シンガーのLiSAが3月14日、2月22日にZepp Hanedaで有観客で行われたライブ『LiVE is Smile Always~unlasting shadow~』が配信された。このライブは昨年予定していた開催が延期中止となり、1年ぶりに内容をリニューアルして新規公演開催したもの。ライブは「紅蓮華」や「炎」はもちろんのこと、全8曲のメドレーやアンコールで新曲の「サプライズ」を披露するなど、この10年を包括するようなセットリストでメドレー含め全22曲を届けた。LiSAの愛と未来への希望が詰まったライブの模様を以下にレポートする。【村上順一】

私たちで最高な今日を作りましょう

撮影=Viola Kam(V'z Twinkle)

 雨が滴る音が響く中、のまーりん(Key)による美しいピアノの旋律に導かれるように、ゆっくりとLiSAがステージに。大きな拍手が彼女を迎え、LiSAの表情からも緊張感が画面越しにも伝わってくる。久しぶりの有観客ライブのオープニングを飾ったのは「ASH」。<こんな世界で 何を刻めるのだろう>と、切実な想いをハンドマイクで感情を注ぎ込んでいくLiSA。その姿は鬼気迫るものがあった。

 LiSAは涙を流し、声を震わせながら「こんばんは。LiSAです。拍手をもらったら感動してしまって...」と登場から既に感極まってしまったことを告げる。「今日はここで歌える喜びや大切さを後ろの後ろまで届けますので受け取ってください」と述べ、届けられたのは大ヒット曲「紅蓮華」。ピアノとLiSAの歌声、最小編成でのパフォーマンス。歌のエモーショナルさはより研ぎ澄まされ、アコースティックバージョンとしての「紅蓮華」にしっかり昇華されていた。歌詞にもあるような“運命を照らす”ような歌声に、歌唱後に客席から大きな拍手が降り注いだ。

 「拍手ってこんなにも温かかったんだ、と気づきました。私たちで最高な今日を作りましょう」と、久しぶりの有観客でのステージに立った気付きと、ライブへの意気込みを話し、会場からの手拍子が印象的に響いた「BRAND NEW YOU」を披露。ここからはドラムやベース、アコースティックギターも加わりダイナミックな演奏で魅せる。声が出せない中でも一体感を感じさせてくれた瞬間でもあった。

 そして、LiSAがイントロでグロッケンを奏でた「変わらない青」。エネルギッシュな歌声が印象的な彼女だが、包み込むような歌声で表現力の幅を見せてくれた1曲で、天井から青く光るライトが優雅に昇降し、視覚的にも美しい空間を作り出していた。続いての「蜜」では、グランドピアノの上にLiSAが横たわりながら、セクシーなLiSAを演出。それは見た目だけでなくブレスを多めに取り入れた歌声でも表現し、ジャズシンガーの片鱗を垣間見せてくれた。

撮影=Viola Kam(V'z Twinkle)

 アカペラで始まった「シルシ」。息を呑むような空気感。その歌声は会場の隅々まで響き渡っているのが容易に想像できる。この感情表現豊かな歌唱に「名曲すぎて泣く」、「感動で泣いてます」など配信のリスナーの感情揺さぶるなか「炎」へと紡がれる。コーラスも加わりより抒情的な空間を作りあげ、最後のサビでは真紅に染まるステージは圧巻の演出。我々を非日常の世界へと導いてくれた。

撮影=Viola Kam(V'z Twinkle)

 さらにバラードセクションは「unlasting」で深淵に到達。間奏で遠くを見つめる視線が印象的で、幸せを願う想いが存分に伝わってきた。そしてこのセクションを締めくくったのは、最新曲「dawn」。深海から一気に空へと飛び上がるようなテンションの急上昇。アップビートに乗ってLiSAの活き活きとした歌声を堪能。客席もこのリズムに乗ってペンライトを振って楽しんでいた。

 MCでは「このライブは1年半前から準備していました。『unlasting shadow』ということで最初は暗いところからだんだん明るくなっていくようなイメージでライブを作って行こうと練りました。でも、1年が経って暗いところから徐々に明るくなってきましたね。会いたい人にも会えなかった1年だったのでここからは会いたい人にも会えたという希望も込めてポップなメドレーへ参りたいと思います。心して付いてきてください!」と投げかけ、メドレーコーナーへ突入。

撮影=Viola Kam(V'z Twinkle)

LiSAのポップソングを詰め込んだメドレーは全8曲、15分という大ボリューム。「KiSS me PARADOX」で走り出したメドレーは終始、LiSAのトランスペアレントな歌声とキュートな姿を振りまいた。「オレンジサイダー」のエンディングでは鍵盤ハーモニカを披露し、「say my nameの片想い」のエンディングではお茶目な一面も。「LOVER” S” MiLE」で締めLiSAは「無事、完走出来た!」と、達成感のある笑顔を覗かせた。

楽しいことを重ねてまた会いましょう

撮影=Viola Kam(V'z Twinkle)

 LiSAはステージ前方に設置されたシンセドラムを使用し、観客とリズム遊び。手拍子のコールアンドレスポンスでコミュニケーションを取り、メンバー紹介へ。そこから流れ込むように「Rally Go Round」でライブはラストスパート。間奏では先程のシンセドラムを気に入った様子で、楽しんでいるLiSAの姿が印象的。アコースティックとは思えない盛り上がりを見せ、「やくそくのうた」ではビートに合わせ美しく振り子を描く観客の手が壮観な光景を作り出していた。

 LiSAは「ここにきてくれているみんなが叶えてくれた今日です。出来ることは少しかもしれない。一歩一歩かもしれない。だけどね、きっとこの先には最高の未来が待っていると私は信じています。今日はみんなが進めてくれた大切な一歩、新しい一歩です。まだまだ進んでいこうという気持ちを込めて――」と、本編ラストは「ハウル」を届けた。希望に満ちた歌声を響かせ、幸せなエネルギーで満たされる中、LiSAは「また遊ぼうね!」と言葉を残しステージを後にした。

 客席からアンコールを求める手拍子。白いドレスに着替えたLiSAが再びステージに登場した。

 今年4月で10周年を迎えるLiSAは「この10年いろんな人に出会いながら、いろんな出来事に泣かされたり、喜んだり、いろんな想いを感じさせていただきました。それはその時にいてくれたみんなが作ってくれたサプライズのような、希望の光のような一つひとつだったなと思います。みんなに感謝を込めて、サプライズのような希望をみんなに届けていけるように願いを込めて新曲を歌います」と、新曲の「サプライズ」を披露。SNSで情報が溢れるいま、この曲を披露されたことは明かされていなかった。コメント欄でもまさにこの“サプライズ”に感動するコメントも多くみられた。配信で楽しむ人への配慮、愛が感じられた瞬間でもあった。楽曲は温もりを感じさせるミディアムバラードで、丁寧に伸びやかな声で歌うLiSA。

撮影=Viola Kam(V'z Twinkle)

 「アコースティックライブだけど最後は元気に行っちゃうよ! イケるか羽田、イケるか配信!! 一生懸命に生きている今日ってやっぱり最高だな」と力強く投げかけ、ラストは「best day, best way」を届けた。<ただ今日が最高なんだから>と今日という日を肯定してくれる強力なナンバーで、LiSAらしさ全開の元気いっぱいのパフォーマンスで大団円を迎えた。そして、このライブを行ってみて「やれること沢山あるな、やっぱりライブって楽しいなと思いました。誰かが作ってきた歴史の上にライブというものがあって、それで私たちは遊ばせてもらってたんだなと思っています。今度は私たちで新しいライブの遊び方を作ろう。楽しいことを重ねてまた会いましょう」と告げ、最後に恒例の「今日もいい日だっ!」の声に観客も手拍子でユニゾンし『LiVE is Smile Always~unlasting shadow~』の幕は閉じた。

 未来を考えながらも毎日を全力で生き抜いていく。そんな想いで満たされた時間だった。アコースティックとはいえ活力を与えてくれたライブはLiSAの真骨頂、アイデンティティがしっかりと投影されていた。そして、LiSAがバックステージで放った「希望が見えました!」という言葉に、頼もしさと多大な期待感が同時に押し寄せた――。

セットリスト

M-1.ASH
M-2.紅蓮華
M-3.BRAND NEW YOU
M-4.変わらない青
M-5.蜜
M-6.シルシ
M-7.炎
M-8.unlasting
M-9.dawn

M-10.メドレー(sweet)
1.KiSS me PARADOX
2.sweet friendship
3.オレンジサイダー
4.妄想コントローラー
5.say my nameの片想い
6.1/f
7.リングアベル
8.LOVER” S” MiLE

M-11.Rally Go Round
M-12.やくそくのうた
M-13.ハウル

En-1.サプライズ
En-2.best day, best way

◆LiVE is Smile Always〜unlasting shadow〜
見逃し配信3/21 20:00まで

【Stagecrowd】
https://stagecrowd.live/s/live067/page/unlastingshadow?ima=0257
【LINE LIVE-VIEWING】
https://ticket.line.me/events/6217?u

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