね。ところで、最近新たに始めたことなどはありますか。

有働優菜 最近Cubase(音楽制作ソフト)を買ったんです。まだ始めたばかりですけど、ずっと作曲したいと思っていたのでこれから凄く楽しみです!

――意欲的ですね。それでは、読者のみなさまにメッセージをお願いします。

船井美玖 『青春とバンドは、楽しくてメンドクサイ』は2周年を迎えた私達がリリースさせて頂く1stアルバムです! 新曲でリード曲の「泣かせてくれないか?」は凄く旅立つのが悲しい曲と捉えるかもしれませんけど、私達からこの春にプレゼントという感じで、次の新しい出会いに背中を押してくれるような作品です。この季節にぴったりだと思います。是非みなさまに聴いて頂きたいです!

(おわり)

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